インプラント治療に「怖い」というイメージを抱いている人は、実は少なくありません。

顎骨に、インプラント体と呼ばれる人工歯根を埋め込む“外科手術”を伴う治療だからです。

口の中を手術すると聞くと、やはり「怖い」、「大丈夫だろうか」と思う人もいるのは当然でしょう。

また、トラブルやリスクが心配な方もいるでしょう。

その恐怖心や不安から、手術の必要のない手軽な入れ歯治療やブリッジ治療を選ぶという人もいます。

しかし、ただ「怖い」というだけで、様々なメリットのあるインプラント治療を避けるのはもったいないかもしれません。

今回はそのような恐怖心を軽減しながら、怖くなく、インプラント治療に挑む方法について、一緒に考えていきましょう。

インプラント治療に「怖い」と思う人が多いのには、具体的にどのような理由があるのでしょうか。

まず、インプラント治療が怖いと思う方も多くが、治療内の「外科手術」に対して恐怖感を持っている方が多いです。

インプラント治療においては歯茎をメスで切開し、顎骨にドリル等で穴を開け、そこへインプラント体を埋め込む手術は必ず必要です。

口腔内の手術だけでなく、手術というものはリスクをゼロにすることはできません。

出血を伴い、腫れや痛みは出ますし、感染症などのトラブルが起こることもあります。

とはいえ、トラブルやリスクのことばかり考えていては、前へは進めません。

気を付けることで避けられるトラブルやリスクもあります。

痛そうだから怖いという人も多いかもしれません。

痛さの感じ方は人それぞれですが、外科手術を伴うことから、全く痛くないということはないでしょう。

ただし、手術中は麻酔を行いますし、術後は痛み止めが処方されることが多いので、過度に痛みを怖がる必要はなかったという方もいます。

外科手術をするため、その前後で日常生活に制限が出てくることはあります。

特に口腔内なので、食べ物には気を遣わなければならない他、術後は過度な運動を避けること、浴槽につかることや禁酒などの行動制限もあります。

それが面倒だ、できるかどうか心配だという方もいるかもしれません。

しかし、治療が終わった後は、天然の歯と同じような機能を取り戻すことができます。

禁煙は体の健康のためにも続けることが望ましいですが、一時の制限だけで、快適な生活ができると考えると前向きになれるかもしれません。

インプラント治療は基本的に自由診療であるため、治療費は自己負担です。

入れ歯治療やブリッジ治療には保険が適用される治療もあるので、それに比べると、いくら治療費が請求されるか怖い、支払えるか不安と感じる人もいるかもしれませんね。

自由診療であるため、治療費は歯科医院ごとによって異なります。

分割払いやデンタルローンが用意されている歯科医院もあるので、無理なく治療できるか、まずは相談してみるといいでしょう。

口コミなどで、「インプラント治療でトラブルがあった」「インプラント治療に失敗した」などの意見を目や耳にしたことがある方もいるかもしれません。

そのようなことを聞くと、治療にマイナスなイメージを持ってしまいやすいでしょう。

しかし、どんな治療においてもトラブルや失敗はつきものです。

インプラント治療だけではありません。

また、インプラント治療は比較的新しい歯科治療のため、馴染みがなく、間違った知識もインターネット上で拡散されてしまっているケースもあります。

そのような情報だけを鵜吞みにして怖がるのではなく、実際に歯科医院で話を聞いてみましょう。

トラブルや失敗については事前に防げるものもあるので、治療に対する正しい知識を持つことが大切です。

インプラント治療を受けるにあたり、年齢や体調（特に持病など）を理由に治療ができるのだろうかと不安に思う方もいます。

実際、持病などでインプラント治療が難しいケースもあります。

年齢については、何歳まで治療できるという基準はなく、インプラント体を埋め込めるだけの顎骨があること、手術が可能な限りは治療可能です。

医師と相談することで、その不安は解消できることがほとんどなので、事前にしっかりカウンセリングを受けましょう。

インプラント治療を受けた後はメンテナンスが欠かせません。

そのため、きちんとメンテナンスができるか心配という方もいるでしょう。

確かにメンテナンスが不足すると、トラブルが起こってしまい、インプラントの寿命が短くなってしまうこともあります。

しかし、基本的には自分で行うケアは、自分の歯を磨くようにすれば問題はありません。

メンテナンスは忘れずに歯科医院へ通い、医師や歯科衛生士からのアドバイス等を聞いていれば、トラブルは起きにくいので安心しましょう。

インプラント治療は「怖い」というイメージを持たれやすい治療法ですが、優れた治療法であることには間違いありません。

歯を失った際の他の治療法よりも、噛みやすく、見た目も自然であり、メンテナンスを怠らなければ長く快適に治療の恩恵を受けることができます。

そのため、その怖さを軽減し、治療に挑むための方法をいくつか紹介します。

まずはインプラント治療を受ける歯科医院選びに気を付けてみましょう。

インプラント治療は特別な免許や資格等がなくても、歯科医師であれば治療ができます。

しかし、これまでの実績や経験が乏しい医師の場合、治療中トラブルが起こったとき、予期せぬ事態が起こったときなど、さまざまなケースに対応できない可能性が出てきます。

一方、実績や経験の多い医師なら、様々なケースにおいて、適切な判断に繋がることが多いです。

安心材料の1つとしても、経験豊富な医師に治療を任せることをおすすめします。

治療前には必ず納得のいくまでカウンセリングを行うことも、怖さの軽減につながります。

「怖い」というのは「知らない」ことが原因になっていることが多いです。

「知らない」ことを知ることで、想像していた怖さではなかったというものがあるかもしれません。

また、質問や相談に対し、真摯に説明をしてくれる医師かどうかも、見ておきましょう。

治療中にも新たに疑問や質問が出てくるかもしれません。

そんな時にまた相談に乗ってくれるか、適切に対応してくれるかなど、コミュニケーションの取りやすさなども確認しておくと、安心につながるかもしれません。

インプラント治療と一言で言っても、その治療内容は患者さん一人一人細かく違うことがあります。

そのため、インターネット上の情報や治療を受けた知人の話を聞くだけではなく、自分の場合はどのように治療が進むのか、どのような痛みが出る可能性があるのか、注意しなければいけないことなどを把握しておきましょう。

事前に分かっていれば心の準備をすることができます。

痛みがとても怖いという場合には、静脈内鎮静法を検討してもいいでしょう。

名前の通り、静脈から鎮静剤を投与する方法で、気持ちがリラックスした状態の上で治療を受けられます。

どうしても痛みに対する不安がぬぐえない場合には、医師に相談してみるといいでしょう。

治療が始まったら、もうここから引き返せないと思うと、緊張や不安が高まるものです。

治療中であっても、不安があれば医師に何でも相談するようにしましょう。

医師も相談してくれた方が、対処がしやすいという場合もあります。

インプラント治療は歯を失った際において、その歯の機能をより自然に回復させられる画期的な治療法です。

とはいえ、様々な理由から、インプラント治療が怖いと思ってしまう方もいるでしょう。

しかし、インプラント治療のメリットを取り入れるためには、恐怖心を軽減し、治療を受けるしかありません。

トラブルやリスクは他の治療でもつきものです。

メリットデメリットについて総合的に考慮し、また納得のいく医師選び・歯科医院選びをしながら、満足のいく治療を受けましょう。