インプラントで自然な歯の色になるの?変色(黄ばみ)したりしない?

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

インプラントを受けるにあたり「インプラントした歯だけ違和感のある色になりそう」「時間が経つと変色するのでは」と、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。

 

この記事では、インプラントで自然な歯の色にすることができるのか、変色しないのかなど、詳しく解説します。納得のいく治療を受けるために、ぜひ参考にしてください。

目次

1.インプラントで自然な歯の色になれる?

インプラントは、人工歯をつくる際に患者の天然の歯に近い色を選ぶため、自然な歯の色になれる治療法です。

 

人工歯をつくるにあたり、色を選ぶ工程を「シェードテイキング」と呼びます。シェードテイキングでは、「シェードガイド」と呼ばれる色見本を使用します。シェードガイドには、約20種類の色味があり、患者の歯や肌の色などと比べながら、その人に合った色や明るさを選択、自然な歯の色を実現するための重要な工程です。

 

インプラントは、機能や見た目に優れている反面、治療費や治療期間の負担が大きい治療です。治療後に後悔しないためにシェードテイキングをしっかり行いましょう。

 

自然な歯の色になるよう、歯科医師がアドバイスしてくれるので、不安や疑問がある場合は、積極的に質問するのをおすすめします。

2.人工歯の色を決める際に気をつけたいこと

シェードテイキングをして人工歯の色を選んだのにも関わらず、治療後にインプラントの色に不満が出るケースもあります。主な注意点を紹介します。

2-1.白すぎる色を選ばない

白く美しい歯に憧れている人も多いかと思いますが、白すぎる色を選んでしまうと、周りの歯から浮いて、違和感のある見た目になります。

 

歯科医師に客観的に見てもらい、自然な白い歯を目指しましょう。

2-2.自然光のもとで色をチェックする

人工歯の色を選ぶ際に、診察室の明かりが暗すぎたり明るすぎたりすると、適切な色を選ぶのは難しいでしょう。また、同じ色でも白熱灯のもとでは明るく白く見え、自然光のもとでは黄色っぽく見えるなど、照明と自然光では印象が異なる場合もあります。

 

できるだけ、窓から入る自然光のもとでいろいろな角度から見て、人工歯の色をチェックするようにしましょう。

2-3.スキルの高い歯科技工士のいる歯科クリニックを選ぶ

実際に人工歯をつくるのは、歯科技工士です。そのため、インプラントが自然な歯の色になるのかは、歯科技工士の腕にかかっています。

 

実は、人工歯は全体が一色で塗られているわけではありません。天然の歯に近い印象となるよう、上の方は黄み・赤みが強く下の方は透明感があるといったように、グラデーションをかけて色を調整。少しのグラデーションの違いで、見た目の印象が大きく変わります。

 

センスと技術が必要な作業なので、歯科技工士によって出来栄えは全く異なるでしょう。セラミック専門の歯科技工士やインプラント専門歯科技工士など、スキルの高い歯科技工士が在籍・提携している歯科クリニックであれば、満足のいく仕上がりが期待できます。

2-4.ホワイトニングをしたい場合はインプラント前にしておく

ホワイトニングで使用する薬剤は、人工歯の素材には効果がありません。そのため、インプラント の上部構造である人工歯をつくった後にホワイトニングすると、人工歯と天然の歯の色に違いが出て浮いてしまう可能性が高いです。多少の違いであれば違和感は少ないですが、あまりにも差があると不自然な印象になってしまいます。

 

ホワイトニングを検討しているのであれば、インプラント前にホワイトニングを終え、色が安定してから人工歯をつくるとよいでしょう。

 

インプラントを入れてからホワイトニングを受け、白くなった天然の歯の色に合わせて、人工歯のみをつくり直す方法もあります。ただし、人工歯のつくり直しは高額です。可能であればホワイトニングを先に済ませる方がよいといえます。

3.インプラントは黄ばみなどの変色が起きる?

インプラントの上部構造である人工歯の素材によっては、飲み物や食べ物の色が着色し、変色したように見える場合があります。

 

インプラントの人工歯によく使われるセラミックは、水分を吸収しないため表面が汚れても拭えばすぐに落ち、着色することもほとんどありません。

 

しかし、プラスチック状の歯の詰め物である「レジン」とセラミックを混ぜ合わせた「ハイブリッドセラミック」の場合は、要注意です。

 

レジンは水分を吸収するため、使用しているうちに着色してしまうのです。さらに、レジンはセラミックとは異なり、経年劣化により変色するリスクもあります。

4.インプラントしてから歯ぐきが黒く変色する場合

インプラント後の見た目の変化として、歯ぐきが黒く見えるようになるケースもあります。インプラント自体の色に変化がなくても、見た目に大きな影響があるので注意が必要です。

 

インプラント後に歯ぐきが黒ずむ主な原因は「インプラント周囲炎」です。インプラント周囲炎とは、インプラント周辺の歯ぐきやあごの骨などが細菌に感染して起きる、歯周病とよく似た病気です。

 

インプラント周囲炎になると、歯ぐきがやせてしまい、あごの骨に埋まっているインプラントが透けて見え、歯ぐきが黒ずんで見えるようになります。

 

インプラント周囲炎は、歯周病と比べて非常に進行が早く、悪化するとあごの骨が溶けていきインプラント体を支えるのが難しくなります。最終的には、インプラントが抜け落ちてしまうため、早めに治療しましょう。

 

特に前歯は奥歯と比べて進行が早いので要注意です。

5.インプラントや周辺の変色を防ぐ方法とは

インプラントの人工歯や周辺の歯ぐきが変色すると、自然な見た目が損なわれてしまいます。しっかり対策して、変色を防ぎましょう。

5-1.インプラント前に歯周病チェック・治療を徹底する

歯周病の人の口のなかは、歯周病菌が多く存在し、衛生状態に問題がある場合が少なくありません。

 

歯周病を治療しないままインプラントを入れると、歯周病菌に感染し、インプラント周囲炎にかかるリスクが高くなります。その結果、歯ぐきがやせ、黒く変色して見えてしまう場合があります。

 

インプラントを受ける前に、レントゲンや細菌検査などで歯周病でないかチェックし、必要に応じて歯周病治療をするのをおすすめします。

5-2.インプラントの素材を検討する

インプラントの着色は、人工歯が飲食物の水分を吸うことで起きます。人工歯にセラミックやジルコニアといった吸水しない素材を使用すれば、着色するリスクを軽減できます。

 

逆に、水を吸う性質のあるレジンを使った人工歯は着色するリスクが高いといえます。

 

レジンとセラミック両方を含むハイブリッドセラミックは、セラミックやジルコニアと比べて安価ですが、着色しやすいというデメリットがあります。

5-3.セルフケア・定期メンテナンスをする

歯ぐきの変色の原因となるインプラント周囲炎を防ぐためには、毎日のお手入れや歯科クリニックでの定期メンテナンスが不可欠です。

 

毎日正しいブラッシング方法で歯を磨き、歯周病菌がたくさんいる歯垢を取り除けば、インプラント周囲炎のリスクを軽減できます。

 

歯科クリニックでの定期メンテナンスは、セルフケアでは落ちない汚れをクリーニングで取り除け、正しいブラッシングも指導してもらえるので、ぜひ有効活用しましょう。さらに万が一、インプラント周囲炎など口の中の異常があっても、早期発見できます。

 

変色の予防だけでなく、インプラントの寿命を伸ばすという点でもセルフケア・定期メンテナンスは、非常に重要です。

5-4.禁煙またはタバコの本数を減らす

喫煙をしていると、インプラント部分だけでなく歯ぐき全体が黒ずんでしまうので注意が必要です。

 

タバコに含まれる「ニコチン」は、歯ぐきの血行を悪化させ、インプラント周囲炎のリスクを高めます。さらに血行が滞るため歯ぐきに炎症が起きていても血が出ないので、インプラント周囲炎の発見が遅れる可能性があるでしょう。

 

インプラント周囲炎は進行が非常に速いため、気がついたときには歯ぐきがやせて黒ずんで見える状態になっているかもしれません。変色だけではなく、最悪の場合は、インプラントの脱落にもつながります。

 

タバコを吸う人は、インプラントを機に禁煙する、または本数を減らすのをおすすめします。

6.インプラント治療前後の対策で美しい口元を手に入れる!

インプラントは、人工歯色を選ぶことで違和感のない自然な色になります。人工歯の色を決める際は、白すぎないものを選ぶ、自然光のもとでチェックするといったポイントを意識しましょう。

 

インプラントの黄ばみなどの変色の主な原因は、人工歯が飲食物の水分を吸うことなので、セラミックなど水を吸わない素材でつくるのをおすすめします。

 

また、インプラント後に歯ぐきが黒く変色するのは、インプラント周囲炎により歯ぐきがやせ、インプラントが透けて見えるためです。

 

インプラント後の人工歯や歯ぐきの変色を防ぐには、インプラント前に歯周病治療をしっかりする、人工歯の素材をよく検討する、メンテナンスを徹底するといった対策が重要です。しっかり対策して、美しい口元を手に入れましょう。

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