
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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近年、インプラントは歯を失った際の治療法として、広く普及してきています。
顎骨に人工的な歯根を埋めるので、入れ歯やブリッジ治療と比べて噛み心地がしっかりしており、また寿命が長いというメリットがあります。
そんなインプラント治療を望む患者さんも増えてはいますが、インプラントは外科手術を伴う治療です。
そのため、治療は受けたいけれど、手術時の感染リスクが気になるという方もいるでしょう。
今回はインプラント手術における感染のリスクと、その予防方法について紹介していきます。
目次
- 1. インプラント手術と感染リスク
- 1-1.細菌感染の主な原因
- 2.インプラント手術の感染リスクを下げるために
- 2-1. 適切な口腔ケアを行う
- 2-2.術後は処方された薬を飲み切る
- 2-3.術後はうがいのしすぎ、患部の磨きすぎに気を付ける
- 2-4. 衛生管理がされた歯科医院を選ぶ
- 2-5. 手術後の行動にも注意
- 3.細菌感染が疑われる場合は?
- 4.インプラント手術後は細菌感染リスクを減らす対策を
1. インプラント手術と感染リスク

インプラント手術において、最も大きなリスクと言っても過言ではないのが細菌感染です。
インプラント手術では、歯茎の切開や顎骨へのインプラント体(人工歯根)の埋め込みなどを行います。
この外科手術の際に、切開した歯茎等へ細菌が侵入すると、細菌感染のリスクが生じます。
万が一、手術中や手術後に感染が起こると、インプラント体が顎骨に十分に定着せず、治療の失敗へつながる恐れがあります。
1-1.細菌感染の主な原因
インプラント手術における細菌感染は、主に以下のような要因によって引き起こされることがあります。
【手術中の不十分な衛生管理】
インプラント手術中が、最も細菌感染のリスクが高まる時です。
手術では歯茎を切開しますから、徹底した衛生管理が必要です。
しかし、手術に使用される器具や材料が適切に滅菌されていなかったり、空気中にほこりや菌が舞っている状態での手術を行ったりすると、感染してしまう可能性があります。
【手術後のケアの怠り】
感染リスクは手術後もあります。
特に術後は患部を清潔に保つための適切なケアが大切です。
しかし、患部を舌や指で触ったり、強くうがいやブラッシングをしたりしてしまうと、傷口から雑菌が入りやすい状態になってしまいます。
また、術後1週間程度で抜糸を行いますが、その後も自宅でのケアはもちろん、歯科医院でのメンテナンスなども怠ってしまうと、口腔内の衛生面が良くない状態になり、感染による問題が起こる可能性が高くなることがあります。
【患者さんの体質や健康状態によるものも】
患者さんの体質や免疫状態が十分でない場合、感染リスクが高まることもあります。
特に、糖尿病や免疫不全の疾患を持つ患者さんは、感染に対する免疫力が低下しており、他の方よりも感染リスクが高くなることがあります。
インプラント治療を受ける際には、持病のかかりつけの医師と歯科医師が連携しながら、リスクをできるだけ軽減させた治療が必要となってきます。
2.インプラント手術の感染リスクを下げるために

インプラント手術において、細菌感染してしまうと、治療自体の失敗に繋がってしまいます。
できるだけ感染のリスクを下げるためには、どのような対策方法があるでしょうか。
患者側ができる対策をまとめました。
2-1. 適切な口腔ケアを行う
お口の中を清潔に保つことは、細菌感染を防ぐ上で最も重要なポイントです。
口腔内の細菌の繁殖を抑えるために、歯磨きやフロス、歯間ブラシなどを使用して毎日のセルフケアを行いましょう。
また、インプラント治療中はもちろん、治療後も定期的な歯科医院でのメンテナンスも重要です。
セルフケアでは落としきれない汚れや歯垢も、丁寧にクリーニングしてもらいましょう。
特に術後にケアを怠ると、「インプラント周囲炎」という、歯周病に似た疾患を引き起こしてしまう可能性があります。
インプラント周囲炎になると、インプラント周辺の歯茎が腫れたり、痛みが出たり、出血するなどの症状が出ます。
進行すると、インプラント体(人工歯根)が抜け落ちてしまうことも。
このようなことにならないよう、口腔ケアを常に意識して丁寧に行いましょう。
2-2.術後は処方された薬を飲み切る
インプラント手術後には、歯科医師から処方された薬を正しく服用することも、感染予防のために重要です。
抗生物質などの薬は、飲み忘れずに最後まできちんと飲み切りましょう。
感染予防のための薬ですので、途中でやめることがないようにしてください。
痛み止めは痛みがない場合は飲まなくても構いません。
しかし、飲む場合は適切に、1回決められた分だけ服用することが大切です。
2-3.術後はうがいのしすぎ、患部の磨きすぎに気を付ける
インプラント手術を受けた後、患部の傷を治すのを促進する血餅ができます。
強くうがいをしたり、患部を強い力でブラッシングすると、その血餅が剥がれ、出血したり傷の治りが遅くなったりすることも。
術後しばらくは軽くうがいをし、歯ブラシで患部をこするのはやめましょう。
2-4. 衛生管理がされた歯科医院を選ぶ
インプラント治療を受ける際は、衛生管理が徹底された歯科医院を選ぶことも重要です。
高性能洗浄器や高圧蒸気滅菌器などを使って器具の滅菌消毒が十分に行われているか、治療の際には使い捨てアイテムでの治療を行っているかなどを確認しましょう。
また、インプラント治療専用の手術室や個室で処置が行われているか、空気清浄機等の空間の衛生管理面にも注目してみてください。
これらの感染対策が十分であることを確認するためには、医院のホームページを確認したり、直接医師やスタッフに具体的な対策を尋ねてみたりするといいでしょう。
2-5. 手術後の行動にも注意
インプラント手術後は、術部を刺激する行動や公共の場での感染リスクが高い場所に行くことを避けましょう。
例えば、整体やスパ、温泉などの施術は術部に影響を与える可能性がありますので、安定するまで控えることが望ましいです。
また、喫煙習慣のある方は必ず喫煙し、糖尿病などの疾患をお持ちの方は体調管理にも注意し、口腔内の状態を安定させることが重要です。
3.細菌感染が疑われる場合は?
インプラント手術後、感染が心配な場合や、感染したのではないかと思う場合には、できるだけ早く手術を受けた歯科医院に相談し、受診しましょう。
早期に対策を行えば、合併症などのリスクを減らせる可能性があります。
感染した際の症状には、腫れや痛み、発熱などがあります。
何か心配なことがある場合も、一度歯科医院に相談してみると安心できるでしょう。
4.インプラント手術後は細菌感染リスクを減らす対策を

インプラント治療は、外科手術を伴う治療ですので、手術の際の細菌感染リスクは月本と言えます。
ただし、適切に対処をしていくことで、手術後の感染リスクを最小限に抑え、治療の成功につなげることができます。
まずは歯科医院選びから重視し、術後は医師の指示通りの生活を行うこと、また定期的な歯科医院での検診やメンテナンスを通じて、口腔内の健康を維持しましょう。









