- この記事の監修者
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医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/
「事故で歯が欠けてしまったので、クリニックから差し歯をすすめられた」「付き合っている人に差し歯であることを知られるのはちょっと恥ずかしい」
こんなお悩みはありませんか?
差し歯はお手軽で費用も比較的安価なのが魅力ですが、「差し歯」であることにコンプレックスを抱いている方も少なくはありません。
そこで今回の記事では、差し歯の特徴やメリットを客観的に解説しつつ、差し歯に抵抗がある人のために代替案として「インプラント」をおすすめしていきたいと思います!
目次
- (1)差し歯の特徴について解説
- (1-1)保険適用で差し歯をつくるメリット・デメリット
- (1-2)自由診療で差し歯をつくるメリット・デメリット
- (2)インプラントの特徴について解説
- (2-1)インプラントのデメリットはあるの?
- (3)まとめ
(1)差し歯の特徴について解説
差し歯は、歯が欠けてしまった部分に被せ物をする処置のこと。
つまり、歯の根っこ(歯根)がまだ残っている状態のときに有効な方法なのです。
差し歯は健康保険が適用できるため、インプラントに比べて非常に費用が安いといえるでしょう。
特徴 | ・保険適用可能
・自由診療により高品質な材質を選択できる ・治療期間が短い |
費用の目安 | 数千円~数十万円
(材質による) |
治療期間の目安 | 1~2カ月程度 |
(1-1)保険適用で差し歯をつくるメリット・デメリット
差し歯は、保険適用内と自費診療とで、選べる材質が異なります。
保険適用範囲で用いる材質は、主に「レジン」と呼ばれるものです。
これはプラスチックの一種で、お手頃価格で装着することができますが、長期間の使用にはあまり向いていません。
変形したり変色したりすることが多々あります。
保険適用内で差し歯をつくるメリット・デメリット | |
メリット | ・プラスチックには柔軟性があるため、ものを噛んだときに割れにくい
・保険適用なのでかなり費用を抑えることができる |
デメリット | ・奥歯には適用できない
・長年使用していると変色や変形が起こる |
(1-2)自由診療で差し歯をつくるメリット・デメリット
一方、自由診療で用いる材質のなかでもとくに有名なのが「セラミック」です。
プラスチックに比べるとかなり硬く、歯ブラシでこすってもほとんど傷つくことはありません。
自由診療で差し歯をつくるメリット・デメリット | |
メリット | ・変色や変形が起こることがない
・歯ブラシで傷つかない |
デメリット | ・レジンに比べて柔軟性がないため、何らかの衝撃で割れることがある |
(2)インプラントの特徴について解説
差し歯の変形や割れを気にしながらものを食べるのは、なんだか心もとないですよね。
前歯や犬歯は、ものを食べる際によく使う部位ですし、非常にあごの圧力がかかりやすい場所。
そのため差し歯のトラブルはやはり避けるのが難しいのが現状です。
しかしインプラントなら、そのような心配はありません。
インプラントは人工の歯根を埋め込み、そこに丈夫な義歯をはめこむ方法。
自然な力を加えることなく、ものを噛むことができます。
もしもあなたが、「残った歯根の部分を抜いてもいい」「歯根ごと歯を失ってしまった」というのであれば、自然な噛み心地を実現できるインプラントがおすすめです。
特徴 | ・審美性(見た目)にすぐれている
・固定制が抜群 ・長期的に安定する |
費用の目安 | 20万円~40万円 |
治療期間の目安 | 半年~1年程度 |
(2-1)インプラントのデメリットはあるの?
・保険適用できないため高額になりがち
差し歯とは異なり、基本的にインプラントは自由診療扱いとなります。
お手頃価格とはいえませんが、歯列の美しさや噛み心地のよさを考えると、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。
・持病のある人は手術のリスクがある
インプラントは外科手術を伴います。
重度の歯周病や糖尿病のある方は、手術に際して身体に負荷がかかるため、場合によってはインプラントができないこともあり得ます。
インプラント手術と疾患の関係 | |
糖尿病 | ・骨とインプラントの接合がうまくいかない(抜けやすくなる)
・傷が治りにくい ・出血が止まらない ・歯周病になりやすい |
骨粗しょう症 | ・インプラントを埋め込むことができない |
金属アレルギー | ・アレルギー反応を起こしてしまう |
・治療期間が長い
インプラントを受ける際には、治療にかかる期間が長くなることをあらかじめ覚悟しておきましょう。
インプラントを埋め込めばそれで終わりというわけではなく、インプラントと骨が接合するまでが重要な工程です。
骨との結合は、数ヶ月から半年ほどかかるといわれています。
骨の量が少なく、うまく接合できない可能性があると判断された場合は、増骨する処置をとるため、さらに期間が長引きます。
・定期的なメインテナンスが必須
インプラントで装着した義歯は、もちろん人工物なので虫歯にはなりません。
ただし、インプラント部分の隙間に汚れが蓄積すると、「インプラント歯周炎」と呼ばれるトラブルが起きてしまう可能性があります。
そうならないためにも、日頃の口内ケアは必須ですが、セルフケアだけで必ず歯周炎を予防できるとも限りません。
インプラントを行ったからには、歯科医院で定期的にメンテナンスをする必要があります。
(3)まとめ
差し歯とインプラントには、費用や使い勝手の面で、それぞれにメリット・デメリットがあります。
各特徴をふまえつつ、自分が求める歯の状態に近い方法を選択するとよいでしょう。
以下に差し歯とインプラントの特徴をまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
差し歯 | インプラント | |
メリット | ・保険適用可能(お手頃価格)
・自由診療により高品質な材質を選択できる ・治療期間が短い ・外科手術が必要ない |
・審美性(見た目)にすぐれている
・固定制が抜群 ・長期的に安定する ・自然な噛み心地を実現できる ・自分の歯のような自然さがある |
デメリット | ・奥歯を差し歯にすることはできない(前歯や犬歯のみ)
・保険適用内だと耐久性が劣る ・ものを噛むことで破損することがある |
・高額になりがち
・外科手術を伴う ・持病持ちの人にはリスクがある(インプラントができない場合もある) ・骨が薄い人は増骨するなど手間とコストがかかる |
費用の目安 | 数千円~数十万円
(材質による) |
20万円~40万円 |
治療期間の目安 | 1~2カ月程度 | 半年~1年程度 |
おすすめできる人 | ・スピーディーに治療を終わらせたい
・歯の根っこ(歯根)が残っている ・費用を抑えたい |
・自然な噛み心地を実現したい
・複数の欠損がある ・歯並びをキレイにしたい |