インプラント手術後の過ごし方は?

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

インプラント治療では、人工歯根を顎骨に埋め込む、外科手術を行います。

外科手術なので、術後の過ごし方というものが重要になってきます。

術後の過ごし方が適切であるほど、治癒のスピードが上がり、インプラントの成功率も高まります。

今回は、手術後の過ごし方をいくつかの項目に分けて詳しく説明します。

目次

1.インプラント手術後の過ごし方<安静と休養>

インプラント手術後は、身体を労わり、できるだけ安静に過ごすことが大切です。

特に手術当日は、できるだけ横になり、激しい動きは避けましょう。

体を動かして血流が増えることで出血が続いたり、腫れが悪化したりすることがあるため、無理をせずに休息をとることが推奨されます。

 

翌日以降も、無理な運動や激しい労働は避け、体調が整うまでゆっくりと過ごしましょう。

運動を再開する際は、軽いウォーキングから始め、徐々に通常の活動に戻すように心がけてください。

 

また、十分な睡眠を取ることで、体の回復力を高めることができます。

質の良い睡眠を心がけ、夜更かしは控えるようにしましょう。

その他、ストレスがかかると、体の免疫力が低下し、回復が遅れることがあります。

リラックスした環境で過ごすようにしましょう。

2.インプラント手術後の過ごし方<食事の管理>

食事は術後の回復において重要な要素です。

ただし、麻酔が完全に切れるまでは飲食を控えることが大切です。

麻酔が効いている状態での食事は、口内を誤って噛んでしまったり、やけどをしてしまったりする危険性があるからです。

 

食事を再開する際には、柔らかく消化に良い食べ物を選びましょう。

おかゆ、よく煮たうどん、野菜スープ、豆腐、ヨーグルト、ゼリー飲料などが適しています。

また、噛む際には、患部と反対側で慎重に噛みましょう。

 

数日間は、アルコールや辛い食べ物、炭酸飲料、固い食べ物は避けるようにしましょう。

これらは傷口を刺激し、痛みや腫れを悪化させる原因となることがあるからです。

痛みや腫れが引いてから、徐々に普段の食事に戻していきましょう。

3.インプラント手術後の過ごし方<入浴の仕方>

前述したように、手術後は血行が良くなりすぎると、出血が止まりにくくなることがあります。

そのため、手術当日はバスタブに浸かる入浴は避け、シャワーでさっと済ませるようにしましょう。

手術後数日間も、体を冷やさない程度のぬるめのお湯で短時間のシャワーで済ませるのがおすすめです。

長時間の入浴やサウナは、少なくとも術後1週間は控えたほうが安心です。

 

4. インプラント手術後の過ごし方<口腔ケア方法>

インプラント手術後の口腔ケアは、感染予防と治癒促進のために非常に重要です。

ただし、通常の歯磨きのようなブラッシングをするのは、術後しばらくは避けます。

手術部位に直接ブラシが当たると、傷口が広がったり、痛みが増したりすることがあります。

感染症のリスクを高めることにもつながることがあります。

そのため、術部には歯ブラシが当たらないよう、優しく磨くか、患部周辺は避けて磨くと良いでしょう。

 

強いうがいも傷口を刺激する可能性があるため、控えるようにしましょう。

代わりに、軽く水を含んでゆっくりと流すような方法で口内をすすぐ程度にとどめておくと良いです。

5. インプラント手術後の過ごし方<痛みと腫れの管理>

インプラント手術後には、ほとんどの場合、痛みや腫れの症状が出ます。

程度には個人差がありますが、通常は数日で軽減していくことが多いです。

腫れが気になる場合は、手術当日は冷却材を使って冷やすことで、腫れを抑えます。

ただし、長時間の冷却は逆効果になることがあるため、10分冷やして10分休むなどのインターバルを取りながら行うと良いでしょう。

 

また、医師から処方された鎮痛剤や抗生物質は、指示通りにしっかりと服用することが大切です。

これにより、痛みを和らげられるとともに、感染症のリスクを最小限に抑えることができます。

6. インプラント手術後の過ごし方<禁煙する>

喫煙は血液の酸素供給能力を低下させ、血流を悪化させることがあるため、術後の回復に大きなリスクを与えることがあります。

ニコチンや一酸化炭素などの有害物質が血管を収縮させ、血流を制限するため、手術部位への酸素供給が十分に行われないからです。

酸素が不足すると、組織の修復が遅れ、インプラントと骨がしっかり結合するのを妨げる可能性があります。

 

また、喫煙によって免疫機能が低下し、感染症のリスクが高まることも懸念されます。

インプラント手術後の感染症は、インプラントの失敗につながる重大な要因となるため、特に注意が必要です。

 

実際、インプラントの成功率は、喫煙者と非喫煙者で大きく異なると言われています。

喫煙者の場合、インプラントが骨と正しく結合しない可能性が高く、手術の成功率が低下します。

喫煙者のインプラント失敗率は非喫煙者の2倍以上になるという研究結果もあります。

 

そのため、インプラント手術を受ける際には、できるだけ早く禁煙を始めておきましょう。

理想としては手術の数週間前から禁煙を始め、手術後も数か月間は継続することが望ましいです。

これにより、手術部位の治癒が促進され、インプラントの成功率が向上します。

7. インプラント手術後の過ごし方<気になることがあれば受診>

数日経っても痛みが引かない、腫れがひどくなる、または出血が続くなどの異常を感じた場合は、すぐに手術を受けた歯科医院を受診してください。

早期に対処することで、問題が大きくなる前に解決することができます。

 

また、術後の回復が順調に進んでいるかどうかを確認するために、歯科医院から決められた日程で診察を受けるようにしましょう。

手術から約1週間で抜糸を行い、傷の治癒状態やインプラントの定着具合を確認してもらいます。

その後も定期的に診察を受けることで、術後のインプラント治療が進んでいきます。

被せ物を取り付けた後も、メンテナンス等で通う必要はあります。

手術を受ければ終わり、被せ物を取り付けたら完了というわけではありません。

インプラントを長持ちさせるために、必ず診察・メンテナンスを受けてください。

8.術後の過ごし方がインプラントの成功に繋がる

インプラント手術後の過ごし方は、回復のスピードとインプラントの成功に直接影響を与えることがあります。

手術直後は安静に過ごし、血行を促進するような行動は避けることが必要です。

また、食事の際には柔らかいものを選び、患部を刺激しないよう慎重に行動しましょう。

口腔ケアも怠らず、処方された薬を正しく服用し、感染予防に努めることが大切です。

 

痛みや腫れは一般的ですが、異常を感じた場合には速やかに医師に相談し、定期的な受診を通じて回復状況を確認してもらうようにしましょう。

これらのことを心がけることで、インプラントの治癒をスムーズに進めることができます。

術後は自身の体を労わりながら、無理のない範囲で過ごすようにしましょう。

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