「歯がない人」は相手への印象が悪くなる?

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

「好印象は口元から」と言われるほど、人は無意識に口元を見て、その人がどういった人物なのかを判断する傾向があります。

 

とはいえ、歯がないだけで、そんなに相手への印象は変わらないのでは?と思いますよね。

 

そこで今回は、歯がない状態が、相手にどういった印象を与えるのかについて解説していきます。

目次

1 人は、相手のどこを見る?

他人が第一印象を判断する上で、どこを重要視して、どう感じているのかを全国の20代~50代の男女1,132人を対象に「人の印象に関する意識調査」が行われました。※1

 

その調査の結果、71%の方が「顔」と回答したことがわかっています。

その中でも、顔のパーツでどこを注目しているかというと、6.6%の方が口元に注目しているようです。

 

顔のパーツの中では、口元がもっとも相手の清潔感がわかりやすいため注目が集まりやすいです。

 

また、好感が持てるのはどのような口元ですか?という質問をした結果、42.7%の方が「キレイな歯並び」と答えています。

 

歯がない場合には、キレイな歯並びにはなりません。

 

歯が無いスペースに他の歯が傾いてきたり、歯を失ったことで噛み合う歯がなくなって歯が伸びてきたりします。

 

そうなると、歯並びが凸凹した状態になり、見た目がさらに悪くなります。

2 口元はその人の裏側が見える

アメリカでは、歯のキレイさが会社の採用や昇格の基準になるほどです。

印象を良くするために、歯を白くキレイに治療する方が多くいます。

 

それほど、歯を重要視しているのは、「その人の裏側が口元にでる」ことを知っているからです。

 

例えば、どんなにハイブランドの洋服や時計などを身に付けて見た目を良くしても、歯が無かったり、口臭が酷かったりすると好印象にはなりません。

 

歯がない状態は、仕事を一緒にするパートナーに不信感しか与えません。

 

歯がないのが、「自己管理が出来ていない」=「仕事ができるか不安」と捉えられて、仕事を任せてもらえないこともあります。

 

最悪の場合には、一緒に仕事をするのを断られる可能性もあります。

「歯がないだけで、そこまで考えるのはおおげさでは?」と思う方もいるでしょう。

 

しかし、虫歯になった場合には、痛みが強く出て仕事に集中できなくなり、作業効率も落ちてしまいます。

 

歯周病の場合には、歯周病菌が原因で糖尿病や全身疾患などの病気を引き起こしたり、持病を深刻化させたりする可能性もあり、病気の症状によっては、長期入院や療養になり、仕事ができなくなる時期もあるでしょう。

 

そういった仕事ができない状況になるのが、口元で予想できます。

 

また、歯がないことは見た目だけの問題ではなく、口臭のイメージをもたれやすいです。

 

実際に、口臭がしない場合でも歯がない状態を見て、「口がニオイそう・・・」と悪いイメージから関わるのを避けてしまうようになります。

3 歯の治療は「保険治療」と「自費治療」のどちらが良い?

歯の治療は、大きくわけて2つの治療法にわけられます。

 

保険治療は、国民健康保険に加入している人が平等に受けられる制度です。

そのため、自己負担額が少なく、費用がほとんどかからずに治療を受けることができます。

ただ、保険治療で使われる素材は決められていて、治療に限界があるのは事実です。

 

例えば、保険治療で被せ物を作製する時には、パラジウムという金属が使われます。

パラジウムは、日本で言う銀歯のことです。

 

見た目が悪くなる以外にも、被せ物と歯の間に隙間や段差が出来やすく、虫歯や歯周病を引き起こす可能性が高くなります。

 

さらにパラジウムは、金属アレルギーを引き起こす原因になるとも言われています。

 

保険の被せ物に「もっと良い素材を使ってほしい」と思いますよね。

しかし、保険の治療で使用できる素材は、国から指定されていて変えることができません。

 

保険治療で見た目を良くしたり、機能を回復させたりするのには限界があります。

 

一方で、自費治療は、治療費の全額を自己負担する制度です。

自費治療の価格は、個人で自由に設定できるため、医院によって値段に差があります。

 

自費治療は、自由診療とも言われるほど、限界がない治療です。

 

例えば、自費治療で前歯の被せ物を製作する場合では、耐久性のある金属歯のダイヤモンドと言われるジルコニアなどの素材を使用することができます。

 

また、保険の被せ物は、決められた白さの中から自分の歯に近い色を選ぶことしかできないので、被せ物とわかりやすく、その部分だけ浮いているように見えがちです。

 

自費の被せ物では、細かいところまで色を選ぶことができ、自分の理想とする白さにすることも可能です。

 

自費治療は、保険治療に比べると費用はかかりますが、口元が美しく見えたり、虫歯になりにくかったりする特長があります。

 

仕事ができる人は、歯の大切さを知っているからこそ、虫歯にならずに長く使えるように自費治療を選択する傾向が強いです。

4 歯がない人の治療法

歯がないケースでは、次の3つの治療法があります。

4-1:入れ歯

入れ歯は、保険治療自費治療の2つがあります。

 

保険の入れ歯は、歯や歯茎の部分がプラスチックでできていて、他の歯に金具のバネを引っかけて固定させます。

 

部分的な入れ歯を入れる位置によっては、金属のバネが見えて他人から入れ歯をしているのがわかってしまいます。

 

入れ歯をして歯を失った部分をカバーしていても、入れ歯だとわかってしまうと、歯を失うほど自己管理ができていなかったのかな?と相手に思わせてしまう可能性があります。

 

また、金属のバネが見えている状態を良しとしている状態は、歯に気を遣っていない人と思われてしまい、残念な印象を与えるようになります。

 

一方で、自費の入れ歯は、金属のバネを使わずにシリコン樹脂で入れ歯を作るタイプがあり見た目が良く、他人から入れ歯をしているのが気づかれにくいです。

 

ただ、食事の後は、入れ歯を外して洗うのが基本です。

食べ物のカスが入れ歯についたままだと、口臭の原因になるので、細かい入れ歯の清掃が必要になります。

4-2:ブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って、その上に繋がった被せ物を取り付けていく治療法です。

 

ブリッジの被せ物を作る時には、歯がない部分を両隣の歯が支えるようになるので、健康な歯を削る必要があります。

 

また、ブリッジは歯を土台にしているため、噛み心地が良く、しっかりと噛めることが可能です。

 

保険のブリッジの場合には、パラジウムを使用します。

 

歯を失ったのが1本だと、両隣を含めて3本が銀の被せ物になるので、大きく目立ちやすい見た目になります。

 

自費のブリッジは、丈夫な金属の上に白いプラスチックを貼り付けたり、陶器のような艶のあるジルコニアといった材質を選んだりできるので、見た目が美しく仕上がるのが魅力的です。

4-3:インプラント

インプラントは、歯がない部分の骨の中にネジのような人工歯根を埋めて、その上に被せ物を取り付ける治療法です。

 

インプラントは、自費治療のみになります。

 

インプラント治療をする時には、インプラントを顎の骨の中に埋めるために外科手術が必要です。

 

一般的なインプラント手術時間は、約15~30分で済むことがほとんどです。

 

インプラントは、他の歯に負担をかけることや健康な歯を削る必要がないので、歯を守ることにも繋がります。

 

また、被せ物をセラミックやジルコニアといった透明感が強い素材を使用することで、自身の歯と変わらない見た目にすることができます。

5 歯をキレイにして「好印象」と「自信」を手に入れよう!

歯は、自分が思っているよりも他人に見られています。

 

歯がない見た目では、自己管理ができていない、清潔感がないと思われて、信頼性を失うきっかけになり、仕事を任せてもらえない可能性が高いです。

 

そうなると、自分は仕事ができないと感じるようになり、自信がなくなっていきます。

 

また、一度ついた印象を変えることは難しく、最初の印象が悪いと、悪いイメージのまま相手と関係が続いていくことになります。

 

「歯がないだけ」ではなく、「歯がないからこそ」あなたの印象が悪くなるのです。

 

自信を取り戻す第一歩として、まずは歯の治療から始めてみませんか?

 

※1 参考資料:「人の印象に関する意識調査」

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