
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

インプラント治療は、失った歯の機能を回復できる、まさに歯科医療の進歩と言える治療です。
年々、インプラント治療が広く受け入れられるようになり、治療する方も増えています。
歯の機能の回復はもちろん、審美的な面でも効果が高いこと、また治療後の寿命が長いことから、注目を浴びている治療です。
そんな中、治療後に耳鳴りの症状を経験する方がいます。
もちろん治療を受けた方が全員、耳鳴りの症状が出るわけではないのですが、インプラント治療と耳鳴りの症状の関係が気になりますね。
今回は、そのインプラント治療後の耳鳴りの原因と、もし症状が出た場合の対処法について紹介します。
目次
- 1.インプラント治療後に耳鳴りがする原因は?
- 1-1.顎関節症(顎関節の炎症)
- 1-2.インプラントの埋入位置の問題
- 1-3.インプラントに使用される金属が合わない
- 1-4.噛み合わせが合わない
- 1-5.インプラント治療に直接関係のない原因も
- 2.インプラント治療後の耳鳴り症状の対処法
- 2-1.病院で相談する
- 2-2.ストレス管理
- 2-3.定期的なメンテナンス
- 2-4.健康的なライフスタイルの維持
- 3.インプラント後の耳鳴り症状は早めに解決
1.インプラント治療後に耳鳴りがする原因は?

インプラント治療は、歯を失った部分の顎骨に、人工歯根と呼ばれるインプラント体を埋め込み、その上に人工歯の被せ物をする治療です。
この治療後に、なぜ耳鳴りが起こることがあるのでしょうか。
考える原因には、次のようなものがあります。
1-1.顎関節症(顎関節の炎症)
インプラント治療の際には、長時間、大きく口を開けなければいけません。
普段、そんなに口を開けておくことはほぼないため、治療が原因で顎関節症になる方もいます。
その顎関節症が耳鳴りの原因かもしれません。
1-2.インプラントの埋入位置の問題
インプラントは顎骨にインプラント体を埋入する外科手術を伴う治療です。
その埋入する際に、位置がずれたり、治療器具が当たったりなど、周囲の神経や血管を傷つけ、神経の過敏性や圧迫が起こると、耳鳴りが引き起こされることがあると言われています。
治療した部分から出血している、腫れている、痛みがあるなどの症状も出ることがあるので、耳鳴り以外の症状にも注目してみてください。
また、上顎の場合は深くインプラント体を埋め込んでしまうと、上顎洞に穴が開いてしまった場合、そこへ細菌感染が起こり、蓄膿症や副鼻腔炎のような症状が起こるケースがあります。
これらの症状が耳鳴りを引き起こすこともあります。
1-3.インプラントに使用される金属が合わない
インプラントには金属が使用されています。
一般的には金属アレルギーの方でも大丈夫な金属が使用されますが、アレルギーが起こる可能性が0であるというわけではありません。
アレルギーが耳鳴りの原因となることもあります。
また、口腔内にタイプの違い金属が複数入ると、ガルバニー電流という弱い電気が起こることがあります。
食事に使われていたアルミホイルを間違えて口の中に入れ、噛んでしまった場合など、インプラントの被せ物に反応して、電気が走り、耳鳴りなどにつながる恐れがあります。
1-4.噛み合わせが合わない
インプラント治療は上下の歯の噛み合わせについても、慎重に治療していきますが、何らかの事情で噛み合わせが悪くなると、それが原因で耳鳴りを引き起こすことがあります。
噛み合わせの悪さは、顎関節のずれにつながり、ずれが神経を圧迫してしまうことがあるからです。
肩こりや頭痛なども引き起こしやすいので、それらの症状から耳鳴りにつながることがあります。
1-5.インプラント治療に直接関係のない原因も
インプラント治療自体には問題はなくても、耳鳴りが起こる場合もあります。
例えばストレス。
日常生活におけるストレスや、治療に対する不安や恐怖感などによってストレスを感じると、耳鳴り症状が出ることがあります。
他には、偏頭痛やめまいなどと一緒に、耳鳴り症状が出ることもあります。
2.インプラント治療後の耳鳴り症状の対処法

インプラント治療後に、耳鳴り症状が出てきたら、どのように対処すればいいでしょうか。
2-1.病院で相談する
インプラント治療後に耳鳴りの症状が出るようになった場合、まずは安静にし、早めに病院で相談しましょう。
そのまま放置していては、悪化してしまう可能性があります。
初めはインプラント治療を受けた歯科医院に相談し、インプラントの位置や、噛み合わせ、金属アレルギーなど、インプラント自体の原因かどうかを調べてもらってください。
顎関節症についても、歯科医院で相談、治療が可能な場合もあります。
噛み合わせに原因がある場合には、人工歯の高さなどを調節したり、再製作したりすることもあります。
しかし、インプラントの埋入位置や金属アレルギーの場合には、埋め込んだインプラント体を除去するという対処法をとることがあります。
口内にあったインプラントを使った再手術となってしまいますが、取り除かなければ耳鳴りが改善することがないからです。
また、再治療だけでなく、入れ歯やブリッジ治療などの他の治療法への変更を提案されることがあるかもしれません。
インプラント以外に、耳鳴りの原因があると考えられる場合には、耳鼻咽喉科や神経科を受診しましょう。
正確な診断を受け、症状に合わせた適切な対処法を見つけてもらうといいでしょう。
2-2.ストレス管理
ストレスは耳鳴りを悪化させる要因となることがあります。
インプラント治療後は、治療に対するちょっとした不安もありますし、日常生活の制限などもあるため、ストレスを感じないよう、普段からストレス発散を意識してみましょう。
2-3.定期的なメンテナンス
インプラント治療後は、定期的にメンテナンスを受けることが必要です。
このメンテナンスを定期的に、そして適切に受けていれば、治療後に耳鳴り症状が出る原因を事前に発見し、すぐに治療することもできます。
インプラント治療だけでなく、さまざまな手術においてリスクや合併症にかかる可能性は0とは言えません。
そのため、医師に定期的にみてもらい、小さなうちに発見して対処をしてもらうことで、事前に予防しておきましょう。
気になることがあれば、メンテナンス日を待たずに、受診するのもおすすめです。
2-4.健康的なライフスタイルの維持
インプラント治療自体が原因ではない耳鳴りも多いです。
健康的な生活を意識することで、耳鳴りの症状が出るのを予防するのも、対処法の1つとなるでしょう。
例えば、バランスの摂れた食事や、十分な睡眠をとることは非常に重要です。
体の回復力、抵抗力を上げ、耳鳴りを引き起こす病気などを予防していきましょう。
もし、気になる症状があれば、早めにかかりつけの医師などに相談するのもいいですね。
3.インプラント後の耳鳴り症状は早めに解決

インプラント治療後、治療を受けた方みんなではありませんが、中には耳鳴りの症状が出る方もいます。
原因はさまざまで、治療自体が関係しているもの、またそれ以外の体の疾患やストレス等が関係しているものがあります。
耳鳴りの症状があったら、無理をせずに安静にし、できるだけ早めに病院を受診しましょう。
インプラント治療が原因ではないかと思う時には、治療を受けた歯科医院で相談するといいでしょう。
もし、治療を受けた歯科医院が近くにない場合や、受けた治療に対して不信感を持っているなど、かかりつけの歯科医院へいけない場合は、インプラント治療を行なっている歯科医院へ、予め電話で問い合わせ、受診してみてください。
耳鳴りの症状の程度、原因によっては、耳鼻科や神経科などの治療が必要となる場合もあります。
症状が悪化してしまう前に、早めに治療していきましょう。









