インプラントの医院選びでやってはいけないこと

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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歯が抜けてしまったり、虫歯で抜歯が必要になったりしたときに、再び自分の歯のように噛めるようになるインプラント術を受けたいという患者さんは少なくありません。しかし、インプラントは高度な技術が必要となる治療でもあります。インプラントを受ける歯科医院を選ぶ際に気を付けたいポイントについて、ご紹介します。

目次

1 「近いから」「安いから」という理由で担当医を選ぶ

インプラント治療は保険適用外診療であり、治療費も高額になります。

また、治療前後での定期的な通院も必要になることから、近所で、なるべく安く手術してくれる歯科医院を選びたくなると思います。

しかし、単純にこのような理由で決めることには大きなリスクが伴います。

 1-1 近所にある歯科医院がベストとは限らない

現在日本には、コンビニよりも歯科医院のほうが多くあると言われています。

コンビニであれば、どこの店舗でもそこまで大きく品質に差がありませんが、歯科医院はチェーン店ではありませんし、治療技術も歯科医によってまちまちです。

そのため、「適当にどこでもいいや」と決めるのは、あまり得策ではないと言えます。

インプラントは外科的処置を伴う、非常に難易度の高い治療です。

そのため、高度な技量と充分な経験、専用の設備などが必要になってきます。

このような条件を揃えているのが最寄りの歯科医院かと言われれば、少し調べてみたほうがいいと感じていただけるかもしれません。

 1-2 かかりつけ歯科医では技量不足の場合も

かかりつけの歯科医は、昔から懇意にしているところや、近所の歯科医院というケースが多いと思います。

通常の歯科診療であれば、多くの歯科医院では平均的な(最低限以上の)治療をしてくれるはずですから、どのような歯科医が担当してくれていても、そこまで大きな問題にはなりません。

しかし、インプラントとなると話は別です。

通常の歯科診療の技術が高く信頼のおける歯科医であったとしても、インプラント術に関しては知見が不足している可能性は充分にあります。

 1-3 治療費が安いのには理由がある

インプラントの治療費は、1本あたり40~60万円程度の費用がかかるケースが多いようです。

とは言え、インプラントは自由診療となるため、治療費については上限や目安といったものがありません。

中には、1本あたり10万円を切るような『激安インプラント』も存在しています。

しかし、安いのには当然理由があります。

 

第一に、埋め込むインプラント自体の価格が安いということが考えられます。

値段が高ければ必ず高品質とは限りませんが、高品質なものほど高価になりやすいことは間違いありません。極端に安く流通しているものは、グレードも下がります。

品質の低いインプラントを埋め込めば、それだけ治療の精度が落ちやすくなり、脱落・再手術のリスクも高くなります。

 

次に考えられるのが、「大量に患者を治療することで利益を出す」という、薄利多売的な考え方に基づいた治療を進めているケースです。

こうなると、一人当たりにかける治療の時間はできるだけ短くしなくてはいけないため、治療精度が下がり、アフターケアも充分なものが受けられない可能性があります。

 

そして最も大きい要因が、人件費の削減です。

高い技術力を持った歯科医には、それだけ高い給料を支払わなくてはいけません。そこで、経験の浅い歯科医を雇い、人件費を抑えていることが疑われます。

先ほどもお伝えした通り、インプラントは高い技術力が必須の治療です。経験が浅すぎる歯科医では、満足のいく治療を受けられるとは言えません。

 

こうした要素が考えられるため、安すぎるインプラント治療には注意が必要です。

2 評判・口コミを見ない/信じすぎる

インターネットなどで歯科医院を探すときに気にしたいのが、ネット上の評判・口コミです。

2-1 口コミはある程度正確なことが多い

自由に投稿できる口コミ・レビューは、ある程度正確な内容も含まれています。

特に気にしたい意見は、良かった点と悪かった点を両方記載しているものです。

 

・治療前後の歯科医の雰囲気

・治療自体の満足度

・治療後の経過

 

などを中心に確認しましょう。

2-2 口コミの過信を避けたほうがいい理由

ただ、レビューがすべて正確なものであるとは限りません。

非常に高い技量をもった歯科医でも治療がうまくいかないことはあり得ますし、インプラント術を受けた後のセルフケアに問題があって治療が失敗してしまうこともあります。

感情的に「最悪だ」「二度と行かない」などと書き立てている口コミについては、話半分で見ておくことをおすすめします。

逆に、「こういう点が問題だった」「もっとこうして欲しかった」など、具体的な指摘になっているレビューが同様の内容で複数件見つかるようであれば、それはその歯科医院の抱えている問題です。

2-3 日本口腔インプラント学会所属の歯科医がベター

レビューと一緒にチェックしておきたいのが、歯科医が『日本口腔インプラント学会』の専門医認定制度をパスしているかどうか、という点です。

日本口腔インプラント学会は、その名の通り「インプラント治療のための専門的な学会」であり、広い学識と高度な技能があるかどうかを判定する専門医・専修医認定制度があります。

つまり、この認定を受けている歯科医はインプラント治療を行うのに必要な知識・技術が充分にあると判断できるのです。

患者側からは分かりにくい歯科医の技量だからこそ、こうした認証制度が選定の目安ともなります。

3 セカンドオピニオンをためらう

医師の診断・治療方針に納得がいかなかったときに、別の医師にかかって判断を仰ぐことを、「セカンドオピニオン」と言います。

もちろん、歯科診療においてもセカンドオピニオンをとることは何の問題もありません。

3-1 診療方針に納得がいかない場合はセカンドオピニオンを取ろう

インプラント術に際しては、治療の前に抜歯を行わなくてはいけないケースがあります。

例えば、極度に進行してしまった虫歯で根管治療などが難しい症例において、「抜歯ののちインプラント」という流れになる場合などが考えられます。

 

しかし、「本当に抜歯してインプラントにする必要があるほど悪化しているのか?」という疑問が生じた場合には、セカンドオピニオンとして、別の歯科医院に行きましょう。

あまり考えたくはありませんが、インプラント治療は治療費が高額になるため、歯科医院にとっても大きな収入源となり得ます。

治療の余地のある歯を抜いてインプラントにすることを提案する、というケースがないとは言い切れないのです。

 

また、インプラントを受けたいのにできないと言われてしまった場合や、驚くほど高額な治療方法しか提示されない場合などにも、セカンドオピニオンは有効です。

納得のいかない点があれば、必ず別の医院でもう1度診てもらうことをおすすめします。

3-2 セカンドオピニオンを取っても治療の質が下がることはない

セカンドオピニオンという選択を行うことで、いくつかの選択肢から自分がより希望する治療を選びやすくなります。

もちろん最初の歯科医院に戻っても、「あの患者はセカンドオピニオンで他院に行ったから適当な治療をする」などという歯科医はいませんので、安心してください。

正確には、そのような医師はいてはいけません。

 

セカンドオピニオンは患者の正当な権利であり、それによって不利益をこうむることはあってはならないのです。

納得がいくインプラント治療を行ってくれる歯科医院を探し、実際に診てもらったうえで歯科医の話を聞いてみることをおすすめします。

4 後悔しない歯科医選びが必要不可欠!

インプラントは、治療費が高額になるだけではなく、治療前後でのケアが必要になる、患者の負担が大きな手術でもあります。

 

そのため、なるべく知識があり、技量が高く、かつ治療費もお手頃な歯科医院を探したいというのが大半の意見だと思います。

実際にはある程度通える距離にある中からベストな歯科医院を探すことにはなるはずですが、なるべく行動範囲を広げて、自分の希望に合致する歯科医を探すことをおすすめします。

 

また、日本口腔インプラント学会の専門医・専修医の資格を持った歯科医であれば、より高い知識・技術が保証されていますので、安心して治療を受けやすくなります。

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