抜歯を回避するための治療法があります
一般的に、次のようなケースでは「抜歯」が選択されることが多いです。
✅虫歯が過度に進行してしまった歯
✅歯周病でグラグラになってしまった歯
✅根の先に大きな炎症ができている歯
こうした症状に対しては、通常、抜歯後に「インプラント」や「入れ歯」「ブリッジ」などの治療が行われます。しかし、これらの治療法は時間・費用・身体的な負担が大きくなることも少なくありません。そして何より、どんなに技術が進歩しても、ご自身の歯に勝るものはありません。
だからこそ、当院では、「できる限り歯を抜かない治療」を大切にしています。
「抜くしかない」と思われるような歯でも、様々なテクニックを駆使することで、残せる可能性がある場合もあるのです。もちろん、すべての症例で歯を残せるわけではありません。状態によっては、抜歯が最善の選択になることもあります。
大切なのは、あらゆる可能性をしっかりと検討し、納得したうえで治療を選ぶことです。「本当にこの歯は抜かないといけないの?」「ほかに選択肢はないの?」そんな疑問や不安をお持ちの方は、どうぞ一度ご相談ください。あなたの大切な歯を守るために、私たちができることを全力でご提案いたします。
ひどい虫歯の場合「エクストリュージョン法」
掲載症例の場合、多くが抜歯宣告されます。通常の虫歯治療では、虫歯の部分を削って、被せ物を装着するのですが、掲載症例の場合、被せ物を支える土台自体がほぼ残っていないので、治療の施しようがないためです。
しかし、「エクストリュージョン法」を行うことで残せる可能性があります。この方法では、歯の根をゆっくりと引き上げて、歯茎の外に出すことで、被せ物をしっかり固定できるだけの土台を確保できるため、被せ物の装着が可能になります。
もちろん、すべてのケースで適応できるわけではありませんが、「もう抜くしかない」と思われているような状態の歯でも、残せる可能性があります。
重度歯周病の場合「歯周組織再生療法」
歯周病が重度まで進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が少しずつ溶けてしまい、歯がグラグラしてきます。この段階になると抜歯の選択になります。しかし、「歯を支える骨や組織を再生する」ことができれば、グラグラした歯も安定し、抜歯せずに残すことができます。それを可能にするのが「歯周組織再生療法」です。
当院では「エムドゲイン法」を採用しています。簡単にご紹介します。
エムドゲイン
「エムドゲイン」は、骨を再生させる効果のある特殊なたんぱく質を含んだ薬品です。患部を切開し、骨が失われた部分にこれらの薬品を直接塗布します。個人差はありますが、およそ数ヶ月〜1年程度で骨が再生します。
歯の根の病気の場合「歯根端切除術」
歯の根の病気が進行すると、歯根に「膿」が溜まります。この状態も抜歯宣告される顕著な例です。こういった症例でも、当院では「歯根端切除術」という術式で、抜歯せずに治療できる場合があります。歯根端切除術では、歯茎の外側を切り開き、歯の根の先端ごと膿の袋を取り除きます。取り除いた後の空洞は血液で満たされ、時間の経過とともに骨が再生していきます。
歯が割れた場合「再植術」
歯の根が割れてしまった場合、ほとんどの歯科医院では「抜歯」が選択されます。当院でも、実際に歯の根に深いヒビが入っていると判断した場合には、抜歯を選択します。ただ、ここでひとつ重要なのは、「本当に根が割れているのかどうか」を正確に見極めるのが非常に難しいということです。
そのため、本来であれば抜歯する必要がない歯も抜歯になってしまうケースが多くあります。そこで当院では、「意図的な抜歯(再植術)」を選択肢のひとつとしています。次の流れの処置になります。
①一度、対象の歯を慎重に抜歯
②肉眼でヒビや破折の有無を直接確認
③割れていなければ、必要な処置を行ったうえで元の位置に戻す(=再植)
④もし破折が確認された場合は、患者さんとご相談の上、そのまま抜歯
このようなステップを踏むことで、「本当は残せた歯」を誤って抜いてしまうリスクを最小限に抑えることができます。
患者さんにとって「歯を抜く」という決断は、とても大きなもの。だからこそ当院では、“抜歯は本当に最後の手段”として位置づけ、あらゆる可能性を検討したうえで判断を行っています。
初診治療相談へのご案内
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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