インプラントの寿命がきた。交換が必要なケースは?

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

歯を失った時の治療法の中では、一番寿命が長い治療法だと言われているインプラント治療。

一般的に寿命は10年以上だと言われています。

しかし、その使い方によっては10年よりも早く、寿命がくることがあります。

また、インプラントの全てが寿命を迎えてしまうのではなくても、その一部交換が必要なケースもあります。

それはどのようなケースなのか、また交換には費用はどのくらいかかるのでしょうか。

今回はインプラントの交換が必要なケースについてまとめました。

目次

1.インプラントの交換が必要なケースとは?

インプラント治療をした後、インプラントを交換しなければならないケースとはどのような場合でしょうか。

1−1.インプラントの被せ物が破損したケース

インプラントは主に3つの部分で成り立っています。

まず1つ目は人工歯根となり、顎骨に埋め込むインプラント体。

2つ目が人工歯として見える部分にある被せ物、3つ目がインプラント体と被せ物をつなぐアバットメントという部品の部分です。

ワンピース型と言って、インプラント体とアバットメントが一体化しているインプラントもあります。

 

この中で、人工歯にあたる被せ物が破損してしまうことがあります。

比較的、被せ物はオールセラミックやオールジルコニア、メタルボンドなど、強度の強い素材を使って作られます。

しかし、強い衝撃があったり、歯ぎしりや食いしばりなどの癖があったりする場合には破損してしまうことがあります。

そのようなケースでは、被せ物の交換が必要となります。

1−2.インプラント周囲炎になったケース

インプラント周囲炎とは、インプラントの周りが歯周病のような腫れや出血などの症状を起こす疾患のことです。

インプラントは天然歯ではないので、虫歯になる事はありませんが、周りの歯茎やインプラントと歯茎の間に歯周病菌が入り込むと、インプラント周囲炎になり、腫れや出血などの症状が出ることがあります。

症状が進行すると、顎骨の吸収が始まり、骨が痩せて埋め込んだインプラント体がグラグラし始めることも。

また、歯茎が下がってインプラント体が露出するようになります。

最終的には、インプラント体が抜け落ちてしまうことがあります。

 

グラグラし、人工歯根としての役割を果たさなくなった場合には、交換するためにインプラントの再手術が必要となります。

2.交換しなかったらどうなる?

インプラントの被せ物や、インプラント体ごとの交換が必要なケースであっても、そのまま放置しているとどうなるのでしょうか。

2−1.噛み合わせに問題が生じる

まず被せ物が破損しているのを放置した場合、歯の噛み合わせに問題が生じることがあります。

きちんと噛み合わせしなくなると、他の天然歯や歯周組織に負担がかかり、痛めてしまう可能性があります。

また、顎にも負担がかかるので、結果的に全体の歯列が変わってしまうこともあります。

 

結果的に顎関節症になったり、しっかり噛めないことでの消化不良を起こしたりすることがあります。

2−2.インプラント周囲炎が進行する

被せ物が破損し、破損した部分に汚れが溜まったりすると、細菌感染を引き起こし、インプラント周囲炎になってしまうことがあります。

そのままにしておくと、インプラント周囲炎が進行し、インプラント体に影響が出てしまうようになります。

 

もうすでにインプラント周囲炎になっている場合には、悪化してしまいます。

 

2−3.歯がない状態に戻る

インプラント体が抜け落ちてしまった状態を放置していると、また歯のない状態に戻ります。

せっかく治療したのに、見た目も機能的にも不便な状態に戻ってしまいます。

3.インプラントの交換にかかる費用は?

インプラントを交換するのにかかる費用について見ていきましょう。

3−1.インプラントの被せ物を交換する場合

被せ物が破損し、交換が必要になった場合には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

実は被せ物の交換は、被せ物自体に色々な種類があるため、どの被せ物の素材を選択するかによって異なります。

一般的には1本当たり50,000円から150,000円程度です。

 

ただし、インプラントの治療を受けた歯科医院によっては、保証期間を設けているケースがあります。

被せ物の交換は保証期間内であれば無料で受けられるケースもあります。

3−2.インプラント体を交換する場合

インプラント体の交換が必要となるケースでは、ほとんどの場合に再手術が必要です。

インプラント周囲炎によって顎骨が少なくなると、まずはインプラント周囲炎の治療を行い、その後インプラント体が埋め込めるだけの顎骨の量を回復させる治療が必要となります。

そして十分に顎骨があると診断されれば、インプラント体をもう一度埋め込む手術となります。

 

費用は再手術なので、もう一度インプラント治療費が必要となります。

インプラント治療は自由診療のため、歯科医院によって大きく異なりますが、1本あたり35ー50万円が相場です。

4.インプラントの寿命を伸ばすには

インプラントの被せ物が破損したり、インプラント体が抜け落ちてしまったりして、交換が必要となるケースはありますが、できれば交換せずに長持ちさせたいですよね。

寿命を伸ばすコツなどはあるのでしょうか。

4−1.コツ①定期メンテナンスを受ける

まずはインプラントに何かしら問題がないよう、歯科医院にて定期的なメンテナンスを必ず受けましょう。

歯科医院でインプラントの状態や口腔内の状態を確認してもらうことで、小さなトラブルを発見でき、早期に対処することができるので、交換しなければいけないケースを避けられます。

必ず定期メンテナンスを受けるようにしましょう。

4−2.コツ②適切なセルフケアを行う

毎日のセルフケアも、インプラントの寿命を伸ばす、大事な要素になります。

インプラント周辺を丁寧にケアしていくことで、インプラント周囲炎になるリスクを減らせますし、被せ物の異常に気がつきやすいです。

4−3.コツ③バランスよく噛む

普段からインプラントや特定の歯だけに負担がかからないよう、バランスよく噛むことも心がけてみましょう。

負担を分担させれば、インプラントだけでなく、口腔内全体の健康につながります。

 

また、普段から固いものを食べないようにするなど、インプラントに負担をかけない生活を心がけることも大切なポイントです。

5.インプラントの交換が必要とならないよう適切なケアを

寿命が長いと言われるインプラント治療ですが、使い方によっては寿命より先に交換が必要になってくるケースもあります。

できる限り交換が必要にならないようにするには、毎日の適切なケアや定期的なメンテナンスが欠かせません。

交換内容によっては、インプラント治療の保証内容に入っている場合もあるので、保証内容を確認してみましょう。

 

また、交換が必要となった場合、他の歯科医院を検討するのも問題ありません。

インプラント治療を受けた歯科医院が引越しによって遠くなった、担当医師がその歯科医院にいなくなった、再手術を同じ医院で受けるのは心配など、色々な理由があると思います。

そんな時は他の信頼できそうな医院を受診し、交換の治療ができるか相談して見ましょう。

ただし、インプラント治療の保証は転院すると受けられないことがほとんどですので注意しましょう。

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