
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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入れ歯はどこの歯科医院で作っても、同じではありません。
例えば、陶芸家によって作る皿の形や色合い、使い心地などが違うのと同様に入れ歯も作る人によって、使い心地が変わってくるのです。
入れ歯は、義歯とも呼ばれていて義足、義手や義眼と同様に、歯に変わって噛む機能を回復させる大事な役割があります。
片足が無くなったときには、家から近いからという理由だけで近くの病院で作ってもらいますか?
片手が無くなったときは、安いからという理由で病院を選びますか?
入れ歯の場合は、安さや自宅から近いという理由で歯科医院を選んでいる方も多いと思います。
しかし、そういった選び方は、入れ歯が合わない痛い、使いにくいといったトラブルを引き起こす可能性が高いです。
そこでこの記事は、良い入れ歯を作ってくれる歯科医院の9つの特徴について解説していきます。
目次
- 1 入れ歯の快適さは医院で決まる
- 2 良い入れ歯を作る歯科医院の「9つの特徴」
- 2−1:相談する時間をとってくれる
- 2−2:豊富な症例数がある
- 2−3:入れ歯のトラブルや対処法の説明がある
- 2−4:神経を残そうとしてくれるか
- 2−5:歯を残そうとしてくれるか
- 2−6:入れ歯の治療に対して誠実で丁寧か
- 2−7:保険の入れ歯がしっかりしている
- 2−8:歯科技工士と連携している
- 2−9:無理に治療を勧めない
- 3 補綴専門医と入れ歯専門医は違う?
- 4 条件の揃った歯科医院で良い入れ歯を作ろう!
1 入れ歯の快適さは医院で決まる

入れ歯が快適に使えるかは、歯科医院によって決まると言っても過言ではありません。
入れ歯の使い方やケアの仕方によっては、長持ちするかは変わってきますが、入れ歯が快適に使えているからこそ、ケアがしっかりとできるのです。
入れ歯が口に合っていない状態では、噛むたびにズレて痛みが出たり、外れやすくなったりしやすいです。
そういった入れ歯は、使わないようになるのでいつまでも歯茎に馴染まず、合わないまま劣化していきます。
また、入れ歯が合わない場合には、友人との会話や食事中に外れると困るため、外出を控えるようになる方もいるほどです。
自分の楽しみを制限されるほどストレスを感じて、快適な生活ではなく我慢の多い生活になってしまいます。
2 良い入れ歯を作る歯科医院の「9つの特徴」

良い入れ歯を作る歯科医院には、次の9つの特徴があります。
2−1:相談する時間をとってくれる

患者さんによって、悩みや理想とする入れ歯の形が違います。
話を聞いてくれない、先生と話したのは5分だけといった環境では、良い入れ歯を作るのは難しいでしょう。
入れ歯を使うのは、患者さん自身です。
患者さんの悩みを聞かずに作製しても、満足する入れ歯にはなりません。
まずは、入れ歯の相談に30分以上の時間をかけてくれる歯科医院なのかを確認しましょう。
2−2:豊富な症例数がある

入れ歯の治療をした数が多い=歯科医師の経験数になります。
歯科医師が取り扱った症例数が多いほど、いろんなケースを経験していて自分に適した治療法を提案してくれる可能性があります。
また、治療の豊富さは患者さんが治療を受ける安心感に繋がります。
担当医に入れ歯の症例数がどのくらいあるのか直接聞くか、又はホームページに症例が掲載されているかを確認しましょう。
他にも、自分と同じような口の状態で入れ歯治療をした症例があるのかも、確認しておくのがオススメです。
入れ歯を入れたときのイメージが付きやすく、治療後快適に使用できているかの確認にもなるからです。
入れ歯治療の症例数は、100以上あると良いでしょう。
2−3:入れ歯のトラブルや対処法の説明がある

入れ歯は作る材質や入れる部分によって、トラブルの起きやすさが違ってきます。
例えば、奥歯を失っている方が保険の入れ歯を入れるとします。
保険の入れ歯はプラスチックでできていて、割れやすく変形しやすいです。
奥歯は食べ物をしっかりと噛み砕いたりすり潰したりと、力が大きくかかりやすい部分です。
負荷がかかりやすい部分に保険の入れ歯を入れると、短期間で割れる可能性があり、定期的に作り直す必要があります。
そういった入れ歯の種類や付ける部分によっては、起きるトラブルや注意事項などが違います。
メリットだけでなく、デメリットや入れ歯を使っていく上で注意事項をしっかりと説明してくれる歯科医院が理想です。
入れ歯を作れば良いではなく、口の状態や噛み合わせのバランスもしっかりと見て治療を提案してくれていると感じます。
2−4:神経を残そうとしてくれるか

部分入れ歯を作る時には、入れ歯を支えるために残っている歯にクラスプという、金属のバネを引っ掛けます。
バネを引っ掛ける歯に神経の有無は、とても重要です。
神経には、歯に酸素や栄養を送る役割があります。
神経がなくなると、歯に十分な栄養が送られないので脆くなりやすいです。
神経がない歯は、脆くなりやすい上にバネをかけると負担がかかりグラグラするようになり、入れ歯を支える歯として使えなくなる恐れがあります。
一方で、神経のある歯は、適切な力がかかるようにコントロールすれば長く入れ歯を支えてくれます。
そのため、神経をすぐに取るのではなく、残そうと努力してくれる歯科医院は入れ歯を長く使っていくのを考えている医院です。
また、神経を取る治療は、難しく技術や設備が必須です。
どうしても神経を取る処置が必要な場合は、根管治療にこだわっている歯科医院で治療をするのがオススメです。
2−5:歯を残そうとしてくれるか

部分入れ歯を作るときには、入れ歯の設計上、トラブルが起きそうな歯は抜く傾向があります。
しかし、入れ歯を作るときには、なるべく歯を抜かない設計で作ってもらいましょう。
部分入れ歯の場合、歯が1本あるだけで入れ歯が歯茎に沈み込むのを防ぐことができます。
歯茎に入れ歯が沈み込んでしまうと、歯茎や骨にダメージを与えて凹んだ形になって入れ歯が合わなくなっていきます。
また、歯を失った数が多いほど、入れ歯をつける範囲が大きくなり、違和感や不快感が強くなります。
歯を残せれば入れ歯を小さくでき、他の歯や歯茎などにかかる負担を軽減できます。
歯科医師の技術や知識があれば、歯を残して最適な入れ歯を作ることは可能です。
2−6:入れ歯の治療に対して誠実で丁寧か

歯科医師が丁寧な治療をしているのかを、患者さんが判断するのは難しいです。
患者さんが治療の丁寧さを判断するには、次のことに注目するのがわかりやすいでしょう。
・口内の触れ方
・型取りが精密
・咬合器・ゴシックアーチを使用している
・口内の触れ方
口の状態を確認するときに強く頬を引っ張ったり、器具が何度も歯に当たったりすると雑に扱われているのかなと感じてしまいます。
口内を雑に扱う歯科医師は治療も雑になりがちで、良い入れ歯を作れるとは思いにくいです。
気をつけて口内を触れる歯科医師は、入れ歯に限らず他の治療でも丁寧で誠実に行っているように感じます。
・型取りが精密
口に合ったぴったりの入れ歯は、型取りで決まると言っても過言ではありません。
型取りで口内の情報をどれだけ得られるかで、良い入れ歯が作れるかが決まってくるからです。
入れ歯の型取りは、大きく分けて2種類あります。
ひとつが、アルジネート材を使った型取り方法です。
アルジネート材は、粘土のような柔らかい材料で、保険の入れ歯の型取りのときに使われるのが一般的です。
このアルジネート材には、空気が入りやすく歯茎や粘膜を正確に型取りするのが難しく、時間の経過とともに変形して、良い入れ歯ができにくいのが難点です。
もうひとつが、シリコンタイプを使う方法で、自費の入れ歯を作るときに使われるのが基本です。
シリコン材は、ゴムのように弾力で、歯茎や粘膜を正確に記録することが可能です。
また、変形しにくく口に合った入れ歯を作れるようになります。
特に高額な入れ歯を作るときにシリコンタイプを使わない歯科医院は、入れ歯が合わずに何度も作り直すことになりかねません。
そのため、入れ歯の型取りでは、シリコンタイプで型取りをしているのかを担当医に聞いて見るのがオススメです。
・咬合器・ゴシックアーチを使用している
咬合器は、噛み合わせの高さを決めて、複雑な顎の動きを再現できる装置です。
噛み合わせが悪い入れ歯は、ガタガタで使い物にならず、歯や関節の負担になってしまいます。
咬合器を使わずに入れ歯を作るのは、噛み合わせを重要視していない証拠でもあります。
また、ゴシックアーチは総入れ歯を作製するときに欠かせないアイテムです。
歯が1本もない状態で噛み合わせの位置を決めるのは難易度が高く、間違った噛み合わせにすると、上手く噛めず関節を痛めてしまう恐れがあります。
ゴシックアーチは、噛み合わせの中心を決める装置です。
この噛む中心部を決めてからでないと、噛み合わせのバランスが崩れてしまいガタガタな入れ歯ができあがります。
入れ歯を製作するときには、こういった道具を使っているかも歯科医院を選ぶ大事なポイントになります。
2−7:保険の入れ歯がしっかりしている

良い入れ歯を作っている医院は、自費の入れ歯だけでなく保険の入れ歯にも力をいれている場合が多いです。
保険の入れ歯は、材質に限界がありますが、その中でも設計にこだわり作っている入れ歯は使いやすいでしょう。
2−8:歯科技工士と連携している

入れ歯を作っているのは、歯科技工士で、歯科医師との関わり方が良い入れ歯になるか左右します。
被せ物や入れ歯といった補綴にこだわっている医院は、技工士が在中していて実際に患者さんの口の状態を確認している場面も多く見かけます。
歯科技工士と歯科医師が連携せずに、良い入れ歯は生まれません。
そのため、歯科医師に歯科技工士さんはどんな人ですか?と聞いてみると良いでしょう。
お互いの信頼関係が成り立っている場合には、技工士さんについて詳しく話してくれるはずです。
2−9:無理に治療を勧めない

この治療法でないとダメ!と強制するような医院は、トラブルになりやすいです。
患者さんの予算を検討した上で、適切な治療法を提案してくれる歯科医院で治療をするのがおすすめです。
3 補綴専門医と入れ歯専門医は違う?

歯科医院のホームページでは、補綴専門医や入れ歯専門医といった肩書きをみることがあると思います。
この補綴専門医は、虫歯治療をした歯に付ける被せ物や入れ歯といった補綴の専門家のことです。
つまり、入れ歯専門医と同じになります。
補綴をわかりやすく伝えるために、入れ歯専門医と表記している医院が多いです。
補綴専門医も入れ歯専門医と同様に、入れ歯のスペシャリストになります。
良い入れ歯を作りたい場合には、そういった専門的な知識や技術を持っている歯科医院で治療を受けると安心です。
4 条件の揃った歯科医院で良い入れ歯を作ろう!

良い入れ歯を作るには、歯科医院選びが大切です。
とはいえ、最近はコンビニの店舗数より歯科医院の方が多いと言われていて、探すのも大変で自宅から近い医院を選んでしまいがちです。
たまたま選んだ歯科医院が、良い入れ歯を作れるところだったら良いですが、そうでない場合もあります。
歯科医院選びに失敗したことを後悔しても、歯を抜いてしまった後では元には戻りません。
また、治療に費やした費用や時間も戻ってはきません。
そのため入れ歯は、今回紹介した「9つの特徴」がなるべく揃っている歯科医院で作るのがオススメです。








