
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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生き物に寿命があるのと同じように、物にも寿命があります。
家電の場合は耐用年数という目安があるので、ある程度買い替え時期は予想できます。
ですが、インプラントの場合はそうはいきません。
なぜならインプラントの寿命は、口の環境や管理方法で変わってくるからです。
数年でダメになってしまう方もいますが、管理の仕方次第では40年以上使い続けることもできます。
せっかく治療したインプラント。
できることなら長く使い続けたいですよね。
そこで、今回はインプラントの寿命を長持ちさせる8つのポイントについて簡単に解説していきます。
・インプラント治療は高額だから、長く使い続けたい!
・実際、長持ちさせるのが可能なのか知りたい!
と思っている方は是非、この記事を参考にしてください。
目次
- 1 「自分の歯の寿命」と「インプラントの寿命」はどっちが長い?
- 2 インプラントを長持ちさせる「8つのポイント」
- 2-1:喫煙しない
- 2-2:生活習慣を整える
- 2-3:持病がない
- 2-4:歯磨き指導を受ける
- 2-5:定期検診に通う
- 2-6:担当医の技術力がある
- 2-7:インプラントに負担をかけない
- 2-8:格安インプラントを使用していない
- 3インプラントは「一生もの」
1 「自分の歯の寿命」と「インプラントの寿命」はどっちが長い?

結論から言うと、自分の歯の方が寿命は長いです。
自分の歯の寿命は、約50~65年と言われています。
永久歯が生え始めるのが6歳頃からなので、70歳前後には自分の歯に寿命がくることになります。
一方で、インプラントの平均寿命は10~15年と厚生労働省が公表しています。
インプラント治療は、歯を失った部分の顎の骨にネジのようなインプラントを埋めて、その上に被せ物を取り付ける治療法です。
インプラントには、自分の歯にはある神経や血管、歯根膜(歯の根の周りにある膜のことで、細菌の侵入を防いだり、歯にかかる力を分散させたりする役割がある)といった組織が存在しないため、寿命が短く設定されています。
しかし、1965年に世界で初めてインプラント治療を受けた患者さんは、40年以上に渡って使い続けていたという記録が実際に残っています。
その結果インプラントは、しっかりと管理すれば生涯使い続けられる可能性があるのです。
インプラントの方が自分の歯より寿命が短いから、駄目になりやすいことはありません。
2 インプラントを長持ちさせる「8つのポイント」

インプラントを長持ちさせるには次の8つのポイントを押えましょう。
・喫煙しない
・生活習慣を整える
・持病がない
・歯磨き指導を受ける
・定期検診に通う
・担当医の技術力がある
・インプラントに負担をかけない
・格安インプラントを使用していない
それぞれについて詳しくみていきましょう。
2-1:喫煙しない

タバコはインプラントの寿命を短くしてしまう、大きな要因のひとつです。
タバコに含まれるニコチンには、毛細血管を収縮させる働きがあります。
血管が収縮すると、十分な酸素や栄養が体に届かなくなります。
口の中の影響としては、歯茎の免疫力が低下して、細菌感染する可能性が高くなりやすいです。
インプラントが感染すると、インプラント周囲炎という病気になります。
インプラント周囲炎とは、歯茎の中に侵入した細菌が、インプラントを支えている歯を少しずつ溶かしていく病気です。
特にインプラントには、細菌の侵入を防ぐ歯根膜がないので、症状の進行が早く、気づいた時には支えている骨がほとんどなく、インプラントを撤去するしかないケースもあります。
また、喫煙している人は喫煙していない人に比べて、インプラントの周辺の骨が失われやすく、長期間維持しにくいことがわかっています。
2-2:生活習慣を整える

日頃のストレスや睡眠不足、運動不足などは、インプラントにも悪影響を及ぼします。
疲れが残っている状態が続くと、免疫力が低下して歯茎が腫れやすくなったり、歯が浮いたような感覚がでたりしやすいのです。
インプラント周辺の組織は、自分の歯より弱い状態です。
免疫力が低下すると、歯茎の状態も不安定になり、赤く腫れたり出血したりする場合もあります。
生活習慣を見直して健康的な食事を心がけたり、十分な休息をとったりすることもインプラントを長持ちさせる秘訣です。
2-3:持病がない
全身疾患の種類によっては、インプラントに影響がある場合があります。
例えば、骨粗しょう症の方は骨が弱く折れやすいので、BP製剤(ビスフォスフォネート製剤)という薬を服用していることがあります。
BP製剤には、顎骨を壊死させる副作用があり、手術後のインプラントと骨がしっかりと結合しない可能性があるのです。
インプラントの手術時には、内科医に相談して薬の服用を一旦止めてもらうことで、治療を行うことが可能になります。
とはいえ、インプラント治療後も顎の骨が腐るといったトラブルが起きないようにするために、薬を変えてもらう歯科医院もあるほどです。
また、持病がコントロールできていないと、インプラントにも悪影響が起きやすく、トラブルが起きやすくなります。
2-4:歯磨き指導を受ける

歯に付いている汚れのことを歯垢と言います。
歯垢は食べカスではなく、細菌の集合体です。
歯垢が歯に残っている状態が長いと、細菌は増殖していき、歯茎の中に侵入しようとします。
そうなると、インプラント周囲炎を引き起こしかねません。
また、自己流の歯磨きは、結果としてインプラントや周りをゴシゴシ磨いて、被せ物や歯茎を傷つけてしまう可能性が高いです。
歯茎の位置が下がると、金属の部分が露出してしまい、見た目が悪くなることがあります。
歯科医院の歯磨き指導では、自分の口に適した歯磨き方法を教えてくれて、効率的に歯磨きをすることができます。
歯ブラシ以外にも、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すると、より歯垢を除去できるため、自分の歯やインプラントの寿命を延ばすことに繋がります。
2-5:定期検診に通う

定期検診は、インプラントだけではなく、他の歯も長く使い続けるために欠かせない処置です。
定期検診では、歯とインプラントの噛み合わせのバランスが変わっていないか、インプラントの状態が、手術後から変化していないかなどを細かく検査、確認して、クリーニングを行います。
インプラント周囲炎になるのを防ぐためには、定期的にインプラントの状態をチェックする必要があります。
定期検診の頻度は、口の状態や歯科医院の方針によって違い、3~6ヶ月に一度の間隔で行う場合が多いです。
2-6:担当医の技術力がある

インプラントを埋める位置や角度が、予定していた箇所より数ミリずれるだけで、様々な悪影響が出ます。
例えば、インプラントが1㎜自分の歯の近くに埋め込まれてしまうと、インプラントと歯の間の骨が、時間の経過とともに減少していくのです。
そうなると、自分の歯の見た目も変わってきます。
顎の骨が吸収されると同時に歯茎の位置も下がるため、歯が長く見えて、見た目が悪くなります。
また、インプラントが予定より深く埋め込んでしまうと、神経を傷つける可能性もあり、最悪の場合には、麻痺が残ってしまうケースも否定できません。
安心して長くインプラントを使い続けるためには、インプラント手術をする担当医の正確な診査、診断や豊富な経験と技術は必要不可欠です。
そのため、歯科医院の設備や担当医のインプラント治療の経験年数、症例数などを確認するようにしましょう。
2-7:インプラントに負担をかけない

インプラントに過度な力がかかることで、周りの骨が減少することがあります。
インプラント周辺の骨が少なくなると、歯茎も下がって露出した金属部分から細菌が侵入して細菌感染を引き起こしたり、インプラントの固定力が弱くなり噛みにくくなったりする原因になります。
また、インプラントの噛み合わせは変化していきます。
インプラントの噛み合わせが馴染むまでに、時間がかかるからです。
噛み合わせが合っていない状態で使い続けると、他の歯のバランスも崩れてしまい、炎症や痛み、顎関節症を引き起こすこともあります。
インプラントに過度な負荷がかからないためには、歯ぎしり防止のマウスピースを使用や定期検診に通い噛み合わせの確認が大切です。
2-8:格安インプラントを使用していない

インプラントを取り扱っている会社は、日本だけでも30種類以上あり、世界のメーカーも合わせると数百種類にもなります。
世界中で使用されているメーカーのインプラントは、高品質で安全性が高い特徴があります。
さらに、症例数や実績数も豊富で信頼性があり、治療後の保有率も98%以上という結果がでているため、インプラント1本の金額が30~50万円と設定されています。
一方で、インプラント1本、数万円~20万円程の格安インプラントは、安全性の保証がありません。
インプラントの素材が一般的な金属ではなかったり、実績数が不足していたりすると、トラブルが発生する可能性が高いです。
インプラント治療を受ける前には、歯科医院で取り扱っているインプラントメーカーがマイナーではないことをしっかりと確認しておきましょう。
下記の4つのインプラントメーカーは、世界4代インプラントと呼び名があるほど、世界中で信頼されているメーカーです。
是非参考にしてください。
・ストローマン
・ノーベルバイオケア
・アストラテック
・バイオメット3i
3 インプラントは「一生モノ」

今回紹介した8つのポイントに注意することで、インプラントが長持ちできます。
実際に生涯使い続けた方がいるように、インプラントを半永久的に使い続けることは不可能ではありません。
さらにインプラントは、しっかり管理できると食事や会話を長期に渡って、楽しむことができます。
一生使えるインプラントを目指すために、担当医と治療や治療後についてしっかりと話し合いましょう。









