
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎は、インプラントにおける、歯周病(歯槽膿漏)のような病気です。
歯の表面についたプラークや歯石が原因で起こる、細菌感染症の一種です。
インプラントは人工的に器具を埋め込むタイプの治療法のため、罹患すると天然歯に比べて病気の進行が早くなります。
初期状態(インプラント周囲粘膜炎の発生)から2週間ほどで、重症化してグラグラになってしまうこともあるんです。
また、一度感染してしまうと、完治が難しい病気とも言われています。
今回は、インプラント周囲炎を防ぐための方法や注意点についてご紹介します。
目次
- 1.歯周病が発生している状態でインプラント治療を受けない
- 2.正しいブラッシング(プラークコントロール)が大切!
- 3.歯科でのメンテナンスは必須。定期的に通院を
- 4.生活習慣病もインプラント周囲炎の原因になる
- 5.口臭が気になったら要注意!排膿の可能性があるかも
- 6.歯茎が長く見えたら、歯肉が退縮しているサイン。見逃さないで!
- 7.先延ばしにするのはNG!気づいた時点で即治療を
- 8.事故を防ぐために、実績がある病院で治療を受けることが重要
- 9.まとめ
1.歯周病が発生している状態でインプラント治療を受けない

まず大前提に、他の歯に歯周病やインプラント周囲炎が起きている場合は、新たにインプラント治療を始めてはいけません。
せっかくインプラント治療をしても細菌感染をして、新しくインプラント治療をした歯までインプラント周囲炎になる可能性が高いからです。
2.正しいブラッシング(プラークコントロール)が大切!

インプラントは人工の歯なので虫歯にはなりませんが、プラーク中の歯周病菌が原因で周囲炎を引き起こします。
正しいブラッシング(プラークコントロール)で予防しましょう。
歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやフロスなどを使って、清潔な状態を保つようにすることが大切です。
歯磨きの仕上げに、マウスウォッシュやデンタルリンスを使用するのも効果的ですよ。
ただし、歯磨き粉に含まれるフッ素は、インプラントの素材であるチタンを腐食する恐れがあるため、フッ素無配合のものを使用するのが望ましいです。
また、プラークの形成は食事の回数に比例するので、きちんと時間を決めて飲食するようにしましょう。だらだら食べるのは厳禁です。
3.歯科でのメンテナンスは必須。定期的に通院を

インプラント周囲炎は、軽度の場合あまり痛みがなく、腫れや出血も少ないので気づきにくいことが多いです。
少なくとも3カ月に1度は、歯科での定期メンテナンス受けるようにしましょう。
定期メンテナンスでは、レントゲン、唾液検査(細菌の繁殖状況のチェック)、インプラント歯周ポケットの計測、PMTC(機械を使ってのプラークや歯石の除去するクリーニング)、噛み合わせチェックなどを行います。
見た目が正常でも、レントゲンを撮ると顎の骨が溶けてなくなっていることもあるので、注意が必要です。
また、普段丁寧に歯磨きをしているつもりでも、磨き癖があり汚れが溜まってしまうことがあります。
正しい歯磨き指導を受けて、普段のブラッシングに役立てましょう。
インプラント治療後に定期メンテナンスをしていない場合、インプラント体の保証(※一般的には10年保証が付きます)が適応されなくなる場合があります。
違和感等がなくても、定期的に受診することをおすすめします。
4.生活習慣病もインプラント周囲炎の原因になる

生活習慣病の1つと言われる糖尿病は、免疫力が低下するため、インプラント周囲炎を引き起こしやすいと言われています。
食生活や運動で、普段の生活から対策していきましょう。
貧血気味の方も術後感染のリスクが高くなりますので、しっかりと鉄分を摂取することが大切です。
歯ぎしりや食いしばりなどの悪習壁も、インプラントに負荷を与えてしまう場合がありますので、直すように心がけましょう。
また、タバコの煙に含まれる成分は免疫機能を低下させてしまうため、喫煙者はインプラント周囲炎になりやすく、治りにくい傾向があります。
喫煙により、毛細血管が収縮しやすく血流が悪くなるため、歯茎の健康にも影響を及ぼしてしまいますよ。
インプラント治療を受けたら喫煙しない、禁煙外来を受診するのも1つの手段です。
5.口臭が気になったら要注意!排膿の可能性があるかも

インプラント治療を行った後で、口臭が気になる場合、細菌感染から炎症が進んで化膿している場合があります。
独特な膿のニオイがしたら、すぐに歯科受診をしましょう。
放っておくと、インプラント周囲炎が進んでしまいます。
6.歯茎が長く見えたら、歯肉が退縮しているサイン。見逃さないで!

インプラント周囲炎で歯肉や歯槽骨が破壊されると、歯茎が下がり、埋めた人工骨が長く見えるようになります。
そのまま破壊が進むと、埋入したインプラントがぐらつきを起こす可能性が高いので、早めに治療を受けましょう。
7.先延ばしにするのはNG!気づいた時点で即治療を

インプラント周囲炎の治療は、口を大きく開けることが必要になります。
高齢の方や、認知症が進んでしまうと治療自体が困難になることもあるようです。
忙しいからと言って先延ばしはせず、定期検診や今できる治療はすぐに受けておきましょう。
8.事故を防ぐために、実績がある病院で治療を受けることが重要

インプラント周囲炎を防ぐ最大のポイントは、病院選びです。
インプラント治療に実績があり、レントゲン設備などが整った歯科で治療を受けましょう。
感染対策が万全で、個別の手術室があるところが望ましいです。
条件が整った病院だと、一部治療に保険が効く場合もあります。(※歯の欠損理由によります。)
また、歯科医師によっては、歯周病専門医や、インプラント専門医の資格を持っているドクターもいます。
親身になって相談に乗ってくれる歯科医師から、納得のいく説明を受けると、安心して治療ができますね。
9.まとめ

インプラントは適切なメンテナンスをすれば、10年90%の生存率と言われています。
普段からきちんと対策をすれば、長く持たせることができますよ。
また、インプラント周囲炎は、自然に治ることはありません。
もしかかってしまったら、早期に適切な治療を受けることが大切です。
健康な歯にも影響する恐れがありますので、口腔全体の健康を考えて、しっかりとメンテナンスを行いましょう。









