
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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歯周病が原因で、お口のバランスが悪くなり不自然な見た目になることも少なくありません。
そのため、
・歯が長くなった
・歯と歯茎の隙間が空いていて見た目が悪い
などの見た目のことで、悩んでいる方もいると思います。
また、一度下がった歯茎は元に戻らないと思って口元を隠して笑ったり、他人に会うのが嫌になったりしていませんか?
ずっと口元を隠しながら生活するのは、苦しいですよね。
そこでこの記事では、歯周病で下がった歯茎を戻す方法について解説しています。
この記事を参考にして、見た目の悪い口元ではなく、思いっきり笑える素敵な口元を手に入れましょう。
目次
1下がった歯茎を自分で元に戻すことはできる?

歯周病で下がった歯茎は、自分で元に戻すことができません。
歯周病は、歯周病菌が歯を支えている骨や組織などを溶かす病気です。
歯周病で見た目が悪くなるのは、歯茎だけが下がったのではなく、歯を支えている骨が溶けているからです。
そのため、歯磨き粉を変える、歯茎のマッサージといったことは、歯茎を元に戻す効果がほとんどありません。
2歯周病で下がった歯茎を元に戻す方法

歯周病で下がった歯茎を元に戻すには、大きく分けて次の3つの方法があります。
・骨を再生させる治療法
・今ある歯茎を移植・移動させる治療法
・歯科用ヒアルロン酸治療
2−1:骨を再生させる治療法

歯周病では、歯を支えている骨が溶けてしまうため、骨の上にある歯茎の位置も一緒に下がってしまいます。
つまり、骨を増やすことで、歯茎の位置も上がるようになります。
骨を再生させる方法としては、GBR法やGTR法、エムドゲインなどが一般的です。
それぞれがどんな治療法なのかを、詳しく見ていきましょう。
・GBR法

GBR法は、人工骨や自家骨(自分の骨)を使って骨を増やす方法です。
歯周病で骨を失った部分に、人工骨や自家骨を埋めることで、骨が少しずつ再生していきます。
自家骨を使う場合には、一番奥の歯の外側の骨を採取して移植するのが一般的です。
・GTR法

GTR法は、メンブレンという特殊な膜を使って骨の再生を促す治療法です。
歯周病が進行していて、歯周病菌が歯茎の奥深くまで入り込んでいる場合には、まず根にこびりついている歯垢や歯石などを除去するのが一般的です。
根の表面をキレイにした後は、歯茎と骨が自然に回復していきます。
しかし、歯茎は骨より回復するスピードが早く、骨が再生するスペースに歯茎が埋まってしまいます。
その結果、骨が十分に再生せず、歯茎が下がったままの状態になり、歯が長く見えるようになります。
そこで、歯の根をキレイにした後、メンブレンという膜でスペースを確保することで、骨が回復しやすい状態を作ります。
処置後は、十分な厚さの骨ができ歯茎の位置も上がって、自然な見た目の仕上がりになります。
・エムドゲイン法

エムドゲインは、骨を再生させる薬剤のことで、世界40ヶ国以上の国で使われています。
また、エムドゲインは日本でも承認されていて、安全性と信頼性の高い薬剤と言われています。
この処置では、骨が溶けている部分にエムドゲインを注入することで、歯の周りにある骨が増殖し再生していく仕組みです。
ただ、エムドゲイン法は、全てのお口の状態に適応できる治療法ではありません。
骨が溶けている範囲が部分的な場合には、この治療法が対象になりますが、全体的に骨がないケースではエムドゲイン法ができないことがあります。
2−2:歯茎を移動・移植させる

ここでは、骨ではなく、歯茎の治療法について紹介していきます。
歯茎の治療は、大きく分けて2種類あります。
・結合組織移植術(けつごうそしきいしょくじゅつ)
・歯肉弁移動術(しにくべんいどうじゅつ)
それぞれの治療法について、詳しく見ていきましょう。
・結合組織移植術
結合組織移植術とは、別のお口の場所から歯茎の一部を取って、足りない部分に歯茎を移植して歯茎を増やしたり、厚みを出したりする方法です。
移植で使用する歯茎は、上顎の裏側の一部を取るのが一般的です。
この手術をすることで歯茎に厚みが出て、見た目の美しい口元になります。
・歯肉弁移動術

歯肉弁移動術は、横の歯茎や上の歯茎を引っ張って、露出している根っこの部分を覆う治療法です。
この手術では下がった歯茎の周囲を切り、引っ張ってから縫い合わせていきます。
ただ、この方法は歯茎を増やすのではなく、今ある歯茎を伸ばす処置です。
そのため、歯茎が薄い方や下がった歯茎が広範囲に及んでいるケースでは、適応できない場合があります。
2−3:歯科用ヒアルロン酸

美容外科でも使われるヒアルロン酸ですが、現在では歯科用のヒアルロン酸もあります。
ヒアルロン酸は、もともと人間が持っている成分で、保湿性や弾力性に優れている特徴があります。
また、ヒアルロン酸は安全性が高く、アレルギーの心配もほとんどありません。
歯周病で歯茎が下がったときには、歯と歯の間の隙間が大きくなるので、見た目が悪くなったと感じやすいです。
ヒアルロン酸を注入することによって、歯茎が一時的に回復して隙間が埋まるようになり、自然な美しい口元になる効果が期待できます。
ヒアルロン酸治療の手順は、以下の通りです。
①下がった歯茎の部分に麻酔をする
②ヒアルロン酸を歯茎に注入する
処置時間は、約10分〜15分で終わるのが一般的です。
また、痛みや腫れも出にくいため、人前で仕事をする方にはオススメな治療法です。
・ヒアルロン酸治療の注意点
ヒアルロン酸の効果は、長く続きません。
ヒアルロン酸は、時間の経過とともに体内に吸収されるからです。
歯茎の状態を保つためには、3ヶ月〜半年に一度のペースで、ヒアルロン酸治療をオススメする歯科医院が多いです。
3 美しい口元を取り戻そう

歯周病で下がった歯茎を戻す方法は、次の通りです。
| 骨を再生させる治療法 | ・GBR法(骨を増やす) ・GTR法(骨が再生するスペースを作る) ・エムドゲイン(自費治療) |
| 歯茎を移植・移動させる方法 | ・結合組織移植術(歯茎の移植) ・歯肉弁移動術(歯茎を移動) |
| 歯茎に薬剤を注入させる方法 | ・ヒアルロン酸治療 |
どの治療法も歯周病治療をすることが、前提になります。
歯周病が改善していない状態で、歯茎を戻す治療をしても効果は期待できません。
また、歯周病で下がった歯茎は、自然には戻りません。
しかし、お口の状態に合った治療をすることで、以前のような見た目に改善できます。
まずは担当医と治療法についてしっかりと話し合い、美しく自然な口元を取り戻しましょう。







