
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

「インプラント治療は、術者の経験と技術が何より重要」
私もこの意見には同感です。
しかし、上記の考えは一昔前の考え方になってきました。
なぜなら、ガイドが誕生したからです。
ガイドが普及したことで、インプラント治療も大きく変わりました。
例えば、術者の経験や技術に左右されることなく、正確にインプラント治療ができる可能性が高くなったのです。
そんなインプラントの革命とも言えるガイドについて、わかりやすく解説していきます。
目次
- 1 ガイドとは「目印」のこと
- 1-1:ガイドの概念が無かった時代
- 2 ガイドは本当に必要?
- 3 ガイドを使う「メリット」
- 3-1:安全性
- 3-2:確実性
- 3-3:治療期間の短縮
- 4 ガイドは安心してインプラント治療をするための物
1 ガイドとは「目印」のこと

例えば、目指すべき所(目印)があると、進みたい方向に進みやすくなります。逆に、目印が無いと進みたくても、迷ってしまうのが人間です。
ガイドは、迷うことなくインプラントをする方向や位置を導いてくれる目印のことです。
マウスピース型の装置でお口にはめて利用します。このガイドには「穴」が開いていて、その部分にインプラントを埋め込むだけで、治療は終了します。
1-1:ガイドの概念がない時代

インプラント治療は、顎の骨の中にインプラントを埋めて、その上に被せ物を取り付けて歯の機能を回復させる方法です。
そのため、インプラント治療をするには、外科手術が必要になります。
一昔前のインプラント治療では、ほとんどガイドが使われていませんでした。
それこそ、術者の技術や経験の豊富さが求められていた時代です。
・どの大きさのインプラントを使うか
・どのくらいの骨の深さまでインプラントを入れるか
・インプラントを入れる位置
などを、術者の経験を元に予測しながら、インプラント治療をするケースが主流でした。
しかし、ガイドなしでインプラント手術をすると、骨に穴を空けるドリルがズレてしまって、神経や血管を傷つける可能性もあります。
神経や血管を傷つけてしまうと、顔面麻痺が残ったり、血が止まりにくくなったりする場合もあるのです。
ガイドは、インプラント治療を正確にするための装置です。
ガイドを歯にはめて使うことで、インプラントを骨に埋める位置や深さを事前にしっかりと決めているので、医療事故を起こす可能性が大幅に少なくなります。
また、ガイドがあることで、術者の不安定な治療を確かなものに助けてくれる物でもあります。
2 ガイドは本当に必要?

ガイドを利用する場合は、医院にもよりますが、別途費用がかかることが多いです。
ガイドがなくてもこれまで治療できたのだから、利用しなくてもいいのでは?と思う方もいらっしゃると思います。
もちろんケースによっては必要ないこともありますし、経験豊富なドクターであれば必要ないこともあります。
しかし、ガイドにはインプラントを的確に埋入するために必要な情報が詰まっている装置です。その通り埋入することで、様々なリスクが軽減することもあります。
そのため、ガイドの製作費は別途かかりますが、安心して長くインプラントを使い続けるためにも必要な道具の1つになります。
3 ガイドを使う「メリット」

ガイドを使ってインプラント治療をするメリットは次の通りです。
・安全性
・確実性
・治療期間の短縮
・治療に無駄が無くなる
・身体への負担が少なくなる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
3-1:安全性

骨の硬さは人それぞれで、硬い人もいれば、柔らかい骨の人もいます。
また、骨の入り口になる表面の部分は、硬くて、中に進むほど骨が柔らかくなる人もいます。
手術の時に骨が硬いからといって、強い力をずっとドリルにかけていると、途中で柔らかい骨に入った途端にドリルが深く進んでしまい、骨の奥にある神経や血管を傷つける可能性があります。
しかし、ガイドはドリルがズレないように設計されているので、神経などを傷つける事故を起こす危険性がほとんどありません。
3-2:確実性

インプラント手術で特に難しいのが、骨に穴を空ける時の角度です。
インプラントを入れる方向が少しでもズレると、被せ物の位置もズレてしまい、噛み合わせが悪くなることも考えられます。
また、インプラントを入れる部位によっては、術者からは手元が見えにくい部分もあって手術がしにくいこともあります。
ガイドは、ドリルの方向が決められて作製しているので、角度がズレる心配がありません。
手元が見にくい部位の手術でも、想定していた位置や角度で確実にインプラントを入れることができます。
3-3:治療期間の短縮

治療期間は、インプラントと骨がくっつく期間と手術の傷の治り具合で決まります。
インプラントと骨がしっかりとくっつく期間は、ほとんど変わりはありませんが、傷の治りには個人差が出やすいです。
ガイドを使ったインプラント手術だと、傷口が最小限の範囲で済みます。
傷口の範囲が広いと治るスピードにも時間がかかり、治療期間が延びてしまいます。
4 ガイドは安心してインプラント治療をするためのツール

ガイドを利用することは、術者の技術や経験だけに頼らずに、もっと確実にインプラント手術を成功させるためでもあります。
ガイドを作らなくてもインプラント治療をすることはできますが、ガイドがある方が術者だけでなく、患者さん側にも多くのメリットがあります。
歯科医院を選ぶ基準として、ガイドの利用を確認するのも1つかもしれません。









