
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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「有名ブランドは安心も売っている。」私もそう思います。
例えば、携帯電話で有名な会社と言って頭に浮かんでくるのは、3つの会社だと思います。格安携帯も数多く販売しているにもかかわらず、料金がそれなりの高い値段であっても使う人が多いのです。
その理由として消費者は安心、安全を買っているからです。
知らない、聞いたこともない会社はなんとなく怖く、トラブルが起きた時に対処してくれるのか不安になりますが、大手の会社は誰もが知っていて、トラブルの対処も早く安心感を与えてくれます。そのため値段が高くても使う人が多いのは、安さにはかなわない安心というブランド力にあると思っています。
では、インプラント治療においてはどうでしょうか?
インプラントは有名なメーカーからマイナーなメーカーまで合わせると数百もの種類があります。歯科医院はどんな基準でインプラントメーカーを選んでいるのでしょうか?
そこで、今回は
・どこのインプラントメーカーが良いのか。
・安心、安全なインプラントメーカーを知りたいけどよくわからない。
とお悩みの方に簡単にインプラントメーカーについて解説していきます。
インプラント治療を受けるにあたり安心材料の1つになれば幸いです。
目次
- 1 メーカーによって異なる4つの特徴
- 2 世界4大インプラントが選ばれる理由
- 2-1:共通する「メリット」
- 3 世界4大インプラント
- 3-1:ストローマン
- 3-2:ノーベルバイオケア
- 3-3:アストラテック
- 3-4:バイオメット3i
- 4 世界シェアが少ないインプラントメーカー
- 5 歯科医院を選ぶ基準になる
1 メーカーで異なる「4つの特徴」

インプラントは世界で約200種類以上あると言われていて、日本国内だけでも60種類以上のインプラントが存在しています。
そんな数多くあるインプラントはメーカーによって特徴が異なりますが、大きく違うのは次の4つになります。
・表面性状
・初期固定
・手術方法
少しだけ難しく見えるかも知れませんが、できるだけ簡潔に解説していきます。
・表面性状
表面性状とはインプラントの表面の形のことです。
インプラントの表面の形によって、骨とインプラントの馴染みやすさ、治療期間が変わってきます。
・初期固定
初期固定とはインプラントを骨に埋め込んだ時の安定感のことです。
手術の時にインプラントを骨に埋め込んだ瞬間の安定は重要になってきます。
・手術方法
インプラントの手術方法は
・1回法
・2回法
の2つの方法があります。
文字通り、1回法は1度の手術でインプラントを骨に埋め込む手術のことで、2回法は2回に分けてインプラントを骨に埋め込む手術方法です。
上記の3つの特徴がメーカーによって工夫されています。
歯科医師はその違いを理解し、自分の治療方針にあったインプラントメーカーを選んでいるのです。
2 世界4大インプラントが選ばれる理由

ここでは世界4大インプラントと言われていて、歯科業界で有名なメーカーをご紹介していきます。日本の歯科医院でも、この4つのインプラントメーカーが多く使われています。
数多くのインプラントメーカーが存在する中で、この4つのインプラントメーカーが選ばれるのにはある共通点がありました。
まずは、その共通点から見ていきましょう。
2-1:共通する「メリット」
世界4大インプラントメーカーの共通するメリットは次の4つです。
①世界中の歯科医院で対応可能
4つのインプラントメーカーは日本だけではなく、海外でもトップクラスのインプラントメーカーです。例えば、インプラント治療を行った後に「転勤」が決まったとします。
もし転勤先でインプラントにトラブルが起きた場合には、すぐに対処ができるかが大事になってきます。その時に自分が入れたインプラントが有名なメーカーだと取り扱っている歯科医院が多く、適切な対応も可能です。
②歴史がある
有名だからこそ深い歴史があります。
4つのインプラントメーカーは何十年もインプラントについて研究や開発をしていて、その長い歴史が多くの歯科医院の信頼に繋がっているのです。
③多くの実績や安全性がある
インプラントメーカーは数多くありますが、長期的な臨床研究を行っているメーカーは非常に少なく、学術的にも検証されていないインプラントは多数存在しています。
しかし、世界4大インプラントは長期的な臨床データや数多くの実績があることから安全性が証明されています。
④様々な症例に対応可能
多種多様な症例に対応できるのも、多くの歯科医院に支持される理由の1つです。
骨の状態は患者さんによって異なります。骨の量や高さが足りないこともあり、各メーカーは様々な症例に適用できるように、インプラントの太さや形状に工夫をしています。
共通するメリットがわかったところで、次は本題の世界4大インプラントメーカーについて見ていきましょう。
3 世界4大インプラント

ストローマンは世界70カ国以上で使用されている、世界トップクラスのインプラントメーカーです。10年間の臨床研究ではインプラント治療の成功率が約97%、生存率が約98%と報告されていて信頼性の高さが証明されています。
また、インプラント治療で重要なのは「インプラントと骨が結合すること」です。今までこの結合期間が約2ヶ月~3ヶ月かかると言われてきましたが、ストローマンのインプラントだと3週間~4週間程度と言われています。これは表面性状に特徴があるためです。そのため大幅に治療期間が短縮できるようになりました。
3-2:ノーベルバイオケア

ノーベルバイオケアのインプラントは世界中にあるインプラントの基準となったメーカーです。1965年に世界で初めてインプラント治療を行った会社でもあり知名度も高く、60年という最も長い歴史もあります。また40年以上の間、後遺症もなくインプラントを使い続けた患者さんがいることも実際に報告されています。
3-3:アストラテック

デンツプライシロナ社のアストラテックインプラントは、スウェーデン生まれのインプラントです。1985年からインプラント開発、研究に取り組んでいて信頼性も高く評価されています。また、インプラントの表面にフッ化処理を行っていて骨を作る細胞が集まりやすい環境を作りだしています。
3-4:バイオメット3i

バイオメット3iはアメリカを代表するインプラントメーカーです。
オッセオタイトというインプラントの表面性状が最大の特徴になっていて、この構造によってインプラントと骨の結合を強力にしています。
また、被せ物のラインナップも豊富に揃えてあるので、多くの患者さんに適切な被せ物を選択することができます。
4 世界シェアが少ないインプラントメーカ―

世界4大インプラントメーカー以外にもたくさんのメーカーがあります。
どのメーカーを選択するかは患者さんの自由になりますが、次のようなデメリットがあることを事前に理解いただきたいと思います。
①臨床データや実績が少ない
長期的な臨床研究や実績が少ないため、信頼性が大きく欠けてしまいます。
数多くの研究結果や症例実績があるメーカーの方が使用する側にとっても安心です。
②安全性や品質が劣る
インプラントは基本的にチタンという金属からできています。
それは、金属アレルギーの方でもアレルギー反応がでにくい金属だからです。
マイナーなインプラントメーカーではどんな材質を使用しているのかが、はっきりとわからないのでメジャーなインプラントメーカーに比べるとインプラント自体の品質や安全性が劣っている可能性もあります。
5 歯科医院を選ぶ「基準」になる

インプラントメーカーを知ることは、歯科医院を選ぶ基準にもなります。今は情報が溢れている時代です。ネットや雑誌で格安インプラントと謳っている歯科医院も存在しています。値段が安く魅力的に見えるかもしれませんが、品質や安全性が確立されておらず、トラブルにもなる可能性があります。
インプラントは自分の体の一部になる物で、安全性や信頼性が第一になります。
歯科医院がどこのインプラントメーカーを使用しているかを確認し、「なぜそれを選択したのか」を担当医に聞いてみるのも1つかもしれません。









