![松川 眞敏](https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/wp-content/uploads/sites/4/2023/10/00e761202f2c3589cb7d8f34c1641c67.jpg)
- この記事の監修者
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医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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イ ンプラントは、高度な知識と技術が必要な専門性の高い治療のため、医療機関選びが非常に重要です。
インプラント治療と聞くと歯科クリニックを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、大学病院でもインプラント治療を行っています。
この記事では、インプラント治療を受ける医療機関を探している人向けに、大学病院と歯科クリニックの違いについて解説します。特徴やメリット・デメリットを知って、自分に合った医療機関を選びましょう。
目次
- 1.大学病院と歯科クリニックの違い
- 2.大学病院でインプラント治療を受けるメリット
- 2-1.持病があっても対応しやすい
- 2-2.専門性が高い最先端の治療を受けられる
- 2-3.全身麻酔に対応できる
- 2-4.保険適用のインプラント治療を受けられる
- 3.大学病院でインプラント治療を受けるデメリット
- 3-1.通院しにくい
- 3-2.待ち時間が長い
- 3-3.研究・教育への協力をお願いされる場合がある
- 3-4.担当医をあまり選べない
- 3-5.選定医療費がかかる場合がある
- 3-6.サービスが充実していない
- 3-7.医療従事者との間に距離感がある
- 4.大学病院にこだわらず自分に合った医療機関を選ぶことが大切
1.大学病院と歯科クリニックの違い
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大学病院とは、総合大学または医科大学の医学部や歯学部の付属施設として運営されている病院を指します。
内科や外科など多くの診療科が設置されているケースが多く、歯科・口腔外科・インプラント科などで歯科診療を行っています。
大学病院は、患者を治療する医療機関としての役割に加え、新しい治療法などを研究する研究機関、歯科医師や歯科衛生士などの専門家を育てる教育期間としての役割を担っています。
歯科クリニックは、歯科医師が経営する小規模の医院のことです。街で見かける歯医者さんの多くは、歯科クリニックに該当します。歯科医師や歯科衛生士、歯科助手などが、虫歯や歯周病の治療などをしています。
歯の治療を受ける場合、はじめから大学病院を受診するケースはあまりありません。歯科クリニックを受診し、対応が難しいと診断された場合に、歯科クリニックから紹介状をもらって大学病院を受診するのが一般的です。
2.大学病院でインプラント治療を受けるメリット
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大学病院でインプラント治療を受ける主なメリットを紹介します。
2-1.持病があっても対応しやすい
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糖尿 病や心 臓病、高血圧などの持病がある場合、手術中に身体の状態が急変する・傷が治るのに時間がかかる・インプラント体とあごの骨が結合しにくいなどのリスクがあります。
特に糖尿病患者は、骨がもろくなっているため、インプラント体をあごの骨で支えるのが難しいかもしれません。
持病のある患者がインプラント治療をするには、歯科医師と持病の担当医の連携が不可欠です。投薬治療で持病の病状を改善してから手術する、全身をモニタリングし血圧などをチェックしながら手術するといった対応をします。
内科を設置している大学病院であれば、院内で持病の治療とインプラント治療が完結するため、スムーズに連携できます。また、生体情報モニターなど高度な医療機器が導入されているのも魅力です。
2-2.専門性が高い最先端の治療を受けられる
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大学病院では、最先端の歯科治療を研究しています。あごの骨を増やす処置が必要な場合など、より専門性の高い治療を行う場合は、大学病院の方が適しているケースが多いでしょう。
一般の歯科クリニックでは改善が難しい症例でも、最先端のインプラント治療であれば、大回復する可能性があります。
もちろん歯科クリニックでも新しい治療法を導入しているケースがあるので、まずは希望する治療法に対応できる医療機関を探してみましょう。
2-3.全身麻酔に対応できる
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インプラント治療では、身体の一部分の感覚を麻痺させる局所麻酔を用いるのが一般的です。しかし、意思の疎通が難しい患者や歯科治療に強い抵抗を感じる患者の場合は、全身麻酔をするケースがあります。
全身麻酔は、麻酔薬の静脈点滴や吸入によって、脳を含む全身の神経細胞の活動を抑制し、痛みや意識を消失させる処置です。全身麻酔をすることで、痛みだけではなく手術の恐怖なども感じずに済みます。
ただし、全身麻酔中は身体の機能の多くが停止しており、負担も大きいため、人工呼吸器や血圧・心拍数を測定する機器、回復を待つための入院施設などが必要です。また、麻酔医による全身管理も必須です。
歯科クリニックのなかにも全身麻酔に必要な機器・設備・人員を備えているところはありますが、数は限られています。大学病院であれば規模が大きく設備も充実している場合が多いので、全身麻酔に対応できる可能性は高いでしょう。
2-4.保険適用のインプラント治療を受けられる
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インプラントは基本的に保険が適用されず、全額自己負担です。しかし、事故や腫瘍をはじめとする病気により広範囲にわたりあごの骨を失った場合や生まれつきの疾患であごの骨が3分の1以上連続して欠損している場合は、保険が適用される可能性があります。
歯周病や加齢による骨量の減少に伴う歯の喪失に対するインプラント治療は、保険適用の対象外です。
また、保険適用でのインプラント治療は、下記の条件をすべて満たした医療機関でしか行えません。
・入院用ベッドが20床以上ある
・歯科または口腔外科での5年以上の治療経験、もしくは3年以上のインプラント治療経験がある常勤医師が2名以上配置されている
・当直体制が整備されている
・国が定めた医療機器や医薬品が管理・整備されている
このように医療機関に求められる条件が厳しいため、保険適用でインプラント治療を受けられるのは、大学病院や大規模病院の歯科・口腔外科などに限られます。
3.大学病院でインプラント治療を受けるデメリット
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大学病 院でのインプラント治療には、持病に対応しやすい、専門性が高い最先端の治療を受けられるなどのメリットがあります。
しかし、下記のようなデメリットもあるので要注意です。
3-1.通院しにくい
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歯科クリニックは患者に来てもらうためにサービスとして、夜間・土日にも診療をしている場合が少なくありません。そのため、大学病院よりも予約が取りやすい傾向にあります。
さらに、歯科クリニックは、患者のアクセスに配慮して駅の近くなど好立地に建てる傾向があります。
インプラントを長く快適に使うには、治療後の定期メンテナンスが不可欠です。継続的に通えるかも考慮して医療機関を選びましょう。
3-2.待ち時間が長い
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一般の歯科クリニックは予約しておけば、歯科医師の診察・レントゲンなどの検査・会計などの待ち時間はあまり発生しません。
大学病院の場合は、全てのプロセスで待ち時間が発生しやすく、全体的に時間がかかります。インプラント治療中だけではなく、定期メンテナンスでの通院時にも待ち時間は発生するので、大学病院で治療を受ける場合は、ある程度覚悟しておきましょう。
3-3.研究・教育への協力をお願いされる場合がある
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大学病院は、人材育成や研究の場でもあるため、協力を頼まれる可能性があります。
例えば指導医のもと、研修医が治療を担当する場合もあります。指導医がしっかり監督しているので、あまり心配はないものの、不安に感じるかもしれません。
また、研究に活かすために、型どりや口の中の写真撮影など、治療経過を詳細に記録するケースが多い傾向にあります。
協力を断ることもできるので、気になる場合は治療をスタートする前に相談するのをおすすめします。
3-4.担当医をあまり選べない
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大学病院のシステムによっては、担当医を指定できません。自分が希望する歯科医師の治療を受けたい場合は、歯科クリニックの方が、融通が利きます。
ホームページなどにどんな経歴・経験・スキル・治療方針の歯科医師が担当するのか記載している場合も多いので、希望に合った医療機関で受診しましょう。
3-5.選定医療費がかかる場合がある
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インプラント治療そのものの費用は、歯科クリニックと大学病院で大きな差はありません。ただし、紹介状を持たずに大学病院でインプラント治療を受ける場合、診察料とは別に「選定医療費」がかかります。
歯科の選定医療費は、初診は3,000円以上、再診は1,500円以上です。インプラント治療の場合、何回も通院する必要があるため、毎回1,500円以上選定医療費を支払うと考えると、歯科クリニックと比べ金銭的な負担が大きいといえます。
3-6.サービスが充実していない
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歯科クリニックでは、患者の来院を促すため、駐車場・キッズスペース・個別診療といった独自のサービスを実施しているケースが少なくありません。
大学病院ではそういったサービスはあまりないので、歯科クリニックの方が、満足度が高い可能性があります。
3-7.医療従事者との間に距離感がある
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歯科クリニックの場合は規模が小さいこともあり、通院するうちに歯科医師や歯科衛生士との距離が近くなり、気軽に世間話ができる関係になることが少なくありません。
大学病院の場合は規模が大きい分、歯科クリニックと比べると、医療従事者との間に距離を感じる可能性があります。
4.大学病院にこだわらず自分に合った医療機関を選ぶことが大切
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インプラント治療を受けられる医療機関には、一般的な歯科クリニック以外に大学病院もあります。
歯科クリニックは歯科医師が運営する小規模なクリニックなのに対し、大学病院は総合大学や歯科大学の医学部・歯学部に付属する施設として運営されています。また、治療だけではなく、人材育成や研究のための場でもあります。
大学病院は、専門性が高く設備が充実しているため、持病があっても対応しやすい・最先端の治療を受けられる・全身麻酔に対応できるなど多くのメリットがあります。
その反面、歯科クリニックと比べて、通院しにくい・待ち時間が長い・研究や教育への協力を頼まれる場合があるといったデメリットもあります。
また、これらのメリット・デメリットはあくまでも傾向です。実際には、歯科クリニックであっても高度な設備を導入していたり、最先端の歯科治療を実施していたりする場合が少なくありません。
大学病院かどうかにこだわらず、ホームページなどで治療方針や対応できる治療、設備などをチェックして、自分に合った医療機関を選びましょう。