
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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何らかの原因で歯を失っても、自分の歯と変わらない感覚で噛むことができるインプラント。
インプラントの手術は入院の必要もなく日帰りで受けられますが、腫れや痛み、発熱を伴うこともあるため、術後は安静が必要です。
また、その他にも術後の日常生活の中で、気をつけたい行動もあります。
術後の過ごし方により、インプラント手術による腫れや痛みが治りにくくなったり、さらに強くなってしまったりすることがあるからです。
仕事など調整しなければいけない予定がある場合、術後はどのくらいの期間、どのような行動に気をつけて過ごせばいいのか気になるところでしょう。
インプラント手術を受ける前に、確認しておきたい術後の生活における注意点をまとめました。
目次
- 1.インプラント手術後は安静を心がける
- 2.生活面で気をつけたいこと
- 2-1.禁煙する
- 2-2.運動は控える
- 2-3.入浴は短めに
- 2-4.正しい口腔ケアを
- 2-4-1.傷口を刺激しない
- 2-4-2.口腔内を清潔に保つ
- 2-5.用量用法を守った薬の服用
- 3.食事面で気をつけたいこと
- 3-1.麻酔が切れるまで食事はしない
- 3-2.硬いものは避ける
- 3-3.刺激物は避ける
- 3-4.アルコールは避ける
- 4.インプラント手術後の気になる症状
- 4-1.出血したら様子を見て
- 4-2.受診した方がよい術後の症状
- 5.まとめ
1.インプラント手術後は安静を心がける

インプラント治療は、人工歯根であるインプラント体を歯茎に埋め込んだり、骨を移植したりなど、外科手術を伴う治療です。
手術後は術部に痛みや腫れなどが起こりやすく、また38度を超える発熱を伴う場合もあります。
そのため、術後2~3日は安静にし、自宅で過ごす必要があります。
具体的にどのように安静にして過ごすとよいのか、日常生活、食事面それぞれにおいて注意したいことをみていきましょう。
2.日常生活面で気をつけたいこと

2-1.禁煙する
まず、喫煙は基本的にNGである場合がほとんどです。
タバコを吸うと毛細血管が収縮し血行が悪くなるため、傷口が戻りにくい他、インプラントと骨の結合がうまくいかないことがあります。
また、術後はタバコを吸うことで、傷口からの細菌感染のリスクも上がります。
その他、喫煙により唾液の分泌量が減り、歯周病やインプラント周囲炎(インプラント周りに炎症を起こすこと)の可能性も高まってしまいます。
インプラント治療を始める前に、医師から禁煙を勧められることが多いですが、少なくとも術後は喫煙しないようにしましょう。
2-2.運動は控える
術後の2~3日は、運動を控えましょう。
普段しているウォーキングやジョギングなどの軽い運動も控えてください。
運動をすると体の血の巡りが良くなり、止血後も傷口から出血してしまう可能性があるからです。
仕事や家事の場合、デスクワークや軽い家事であれば問題ありません。
しかし、重作業や長時間労働は避けた方が無難です。
また、精神的なストレスも、免疫力を下げて、傷口の治りを遅くしてしまう原因になり得るので注意しましょう。
2-3.入浴は短めに
入浴も血行を良くし、出血する可能性があるため、長湯は避けてください。
できれば術後2~3日は、シャワーなどで短めに済ませるといいでしょう。
2-4.正しい口腔ケアを
2-4-1.傷口を刺激しない
歯磨きで手術した部分を擦ったり、強く何度もうがいしたりするのは止めておきましょう。
傷口が広がったり、かさぶたが取れてしまったりなど、治りが遅くなる可能性があります。
また、同じく術部を指や舌などで触るのも止めましょう。
傷口から細菌が入り込み、細菌感染に繋がる可能性があります。
約1~3週間程度は優しく行うようにしましょう。
2-4-2.口腔内を清潔に保つ
また、痛みや腫れがあるからといって、歯磨きを怠ってしまうのもNGです。
口腔内は体の外側の部位と違い、手術箇所を包帯などで保護しておくわけにはいきません。
そのため、細菌などの異物が傷口に入り込みやすく、炎症を起こしてしまうことがあります。
炎症が起こると、最悪のケースでは、せっかく埋め込んだインプラントが抜け落ちてしまうことになりかねません。
そのため、正しくブラッシングし、口腔内をケアする必要があります。
術後のブラッシングについては歯科医師や衛生士等から指導があることも多いです。
指示に従い、丁寧に歯ブラシや歯間ブラシを使い、術部周りは特に清潔に保ちましょう。
歯磨き粉や洗口液などの使用については、医師に確認しておきましょう。
磨き残しが気になる場合は、定期的に歯のクリーニングへ通うのも1つの方法です。
2-5.用量用法を守った薬の服用
術後には痛み止めや感染症を避けるための抗生物質などの薬が処方されることがあります。
どの薬も、必ず医師の指示通り、用量用法を守り飲み切るようにしてください。
「飲みづらい薬だから」、「もう傷口は塞がったから大丈夫」などと自己判断で服用を止めないようにしましょう。
3.食事面で気をつけたいこと

3-1.麻酔が切れるまで食事はしない
インプラントの手術後、麻酔が切れるまでに要する時間は、個人差もありますが、1~2時間程度かかります。
その間は食事をしないようにしましょう。
麻酔が切れないうちに食事をすると、頬や舌、唇を噛んでしまうなど、気付かぬうちに傷付けてしまう可能性があるからです。
3-2.硬いものは避ける
ナッツ類やおせんべいなど、硬い食べ物は術後に向きません。
まだ手術した箇所は不安定なため、硬いものを噛んでしまうと、骨や周辺の組織との結合がうまく進まない可能性があります。
少なくとも術後2~3日は、あまり噛まなくてもいいような、お粥や麺類、ヨーグルトなどを中心に、柔らかいものを食べるようにしましょう。
その後もできる限り、手術した箇所とは反対の歯で噛むようにするなど、工夫をしましょう。
3-3.刺激物は避ける
香辛料が多く含まれているもの、炭酸飲料などの刺激物も、術後2~3日は避けましょう。
傷口への刺激となり、治りが遅くなってしまう可能性があります。
3-4.アルコールは避ける
インプラントの手術後は、1週間程度アルコール類は避けてください。
アルコールは、運動や入浴と同じく、血行を促進させます。
そのため、腫れが大きくなったり、再度出血してしまったりする可能性があります。
また、術後は内服薬が処方されることが多いです。
アルコールと薬の組み合わせは好ましくありません。
しっかりと処方された薬を飲み切るためにも、飲酒はしないようにしましょう。
4.インプラント手術後の気になる症状

4-1.出血したら様子を見て
インプラント治療は外科手術を行った後なので、出血は必ずあります。
手術後、出血をしても、しばらくして止まるようなら問題ありません。
あまりにも大量に出血している、ダラダラと出血が長時間続く場合は、受診しましょう。
4-2.受診した方がよい術後の症状
インプラントの術後、安静に過ごしていても、次のような症状が現れた際には受診し、医師に相談しましょう。
・激しい痛みが続く、日を増すごとに痛みが増える
・腫れが大きくなる
・舌がしびれる
・鼻から血や膿が出る
術後の痛みや腫れなどの違和感は、個人差はありますが、術後2日目~4日目をピークに1週間程度で治まると言われています。
症状がそれ以上長く続く、前より悪化しているなど、日常生活に支障が出るほどの症状の場合は、受診して医師の指示を仰ぐようにしてください。
また薬の副作用などの不安がある場合も、受診しましょう。
まれに下痢や発疹などの副作用が出る場合もあるようです。
5.まとめ
インプラント手術は入院の必要はありませんが、少なくとも2~3日は安静に過ごせるよう、務める必要があります。
手術後の仕事などの予定は、予め調整しておきましょう。
行動が制限されることもあり、少し不便な生活が数日から数週間続きますが、少しでも早く、術後の傷口の治りや、痛みや腫れが治まるよう、意識して生活することが大切です。
インプラント治療により、失った自分と歯と同じような感覚で噛めるようになります。
それを楽しみに、術後の生活を乗り切りましょう。









