- この記事の監修者
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医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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インプラント治療は顎の骨に人工物を埋め込む外科手術ですので、抵抗感や恐怖心を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんなみなさんのために、インプラントが怖くなくなる方法をいくつかご紹介します。
この記事を読めば、きっとインプラントに対する考え方や見方が変わるはずです!
目次
- (1)治療中の恐怖心を抑える「静脈内鎮静法」
- (2)リスクを軽減することで恐怖心を和らげる
- (2-1)「インプラントガイド」を使う
- (2-2)CT(画像診断装置)やシミュレーションソフトを使う
- (2-3)世界的に有名なメーカーを使う
- (3)信頼できる歯科医院を選ぶ
- (3-1)メリットとデメリットを説明してくれる
- (3-2)セカンドオピニオンを推奨している
- (4)まとめ
(1)治療中の恐怖心を抑える「静脈内鎮静法」
インプラント治療中は局部麻酔をしているため、痛みはほとんど感じませんが「手術されていることを意識すると怖い」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方には「静脈内鎮静法」がおすすめです。
これは鎮静剤を点滴で投与することで、精神的に非常にリラックスした状態になる方法で、治療に対する恐怖を和らげる特徴があります。
(2)リスクを軽減することで恐怖心を和らげる
インプラント治療に対する怖さは「失敗したらどうしよう」というネガティブな予測から生じることもあります。
そうした方のために、以下ではインプラント治療におけるリスクを軽減する方法をご紹介しましょう。
(2-1)「インプラントガイド」を使う
どれだけ事前に緻密な治療プランを立てても「必ず治療に成功する」と断言することはできません。
それは顎の骨の質が、患者一人ひとり異なるためです。
しかも従来型の治療では、歯科医師がフリーハンドでインプラントを埋入することになりますので、治療プランを100%再現することは難しいといえます。
理想のインプラント手術に近づけるためには「インプラントガイド」(サージカルガイド)を使用している歯科医院がお勧めです。
インプラントガイドは、インプラントを理想の角度や深さに限りなく近づける補助装置のことです。
これを使えば、インプラント手術の精度を飛躍的に向上させることが可能となります。
(2-2)CT(画像診断装置)をシミュレーションソフト使う
インプラント治療では「術後の出血が止まらない」「痺れが消えない」と症状が出るケースがあります。
CTは顎の骨に複雑に通っている神経や血管の細部を、正確に把握することのできる機器です。
また、シミュレーションソフトは、手術の流れを把握することができるコンピューターです。
これらの機器やソフトを使用すれば、インプラントを最適で安全に埋めることができ、出血や痺れなどのリスクを回避できるはずです。
(2-3)世界的に有名なメーカーを使う
インプラントの耐用年数やトラブルの少なさは、使用しているインプラントのメーカーがカギを握っています。
世界的に有名なメーカーであれば、臨床実績や術後の実績(耐用年数)は折り紙付きです。
安さよりも品質を重視している優良な歯科医院なら、多少コストが高くついても、確かな信頼性のあるメーカーを選んでいます。
(3)信頼できる歯科医院を選ぶ
インプラント治療の成功率を大きく左右するのは、歯科医院および歯科医師の質です。
以下では信頼のできる歯科医院選びのポイントを、いくつかご紹介します。
(3-1)メリットとデメリットを説明してくれる
インプラント治療のメリットばかりを強調して、デメリットについてほとんど説明してくれないのは要注意です。
その歯科医院は、利益優先でインプラント治療を行っている可能性があるからです。
良心的な歯科医院は、患者自身が納得して治療に臨めるようメリットだけではなく、デメリットの部分を詳細に解説してくれます。
(3-2)セカンドオピニオンを推奨している
セカンドオピニオンでは、他の医師の意見を聞くことで、提示された見積りや治療内容が妥当であるかを確かめることができます。
良い歯科医院であれば、患者が不安そうな時はセカンドオピニオンを推奨することがあります。
インプラントを相談しただけにもかかわらず、強引に治療の話を進めようとする医師には注意しましょう。
(4)まとめ
■インプラントに対する恐怖を和らげる方法 | |
方法
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要点
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静脈内鎮静法
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鎮静剤を点滴してリラックス状態にする
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インプラントガイド
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インプラント埋入行程を限りなく理想に近づけるための補助装置
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CT(画像診断装置)やシミュレーションソフト
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神経や血管を傷つけることなくインプラントを埋入できる
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世界的に有名なメーカーを使う
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インプラントを埋めた後もトラブルなく長期的に使用できる信頼と実績がある
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信頼できる歯科医院を選ぶ
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・メリットとデメリットを公平に説明するか
・セカンドオピニオンを推奨しているか
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今回ご紹介した「インプラントが怖くなくなる」対処法の大部分はテクニカルなものではありましたが、なんといっても「歯科医師との信頼関係」は外せません。
本来インプラント治療は、患者と歯科医師が二人三脚で行うものです。
歯科医師には、インプラント埋入後の患者の人生に対しても責任を負う義務があります。
だからこそ、この記事を読んでいる皆さんには「この先生になら任せてもいい」と思える歯科医院を見つけてほしいと思います。
皆さんの抱えている不安や悩みに親身に寄り添い「患者と共に治療を行っていく」という考え方を持っている歯科医師の存在が、治療への恐怖を和らげるのに最も有効だといっても過言ではないでしょう。