インプラント治療に迷っている理由は?

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復する効果的な治療です。しかし、「インプラント治療はなんとなく不安」「入れ歯とどっちがいいの?」など悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

 

インプラントはメリットの多い治療ですが、失敗するリスクはゼロではありません。また、外科手術が必要である・費用が高いといったデメリットもあります。

 

この記事では、インプラント治療に迷っている人向けに、治療を迷う主な理由や迷った時の対処法など詳しく解説します。

目次

1.そもそもインプラント治療とは

イ ンプラント治療に迷う理由を紹介する前に、簡単にインプラント治療について解説します。

 

インプラント治療とは、失った歯を人工歯で補う治療法です。あごの骨に歯の根の代わりとなるインプラント体を埋め込み、インプラント体と骨が結合してから人工歯を取りつけます。インプラント体を埋め込む時に、歯ぐきを切り開きあごの骨を開ける外科手術が必要です。

 

インプラント体でしっかり人工歯を支えるため、人工歯とほぼ同じくらいまで噛む力を回復できます。また、天然歯と同じように歯ぐきから歯が生えているように見えるため、見た目も非常に自然です。

 

病気や事故などで広い範囲にわたりあごの骨を失ってしまったなど、限られた場合を除き保険は適用されません。

2.インプラント治療に迷っている主な理由とは

イ ンプラント治療をするか迷う理由のうち、代表的なものについて解説します。迷う理由だけではなく、判断のポイントとなる情報も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

2‐1.失敗するかもしれない

インプラント治療は、歯根の代わりにインプラント体を埋め込むために外科処置を行います。

 

どんな治療法も絶対に安全ということはありませんが、特にインプラント治療は外科処置を伴うため、不安を感じる人が多いのも事実です。

 

しかし、インプラント治療は確立された治療法ですし、成功率は97%ともいわれています。インプラント治療の経験が豊富な歯科医師であれば、失敗するリスクは低いでしょう。

 

また、「インプラント専用手術室」「歯科用CT」「サージカルガイド」といった、設備や器具が充実している歯科クリニックを選ぶのも、リスク軽減に効果的です。

 

・インプラント専用手術室

空気を清潔に保つ設備により細菌感染を防ぐ手術室です。

 

・歯科用CT

あごの骨の厚み・形状や口の中の血管・神経の状態を立体的に把握するための装置です。

 

・サージカルガイド

樹脂製のマウスピースのような器具で、装着してガイドに沿ってドリルをあてることで正確にあごの骨に穴を開けられます。

2‐2.外科手術が痛そうで怖い

インプラント治療は、外科手術が必要な治療法です。そのため、痛みが怖くてインプラント治療に踏み込めない人も多いのではないでしょうか。

 

手術中は、局所麻酔で手術箇所の感覚を麻痺させるため、基本的に痛みを感じません。手術後は、傷口に炎症が起きて痛みが生じますが、数日から1週間くらいで落ち着くケースが多いといわれています。また、痛み止めを服用して痛みを和らげられるため、耐えきれないほどの痛みにはなりにくいでしょう。

 

手術への不安が大きい場合は、「静脈内鎮静法」や「笑気麻酔」を局所麻酔と併用することで、リラックスして手術を受けられます。

 

・静脈内鎮静法

リラックス効果のある薬剤を点滴して恐怖や不安を軽減する麻酔法です。

 

・笑気麻酔

「笑気ガス」と呼ばれるガスを吸い込み緊張を和らげる麻酔法です。

 

痛みが不安な場合は、事前に歯科医師に相談し、痛みをおさえる方法を提案してもらいましょう。

2‐3.費用が高い

インプラント治療は、基本的に保険が適用されず、治療費は全額自己負担しなければいけません。歯を多く失った場合の費用負担は相当なものです。

 

しかし、失った歯の機能や見た目を天然歯とほとんど同じレベルにまで回復できるため、費用に見合った価値は充分あります。

 

経済的な事情で難しければ、クレジットカードや歯の治療に特化したローンである「デンタルローン」を利用する方法もありますので、まずは歯科医師に相談しましょう。

 

ただし、1本あたり10万円といったあまりにも安すぎるインプラントには要注意です。粗悪なインプラント体を使用していることが原因で骨と結合しない、抜く必要のない歯まで抜歯してインプラントにするようすすめられるといった、トラブルが起こる可能性があります

2‐4.手入れが難しそう

イメージと異なり、インプラントは治療後の手入れがしやすい治療法です。日ごろの手入れは、天然歯と同じように歯磨きをするだけでもよいといわれています。入れ歯のように寝る時に取り外して、水や薬剤につけておく必要はありません。

 

もし、本人が要介護であるなどの理由で毎日の歯磨きが難しい、高齢で何年かすると要介護になる可能性が高いといった場合は、歯科医師とよく相談しましょう。

 

ただしインプラント治療には、定期的に歯科クリニックのメンテナンスに通わなければいけないというデメリットもあります。定期メンテナンスでは、インプラントの破損や噛み合わせの乱れ、インプラント周囲炎などのトラブルがないかチェックするとともに、歯のクリーニングも行います。

 

インプラントを長持ちさせるには、トラブルに早く対処する、口の中の衛生状態を保つの2点が大切です。必ず歯科医師の指示通り、定期メンテナンスに通いましょう。

2‐5.インプラントが適しているかわからない

歯を失った場合の治療法は、インプラントだけではありません。入れ歯やブリッジでも歯を補えます。入れ歯とブリッジは外科手術が不要で、保険適用の場合はインプラント治療よりも費用を大幅に節約できます。それぞれの特徴を解説します。

 

・入れ歯

歯ぐきのような部分と人工歯でできており、部分入れ歯と総入れ歯があります。部分入れ歯は金具を両隣の歯に装着して固定し、総入れ歯は歯ぐきのような部分を歯ぐきに被せて装着します。噛む力は弱めで、見た目にやや違和感があるかもしれません。保険適用の場合、5,000円くらいからつくれます。

 

・ブリッジ

人工歯を両隣の歯で支えて装着する治療法です。人工歯と両側の歯にかぶせる冠が一体化したものを、両隣の歯を削ってつけます。しっかり噛めて見た目も自然ですが、健康な歯を削らなければいけません。保険適用の場合、1万円前後でつくれます。

 

身体への負担や金銭面を考慮すると、インプラント治療よりも入れ歯やブリッジが適している場合もあります。

 

また、糖尿病などの全身疾患がある人・重度の歯周病の人・タバコをすう本数が多すぎる人・あごの骨量が極端に少ない人など、インプラント治療に向かない人もいます。

 

インプラント治療に不安がある場合は、まずは歯科医師に相談しましょう。身体の状態や費用面など総合的に考えて、適した治療法を提案してくれます。

3.インプラント治療に迷ったらどうしたらいいの?

イン プラント治療に迷った時に、後悔しない選択をするための方法を3つ紹介します。

3-1.優先順位を決める

インプラント治療は、天然歯とほぼ変わらない機能と見た目を実現できます。しかし、外科手術が必要・費用が高いなどデメリットもある治療法です。

 

費用を優先するなら入れ歯かブリッジ、噛む機能や見た目を優先するならインプラント治療というように、何を重視するかによって適した治療法は異なります。

 

優先順位を決めておくことで、本当に自分に合った治療法を選べます。

3-2.信頼できる歯科医師を探す

インプラント治療は、高度な専門知識・スキルが求められる治療法です。症例の経験が豊富な歯科医師を選ぶことで、適切なアドバイスや治療を受けられます。

 

診察・カウンセリング時に、インプラントのメリット・デメリット、他の治療との違い、費用、治療期間など丁寧に説明してくれる歯科医師であれば、治療後に後悔するリスクをおさえられます。

 

また、治療後も定期メンテナンスに通う必要があり、長い付き合いになるという面でも、歯科医師選びは重要です。

 

リスクをしっかり説明せずインプラントをやたらとすすめてくる歯科医師は、利益を重視している可能性があるので、避けた方がよいでしょう。

3-3.セカンドオピニオンを受ける

インプラントは外科手術を伴い治療費も高額なので、一般的な歯科治療よりも慎重に検討する人も多いのではないでしょうか。

 

迷っている場合は「セカンドオピニオン」を受けるのも方法の1つです。セカンドオピニオンとは、初めに診察を受けた歯科医師以外の歯科医師の意見を聞くことを指します。

 

セカンドオピニオンには、最初に診察した歯科医師の診断が正しいか確認できる・他の選択肢を提示してもらえる場合がある・治療費の相場がわかる・インプラント治療の理解が深まるなど多くのメリットがあります。

 

セカンドオピニオンを受けることで、後悔のない治療を選択しやすくなるでしょう。

4. インプラント治療に迷ったら、信頼できる歯科医師に相談しよう!

インプラント治療に迷う主な理由には、失敗するかもしれない・外科手術が痛そうで怖い・費用が高いなどがあります。

 

インプラントは、噛む機能や見た目が天然歯とほぼ変わらないなどメリットの多い治療法ですが、全ての人にとってインプラントが一番合っているというわけではありません。

 

後悔しない選択をするためには、優先順位を決める・信頼できる歯科医師を探す・セカンドオピニオンを受けるの3つが重要です。歯科医師の意見をよく検討し、自分に合った治療法を選びましょう。

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