インプラントは空港の金属探知に反応する?

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

歯を失った際の治療として、インプラントを選ぶ方が増えてきました。

インプラントの魅力は何より寿命が長いことと、噛み心地が自分の歯と変わらない点だと言われています。

インプラントは、主にチタンという金属を使用した人工歯根を顎骨に埋め込み、その上部に人工歯を取り付けるという治療です。

表面からは金属自体は見えませんが、金属を使っているという点では、空港などにある金属探知機に引っかからないのか気になる方もいるでしょう。

飛行機を使って出張や旅行へよく行かれる方は、金属探知機を通るたびにインプラントのことを説明しなければならないのは大変ですよね。

今回は、インプラントが空港の金属探知に反応するのか、またその他の生活面で金属を使っていることに関する気になる点について、まとめました。

目次

1.インプラントは金属探知に反応する?

空港では搭乗する前に金属探知機を通りますね。

事前に金属製のもの、例えば時計、アクセサリー、ベルトなどは取るように言われることが多いでしょう。

しかし、インプラントなどの治療に使われた金属は取り外すことはできません。

特にインプラント治療は審美性も重視された治療であるため、口を開けても金属部分が見えません。

この場合、金属探知機を通るのは問題ないのでしょうか。

1-1.インプラントに使われるチタンは金属探知機に反応しにくい

結論から言うと、インプラントに使われる金属は空港などに設置してある金属探知機に反応しにくいものです。

インプラントでは人工歯根(インプラント体)と、人工歯と人工歯根をつなぐアタッチメント部分に金属が使われています。

使われる金属は主にチタンという強度や耐食性に優れ、金属アレルギーが起こりにくい、生体親和性の高い金属が使われています。

このチタンに含まれる原子量は、金や銀など他の金属の原子量に比べて小さいため、一般的な金属探知機にはほとんど反応しないと考えられます。

 

チタンはインプラントだけでなく、ブリッジや銀歯などにも使われます。

そのため、歯の治療に金属を使っていたとしても、基本的に金属探知機に反応することは少ないです。

1-2.本数が多い場合は要注意

インプラントに使われる金属のチタンは、金属探知機に反応しづらい素材です。

しかし、インプラントの本数が多かったり、インプラントの他にもブリッジ治療や銀歯治療をしたりしている箇所が多い場合には要注意。

金属探知に反応しづらいチタンでも、量が多ければ反応してしまうことがあります。

もし不安な場合には、事前に医師に診断書を書いてもらい、万が一金属探知機に反応した際は診断書を見せられるよう準備しておきましょう。

1-3.海外の空港利用の場合も注意

また、海外の空港を利用する場合は要注意。

日本の空港よりも金属探知を含めたチェックが厳しい国もあります。

念のため、事前にインプラントに使われた金属の種類や治療の場所を空港で聞かれた際に伝えられるよう、準備しておくと安心です。

言葉だけで伝えるのが難しいと感じる場合は、治療証明書や診断書などを用意し、それを見せながら伝えるといいかもしれません。

2.インプラントの金属はMRIやCT検査は大丈夫?

空港などの金属探知機の他にも、生活する上でインプラント治療で使われる金属が気になる場面があるでしょう。

例えば、MRIやCTでの検査の際です。

病院で何か検査をする際、MRIやCT撮影をすることはありますが、金属が撮影する際の邪魔になることや、検査によって健康被害等があるのではと心配になる方がいるかもしれません。

2-1.CT検査の場合

結論として、CT検査の場合、画像に乱れが起こることはあるようです。

しかし、このような画像の乱れはインプラントに限らず、銀歯が入っている場合も起こりますし、インプラントの方が画像の乱れは起こりにくいと言われています。

そのため、あまり気にする必要はないと言えます。

2-2.MRI検査の場合

MRI検査の場合は、強力な磁場が発生するため、金属の持ち込みは禁止されています。

MRIの機器が壊れたり、検査を受ける患者さんが怪我をしたり、正常な診断ができなかったりなど、いろいろな影響があるためです。

しかし、インプラントに使われる金属であるチタンは、磁力の影響を受けない金属です。

そのため、MRI検査の場合も支障をきたすことはないと言えます。

それでも心配な場合は、検査前に医師にインプラント治療をしたことを伝えておくといいでしょう。

 

ただし、アタッチメント義歯・インプラントーオーバーデンチャーなど、インプラントの中でも磁力を利用して、人工歯根に入れ歯を固定するタイプのインプラントもあります。

この場合は磁石を使用していますから、MRI検査の前に磁石の付いたものを外さなければなりません。

磁石が人工歯根の方に埋め込まれているケースなど、磁石が外せない場合には必ずMRIを受ける前に医師に相談してください。

3.インプラント治療後も金属探知機を通るのには問題ないことが多い!

インプラントに使用されるチタンは、空港の金属探知機にほとんど反応しません。

生体親和性が高く、金属アレルギーの心配も少ないため、安心して日常生活を送れます。

ただし、インプラントの本数が多かったり、他に金属製の歯科治療した部分が多かったりする場合は、探知機に反応する可能性もあります。

そんな時のために、診断書を持参しておくと安心です。

また、海外の空港ではチェックが厳しい場合があるため、必要であれば、治療証明書や診断書を用意しておくのもいいでしょう。

 

インプラントが空港の金属探知機に反応することはほとんどありませんが、不安な場合は事前の準備を整えておくことで、旅行や出張時のトラブルを避けることができます。

安心して旅行を楽しむためにも、インプラント治療後の適切な対応を心がけましょう。

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