親知らずを抜歯すべきか?残すべきか?
親知らずを抜くべきかどうか――
その判断の基準は、「どう生えているか」によって変わってきます。たとえば、斜めに生えている、横向きに埋まっている、他の歯にぶつかっているといったケースでは、将来的にトラブルの原因になる可能性が高いため、抜歯をおすすめすることが多いです。こうした親知らずは、周囲の歯を押して歯並びに影響を与えたり、歯ブラシが届きにくいために虫歯や歯ぐきの炎症を引き起こしやすくなるためです。
一方で、次のようなケースでは、無理に抜かず経過観察をすることもあります。
✅親知らずがまっすぐ生えており、しっかり噛み合っている
✅骨や歯ぐきに完全に埋まっていて、痛みや炎症がない
このように、親知らずの治療には個人差やリスクが伴うため、一律の対応はできません。
当院では、「とりあえず抜いてしまいましょう」といった対応はいたしません。患者さんのご不安やご希望をしっかりお伺いしたうえで、レントゲンやCTなどを使った正確な診断を行い、一人ひとりにとって最善の判断ができるよう丁寧にご説明いたします。
親知らずを抜歯するメリット/デメリット
メリット
デメリット
- 術後の痛みや腫れ
- 滅多にないが舌や唇が麻痺するリスクがゼロではない
先ほどもお伝えしましたが、大切なのは、ご自身の親知らずが「将来のリスクを抱えているかどうか」を正しく知ることです。当院では、レントゲンやCTなどを活用し、しっかりと状態を把握したうえで、患者さんと一緒に治療方針を考えていきます。
当院の親知らず治療が「患者さんに好評」の理由
親知らずの治療は、どこで受けても同じ…と思っていませんか?
実は、親知らずの抜歯は医院によって患者さんの負担に大きな差が出ることがある治療です。特に親知らずが骨や神経の近くにある場合や、横向きに埋まっているケースでは、高い技術力と経験が求められます。加えて、術後の腫れや痛みをできるだけ抑えるためには、精密な診断と、安全性を高める設備の有無も重要なポイントです。
当院の体制をご紹介します。
「CT装置」による精密診断
CTとは、お口の中を立体的に映し出すことができる精密な検査装置です。レントゲンでは見えにくい部分まで詳細に確認でき、次のような点を正確に把握することができます。
✅親知らずの正確な位置や向き
✅周囲の神経や血管との距離感
✅骨の厚みや密度、埋まっている深さ
これにより、不必要な切開を避けたり、リスクを事前に回避したりできるため、術後の痛みや腫れを最小限に抑えられるだけでなく、より安心・安全な抜歯が可能になります。
痛覚をブロックする「伝達麻酔」
麻酔には「浸潤(しんじゅん)麻酔」と「伝達麻酔」の2つがあります。浸潤麻酔は歯茎の一部を麻痺させる方法で、一般的な虫歯治療によく用いられます。しかし、神経がたくさん通っている下あごの親知らずのケースではほとんど効き目がありません。
そこで使うのが伝達麻酔です。痛みを伝達する神経をシャットアウトし、長時間にわたって麻酔効果を維持します。伝達麻酔があれば、治療中に痛みを感じることは滅多にありません。
ピエゾサージェリーで「腫れ・痛み」を軽減
ピエゾサージェリーは、超音波の振動を利用して骨だけを選んで削ることができる特殊な機械です。従来の器具と違い、神経や血管、歯ぐきなどの柔らかい組織には反応しないため、周囲の大切な組織を傷つけるリスクがほとんどありません。次のメリットがあります。
✅ 手術後の痛みや腫れが抑えられる
✅ 出血が少ない
✅ 治癒が早く、身体への負担が少ない
✅ より正確で、安全な処置が可能に
CGFで治癒促進(保険外)
CGFとは、ご自身の血液から抽出した成長因子を利用する再生医療の一環です。この治療法は、皮膚や腱などの早期再生にも効果があり、形成外科や皮膚科、アンチエイジング分野でも注目を集めております。親知らずに利用することで、親知らず抜歯で生じたダメージの治癒促進に効果があります。
女性は「妊娠前」に親知らずの治療を済ませましょう
妊娠をきっかけに、親知らずが急に痛み出すことがあるのをご存知ですか?これは、妊娠によって変化するホルモンバランスが、お口の状態にも影響を与えるためです。そのため当院では、妊娠を予定されている方には、あらかじめ親知らずの状態を確認し、必要があれば早めに抜歯することをおすすめしています。
「妊娠してから抜けばいいのでは?」と思われるかもしれませんが、妊娠中は以下の理由から抜歯や検査が難しくなることがあります。
✅レントゲン撮影が制限される
✅抗生物質や痛み止めの使用に注意が必要
✅麻酔や手術によるストレスがお母さんと赤ちゃんの負担になる
もちろん、「痛みを我慢する」という選択もありますが、妊娠中はお薬に頼れない場面も多く、そのまま放置することで炎症が悪化してしまう可能性もあります。ですので、もし親知らずが気になるようでしたら、妊娠前の今だからこそ、一度しっかりとチェックしておくことをおすすめします。
初診治療相談へのご案内
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。