「インプラントとブリッジ」どちらがいいの?7つの違いをご紹介!

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

歯を失った際の治療法として、多くの人が「インプラント」にするか「ブリッジ」にするか迷います。その理由は、両者の違いがはっきり分からないからかもしれません。

 

忙しい現代人は審美面や治療期間だけで考えてしまいがちですが、何を選択するかで、その後の健康に大きな影響を及ぼすことにもなりかねません。

 

この記事では、インプラントとブリッジを多角的に比較することで、どちらが自分に合う治療法なのか分かりやすく説明しています。事前に2つの治療法の違いを確認しておくと、歯医者さんで説明を受ける際の判断材料になりますよ。

目次

1. インプラントとブリッジ「7つ」の違い

インプラントとブリッジは、どちらも失った歯を補う方法ですが、その特徴は大きく異なります。それぞれメリットだけでなく、デメリットを把握しておくことで、将来的なリスクを軽減することができます。

1-1.「方法」の違い

[インプラント]

インプラントは、歯のない土台部分に人工の根っこを入れる方法です。骨に馴染みやすいチタンやチタン合金などの人工の根を埋め込み、その上にセラミックなどの人工歯をつけます。1本から全ての歯に対応可能で、外科手術の1つです。

外科手術というと気後れする人もいると思いますが、大げさなものではないので心配することはありません。

[ブリッジ]

ブリッジは、人工歯を失った歯の両サイドにのようにかけて治療する方法です。1本から隣り合う2、3本まで対応可能です。ブリッジは両サイドの歯に被せるため、被せる部分の歯をある程度削ることが必要となります。よく「部分入れ歯」と混同されますが、部分入れ歯は自分で取り外しができますが、ブリッジは固定したままなので取り外しできません。

1-2.「審美面」の違い

[インプラント]
インプラントは本物の歯とほとんど変わらない見た目にすることができます。天然の歯に近い透明感のあるオーラルセラミックの人工歯にすると、さらに美しい仕上がりになります。

 

[ブリッジ]
ブリッジは、保険診療と自由診療の2種類があります。保険診療では、金属製や、プラスチック製の人工歯を使ったりします。比較的安価ですが、金属アレルギーや経年劣化で変色する可能性があります。一方自由診療では、セラミックなど素材を選択できます。価格は多少高くなりますが、審美的に優れ、金属アレルギーの人などに向く治療法です。

1-3.「機能面」の違い

[インプラント]
インプラントの噛む力は、自分の歯で噛む力とほぼ変わりません。違和感もないので、問題なく食事を楽しめます。

また、インプラントは十分な咀嚼力があるので、骨の吸収を抑えることがでるのも1つの特長です。

通常歯を失った部分は、骨が徐々に吸収されてなくなっていきます。ですが、インプラントを入れることで、噛んだときの衝撃が刺激となり、骨が痩せるのを防いでくれるのです。

 

[ブリッジ]
ブリッジの場合、噛む力は自分の歯と比べて6割程度です。失った歯の両側の歯が噛むときの要となるため、両側の歯の状態が悪ければ噛む力はさらに落ちる可能性もあります。噛み心地に関しては自分の歯と大差なく、違和感はありません。

1-4.「健康面」の違い

[インプラント]
インプラントは元の健康な歯と同じくらい咀嚼力を回復できるので、よく噛み砕くことができ、食べたものを問題なく消化できます。

 

[ブリッジ]
ブリッジは噛む力が元の状態の6割程度のため、よく咀嚼できずに消化しにくくなる可能性があります。消化しにくいということは、栄養も摂取しにくくなるということです。また、ブリッジは骨の吸収が進むため、顎が痩せていきます。骨がやせるとブリッジがガタついたり、隙間から菌が入って虫歯や歯周病になりやすくなったりします。

1-5.「耐久性」の違い

[インプラント]
インプラントの耐久年数は長く、定期的にメンテナンスをして歯周病予防を心がければ、10〜30年以上もつといわれています

 

[ブリッジ]
ブリッジの耐久年数は約7〜8年と言われています。つまり、7〜8年ごとに作り変えるということです。

また、両側の歯が歯周病になった場合には強度が足りず、支える歯として使えなくなる可能性が高くなります。

1-6.「治療期間」の違い

[インプラント]
インプラントの治療期間には個人差がありますが、およそ4〜6ヶ月程度です。インプラントには1次手術法と2次手術法があり、現在の主流である2次手術法の流れは以下のようになります。

 

1.検査・カウンセリング
2.前治療(虫歯や歯周病、歯垢がある場合)
3.1次手術(根の部分を埋め込む)
4.2〜6ヶ月程度定着させる
5.2次手術(しっかりと定着した根に人工歯をつける)

 

定着期間は「上顎」で3〜6ヶ月程度、「下顎」で2〜3ヶ月程度です。定着期間は、埋め込んだ器具と骨が結合する期間です。また、定着期間中は仮歯を入れるため、日常生活には支障がありません。

 

[ブリッジ]
本数や歯の状態にもよりますが、簡易的なケースでは1〜2週間で終了します。治療工程は至ってシンプルです。

 

1. 土台(歯茎)を整える
2. ブリッジの両隣の歯を補強する
3. 型を取る
4. ブリッジを装着する

1-7.「費用面」の違い

[インプラント]
インプラントは保険の効かない自由診療となるため、1本30〜50万円程度かかります。

 

[ブリッジ]
ブリッジの費用は保険適用内であれば、1万円以内で済む事が多いです。

ただし、審美目的でセラミック素材などにする場合は自費となりますが、その場合は1本10万円程度となります。

2.インプラントがおすすめなのはこんな人!

インプラントは以下のような人におすすめです。

 

・健康な歯を削らずに治療したい
・歯だけでなく身体全体の健康を考えたい
・歯の見た目を良くしたい
・自分の歯と同じように食べることを楽しみたい

 

インプラントは、顎の骨に埋め込みますが、埋め込む骨には十分な厚みが必要です。歯周病などで歯を失うと、顎の骨が徐々に吸収されていくため、インプラントの治療ができないと言われることがあります。

 

しかし、医療機関によっては顎の骨を再生する治療を行っているところがあります。歯周病が進んで治療を断られても、あきらめず別の医療機関に相談してみましょう。

3.ブリッジがおすすめなのはこんな人!

ブリッジは以下のような人におすすめです。

 

・保険適用で安く治療したい
・短い治療期間で行いたい
・外科手術をしたくない

4.長期的な歯の健康を考えるならインプラントがおすすめ!

インプラントとブリッジを7つの観点から比較しました。インプラントは1本ごとに独立して行う治療法(例外もあります)、ブリッジは両隣とセットで行う治療法です。

 

審美面は両者とも差はありませんが、ブリッジの保険適用内の場合だと素材にプラスチックを使うことが多く、将来変色する可能性が高いです。

 

ブリッジは短期間で行なえますが、両隣の歯への負担が大きく、噛む力も自分の歯の6割ほどとなります。

インプラントははじめにかかる費用は高めですが、その後のメンテナンスの容易さや、消化機能への影響、他の歯へのダメージはほとんどありません

 

これらトータル的なことを考えると、年齢を重ねても健康な歯と体でいるためには、インプラント治療がおすすめです。

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