
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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食事をしても、味がしない、味を感じにくい・・・
食べ物の味を感じない状態で食事をするのは、楽しくありませんね。
味覚が衰えてしまう原因は、加齢や病気など様々な原因が考えられますが、その中の1つに「入れ歯治療」がきっかけのものもあると言われています。
この入れ歯からインプラントに変えるだけで、味覚が戻ってきたという人もいるようです。
食べることは生きていく上で一生続くもの。
少しでも食生活が楽しく豊かなものであるために、歯の治療法と味覚の問題について知っておきましょう。
目次
- 1.入れ歯だと味がしにくい?
- 1-1.入れ歯で味蕾が隠れてしまうから
- 1-2.噛み合わせが合っていないから
- 1-3.口腔内の感覚が変化するから
- 1-4.唾液が減少するから
- 2.インプラントと味覚の関係は?
- 2-1.インプラント治療は直接味覚に影響しない
- 2-1-1.術後の腫れや炎症による一時的変化
- 2-1-2.麻酔の影響による一時的変化
- 2-1-3.心理的な影響による変化
- 2-2.インプラント治療と味覚の関係は一時的なものが多い
- 3.入れ歯治療からインプラント治療に変えると味覚が取り戻せる?
- 3-1.入れ歯治療が原因で味覚が変化した場合には効果が期待できる
- 3-2.インプラント治療後も味覚の変化が続く場合も
- 4.味覚の衰えの原因はさまざま!食べる楽しみを考えた最適な治療を医師と相談しよう
1.入れ歯だと味がしにくい?

歯を失った際に考える治療として、昔からある一般的な治療が入れ歯治療です。
そんな入れ歯治療をすると、味を感じにくくなるという人がいるようです。
なぜ味がしにくくなると考えられるでしょうか
1-1.入れ歯で味蕾が隠れてしまうから
まず考えられるのが、味を感じる味蕾を入れ歯で隠してしまうからというものがあります。
味蕾は舌や頬、上顎の粘膜などに存在している味を感じる細胞や味を感じるサポートをする細胞などの集まりです。
食べ物を口にすると、この味蕾に味が受容されます。
部分入れ歯では味蕾を隠してしまうことはありませんが、上顎を総入れ歯治療する場合、入れ歯を固定する人工床が上顎の粘膜を覆うため、味蕾を隠してしまいます。
そのため、味を感じにくいと感じる方がいるのです。
1-2.噛み合わせが合っていないから
入れ歯は、噛み合わせについて考えて作製はされているものの、最初からピッタリと噛み合う訳ではありません。
入れてみてから、調整を繰り返し、噛み合わせを整えます。
そんな噛み合わせがピッタリ合っていない時期は、食べ物を噛みづらく、うまくすりつぶすことが難しいことも。
食べ物はすりつぶして食べることで味を感じるものも多いため、入れ歯を入れた直後は味を感じにくいということがあるようです。
また、保険適用の入れ歯治療であれば、入れ歯に使われる材料は歯科用のプラスティックのものが多いですが、プラスティックの場合は食べ物の熱を感じにくいのがデメリット。
熱を感じにくいと、食べている感覚があまり分からず、上手に噛めないということがあります。
1-3.口腔内の感覚が変化するから
入れ歯を入れたことで、口腔内の感覚が変化し、舌の動きが制限されたり、うまく噛めなかったりすることで、味の感じ方も変化することがあるようです。
1-4.唾液が減少するから
また、入れ歯を使用すると唾液の分泌量が減少するという患者もいます。
唾液には味を感じるための重要な役割があるのですが、その唾液が減少することによって、味の感じ方に変化が出る場合もあります。
2.インプラントと味覚の関係は?

入れ歯治療の場合、様々な理由から味が感じにくくなることがあることがわかりましたが、インプラント治療の場合はどうでしょうか。
2-1.インプラント治療は直接味覚に影響しない
インプラント治療は、基本的に直接味覚に影響することはありません。
入れ歯治療のように、上顎の味蕾を隠すほどの人工床はありませんし、噛み合わせについても予め調整されていることが多いです。
しかし、以下のようなことで、一時的に味覚の変化が起こることはあるようです。
2-1-1.術後の腫れや炎症による一時的変化
インプラント治療では、人工歯根であるインプラント体を顎骨に埋め込む治療を行います。
その際に歯茎を切開する外科手術を行う必要があるのですが、外科手術後はやはり腫れや炎症が起こりやすいものです。
術部周辺の組織が腫れたり、痛みが出たりすると、さまざまな感覚に変化が現れます。
味覚もそのひとつ。
痛みや腫れは一時的なものなので、治ってくると、感覚も戻ってくるので、味覚も戻ってくるでしょう。
2-1-2.麻酔の影響による一時的変化
手術の際の局所麻酔の影響も、味覚に影響を及ぼすことがあります。
麻酔が舌や口腔内の感覚を鈍くすることがあるためです。
しかし、麻酔も一時的なもので、麻酔が切れれば感覚は戻ってきます。
2-1-3.心理的な影響による変化
インプラント治療では、外科手術が必須であることから、そのことに対しストレスや不安を持つ患者も少なくありません。
ストレスや不安感は、食べ物の味を感じなくさせることがあります。
術後、精神的にも安心し、落ち着いてくるとともに、味覚が戻ってくることはあるでしょう。
2-2.インプラント治療と味覚の関係は一時的なものが多い
以上のように、インプラント治療をしたことによって、食べ物の味を感じにくくなるということはありますが、どれも一時的なものが多いです。
味覚を取り戻すスピードは患者それぞれですが、味覚に対して不安があるのであれば、治療中に医師に相談するといいでしょう。
3.入れ歯治療からインプラント治療に変えると味覚が取り戻せる?

歯を失った時の治療として、入れ歯治療を選択したけれど、味覚の問題からインプラント治療に移行したいと考える人もいるかもしれません。
インプラント治療に移行するだけで、失った味覚を取り戻すことはできるのでしょうか。
3-1.入れ歯治療が原因で味覚が変化した場合には効果が期待できる
入れ歯治療が原因で味覚が衰えることは、よくあることです。
その場合、入れ歯治療からインプラント治療に移行することで、元々の味覚を取り戻すことができるかもしれません。
また、インプラント治療では噛む力や噛むときの違和感が、入れ歯治療よりも改善されることが多いです。
自分の歯で噛む感覚が取り戻せることから、食べるのが楽しくなるという変化も期待できます。
よく噛めるので、その分味が楽しめるということも。
食べるという行為は一生続くものなので、やはり楽しく食事ができるということは生きる上で大切なことですね。
インプラント治療は保険が適用されず、費用が高いことがネックになっている方もいるかもしれませんが、今後も続く食生活のことを考えると、食べやすい、味が感じやすい治療法に移行するのがおすすめ。
食べても味がしない、おいしくないと感じると、食べることが億劫になったり、義務的に感じてしまったりすることがあるかもしれません。
体の健康のことも考慮し、治療法を再度考え直し、歯科医師に相談してみるのもいいでしょう。
3-2.インプラント治療後も味覚の変化が続く場合も
もちろん、インプラント治療に移行したからといって、必ず味覚の問題が解決できる訳ではありません。
味覚の衰えは、加齢や口内環境、病気などによっても引き起こされます。
入れ歯治療が味覚の衰えの直接的原因でなかった場合、インプラント治療にしただけでは味覚が戻ってくることはないでしょう。
そのため、まずは何が味を感じにくくさせているのかを医師と相談してみてください。
自身にあった適切な対処法や治療法を提案してもらい、その治療を実践することが味覚を取り戻すことにつながるでしょう。
4.味覚の衰えの原因はさまざま!食べる楽しみを考えた最適な治療を医師と相談しよう

入れ歯治療が原因で、味を感じづらくなった、味覚に変化が起こったということは珍しくないようです。
味覚の衰えが入れ歯治療にある場合には、インプラント治療に移行することで、味覚を取り戻す第一歩となるかもしれません。
入れ歯の味覚への影響を取り除くことができるのが、インプラント治療だからです。
インプラント治療をした後も、インプラントの手術が原因で一時的に味覚が変わることもありますが、徐々に落ち着きます。
ただし、味覚が衰える原因は入れ歯治療によるものだけでなく、人によってさまざまです。
その原因を見極めて、適切な治療をするためにも、まずは歯科医師に相談してみましょう。
食べることはこれからも一生続くことです。
より食生活を楽しく、健康的に生きるために、味覚の問題は早めに解決するようにしましょう。









