20代・30代で歯を失った方へ

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

日頃の生活習慣や不慮の事故から、若くして歯を失ってしまう人もいるでしょう。

 

しかし、歯科治療を受けることで、機能面や外見が普通の歯と同じようにすることができるのです。

 

今回は、若くして歯を失ってしまった方が、最良の治療法を見つけられるような内容をお届けします。

目次

1 治療法はいくつかある

歯を失ってしまった場合には、次のような治療法があります。

 

今回は、『入れ歯』『インプラント』について紹介します。

 

1-1 入れ歯

入れ歯は、歯肉の上に歯の形をした人工物を取り付ける治療法です。

 

差し歯とは違い、歯根がない状態であっても健康な歯がある見た目を再現することが可能です。

 

上下の全ての歯がない場合は総入れ歯、1本~数本の歯がない場合は部分入れ歯を、それぞれオーダーメイドで作ってもらうことになります。

 

部分入れ歯の場合、補う歯の本数によって金額が上下しますが、約1万円で保険適用の入れ歯を作ることができます。

 

耐久性・審美性を上げる素材を使用するとなると、保険適用外になります。

 

入れ歯のメリットは、治療完了までの時間が非常に短くて済むという点です。

今すぐに見た目を修復したいという方には、おすすめと言えるでしょう。

 

しかしその分、入れ歯は壊れやすかったり、口の中に異物感を覚えたりするデメリットもあります。

1-2 インプラント

インプラントは、歯肉に人工の根っこを埋め込み、その上から人工歯を取り付けることで、歯を再現できる治療法です。

 

インプラントは保険適用外で、1本あたりの費用が30万円程度はかかります。

 

格安でインプラント治療を行ってくれる歯科医院もありますが、信頼性や素材の質などが悪い可能性が高いので、価格のみを重視して治療院を決めることはおすすめできません。

 

また、インプラントのメリットは、他の治療法に比べてしっかりと噛みやすいという点です。

 

歯肉にボルトのようなインプラントを埋めるため、縦方向の圧力に非常に強くなっています。

 

さらに、保険の入れ歯はプラスチックで作られているので、味覚に影響がでやすいですが、インプラントの場合には、味覚は変わらず食事が可能です。

 

ただインプラントは、保険適応な治療法に比べて、費用が上がってしまうというデメリットもあります。

2 歯科医師には守秘義務がある

「歯がないことを誰にも知られたくない」と思っている方もいるでしょう。

安心してください。

 

歯科医師には守秘義務があり、よほど特別な事情がない限り、患者の情報を外部に口外することはありません。

2-1 刑法で定められた守秘義務

刑法134条では、医師(歯科医を含む)が正当な理由なしに、業務上で取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏洩した時には、6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する、と規定されています。

 

この場合の『業務上で取り扱ったことについて知り得た人の秘密』とは、歯科医の場合「○○さんが虫歯だった」「××さんは入れ歯にしている」というような内容を指します。

 

歯科医が悪意を持って患者の歯の状況について話したかにかかわらず、これらはすべて、刑法違反になり、罰されます。

2-2 絶対に秘密は守られる

守秘義務については刑法で規定されていますが、内容によっては民事訴訟に発展する可能性もあり、歯科医は危険を冒してまで、守秘義務違反を起こすとはまず考えられません。

 

そのため、どのような治療院に行っても、治療内容を突然バラされたりする可能性はないでしょう。

 

もし心配であれば、街中の少し大きめのクリニックに通うことをおすすめします。

 

規模が大きく、また競合相手の多い都市部の歯科医院であれば、そうした守秘義務に対する意識もより高く保たれているでしょう。

3 周囲にもバレにくくする方法は

歯科医から情報が洩れなくても、外見の違和感から人工歯に気付かれてしまうケースもあります。

 

これらを防ぐためは、次のことに注意しましょう。

3-1 人工歯の色を自然な色に近付ける

前歯や犬歯など、正面から見て目立ちやすい場所の人工歯が、飛び抜けて明るい色になっているケースがあります。

 

こうした事態を避けるためには、他の歯の色に近い色を選ぶことが理想です。

 

また、長期間使った人工歯は、着色汚れが目立ちやすく、周囲の歯から浮いて見えてしまうこともあります。

 

人工歯の着色汚れは、検診の時に除去することが可能です。

 

定期的な検診は、人工歯の色をキレイにするだけではなく、噛み合わせや虫歯のチェックをして、人工歯の状態を管理していきます。

4 歯は取り戻せる!

現代の歯科技術であれば、本物の歯と遜色ない見た目・噛み心地・耐久力の人工歯を手に入れることができます。

 

まずは、自分の歯の状態から、どのような治療がベストなのかを担当医に相談してみましょう。

 

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