根管治療を成功させる歯医者の「4つの特徴」

松川 眞敏
松川 眞敏
この記事の監修者
医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

・いつまで経っても根管治療が終わらない

・治療をしたのに痛みや腫れがひかない

 

といったことで悩んでいませんか?

 

根管治療は、歯科の中でも難しい治療です。

そのため、治療に差が出ることがあり、歯医者選びは非常に重要になります。

 

そこで今回は、根管治療を成功させる歯医者の4つの特徴について解説していきます。

 

・根管治療を終わらせたい

・歯医者選びを失敗したくない

 

という方は、この記事を参考にしてください。

目次

1根管治療の成功とは?

そもそも根管治療は、根管内(歯の中)に入り込んだ細菌を取り除いてキレイにする方法です。

虫歯や歯周病が原因で根管内にまで細菌が広がってしまい、細菌感染をした部分や神経を取る処置をしていきます。

 

根管内は、木の根のように何本にも枝分かれしていたり、根が真っ直ぐではなく、大きく曲がっていたりと複雑な形になっています。

 

そのため、根管内の細菌をキレイに取り除くのは、難易度が高いです。

根管内に細菌を多く取り残している場合には、治療後に細菌が増殖して痛みや腫れといった症状が出ることがあります。

 

根管内を無菌化(細菌がほとんどいない)に近い状態にすることで、細菌の活動を抑えることができます。

 

つまり、根管治療の成功とは、長く使えて再治療になるリスクが低い状態のことといえます。

1−1:日本の根管治療の成功率は低い

次のグラフは、日本の根管治療の成功率について、東京医科歯科大学が調査したものです。

引用:東京医科歯科大学むし歯外来2005年9月〜2006年12月

 

このグラフでは、保険の根管治療を終えた後の歯がどのくらいの割合で、再治療になるのかを表しています。

根管治療をする部位によって多少の差はありますが、根管治療の成功率は、約30%〜50%になります。

 

根管治療が失敗する確率は、約50%〜70%にもなるということです。

つまり、日本では約半分以上の人が、根管治療に失敗していることになります。

2根管治療が失敗するとどうなる?

根管治療が失敗すると、次のようなことが起きる可能性があります。

 

・痛みや違和感が出る

・再治療が必要

・抜歯

 

それぞれについて、解説していきます。

2−1:痛みや違和感が出る

根管治療に失敗した歯は、根管内で細菌が増殖するため痛みの再発が起こります。

また、取り残した神経で炎症が起きることもあります。

2−2:再治療が必要

一度、根管治療をした歯に痛みや腫れが出てきたときは、再治療が必要です。

ほとんどの場合は、被せ物や土台を外して、根管治療をやり直していきます。

 

ただ一度、根管治療をしている歯は、歯が薄くなっていて根が弱くなっています。

 

再根管治療では、さらに歯の内側を削るので、噛んだ力で歯が割れたりヒビが入ったりするリスクが高くなります。

 

また、一度根管治療をしている歯は、根管とは別のところを処置していたり、器具で根管を傷つけられて穴が空いていたりすることがあります。

 

再治療をするときには本来の根管の形が壊されて、より複雑な形になっていることが多く、治療の成功率が下がってしまいます。

2−3:抜歯

何度も根管治療を繰り返した歯は、弱くなり噛む力に耐えることができません。

その結果、抜歯と判断されることも少なくありません。

 

また、細菌が歯を支えている骨まで溶かして、歯のグラつきが大きく噛めないといった状態になることがあります。

 

このときに根管治療をしても、痛みやグラつきが改善しなかった場合には、抜歯になることがあります。

3根管治療を成功させる歯医者の「4つの特徴」

根管治療には、保険と自費の2つの治療法があります。

この2つでは、治療に使う器具や薬剤などが違い、成功率にも大きな差が出ます。

 

そのため、根管治療を成功させるには、自費の根管治療(精密根管治療ともいう)をしているのが大前提です。

 

とはいえ、「精密根管治療をしている歯医者だったらどこでも大丈夫」ではありません。

自費の根管治療を成功させる歯医者には、次の4つの特徴があります。

 

・精密な診査・診断をする

・設備や環境が整っている

・神経を残す努力をしてくれる

・歯内療法専門家である

 

これらについて、詳しく解説していきます。

3−1:精密な診査・診断をする

根管は、人によって本数や長さなどが違うので、正確な診査・診断が治療の成功に繋がります。

 

一般的なレントゲンでは、歯の状態を平面的にしか撮影できません。

根の位置や角度によっては、歯に隠れてしまい根の数を誤ってしまうケースもあります。

 

未処置の根管内には細菌が多く残っていて、痛みや腫れが再発する可能性が高くなります。

 

そのため、精密根管治療では、レントゲンの他にCT検査をするケースがほとんどです。

CTとは、3次元で撮影して見たい部分を、立体的に確認できる機器のことです。

 

さまざまな角度から歯の状態を確認できるため、根の本数や病巣などを見逃す心配がほとんどありません。

 

また、根管内の複雑な形を把握でき、治療の正確性が高くなります。

3−2:設備や環境が整っている

精密根管治療では、次の3つの器具や道具が欠かせないと言われています。

 

・歯科用マイクロスコープ

・ラバーダム

・NiTi

 

・歯科用マイクロスコープ

従来の根管治療では、歯科医師の目や感覚を頼りに根管内がキレイになっているかを判断していました。

この方法は手探りでの治療になり、再治療になる割合が高くなります。

 

しかし、近年では歯科用のマイクロスコープを使用する歯医者が増えています。

マイクロスコープとは、視野を約3倍〜20倍まで拡大できる顕微鏡のことです。

 

本来なら見ることができない根管内をハッキリと確認できる状態で、感染している部分を確実に除去していきます。

 

感覚だけの治療と比べて、マイクロスコープは精度の高い根管治療が可能です。

 

また、マイコロスコープでは根の細部まで確認でき、小さなヒビや穴などを見つけてすぐに対処できます。

 

その結果、再治療になるリスクを減らすことにも繋がります。

 

・ラバーダム

ラバーダムとは、薄いゴムシートを口の上に覆って、治療する歯だけを露出させる道具のことです。

唾液には多くの細菌が存在するため、少しでも根管内に入ってしまうと細菌に汚染されます。

唾液が入ってくる状態で治療をしても、根管内は無菌状態にはならず根管治療が失敗に終わる可能性が高いです。

 

ラバーダムを使うことで、唾液が根管内に入るのを防いで、徹底的に細菌を除去できます。

 

つまり、根管治療の成功率を上げることに繋がります。

また、根管内を無菌化に近い状態にするには、消毒も重要です。

 

ラバーダムなしの状態で強い消毒薬を使用すると、粘膜や歯茎などに触れて火傷することがあります。

 

ラバーダムを付けているときは、他の部分は触れず根管内だけに強い消毒薬を使用できます。

 

粘膜や歯茎などの保護だけでなく、根管内をしっかりと消毒でき、治療の効率もアップします。

 

・NiTi(ニッケルチタン)

根管内をキレイにするときには、針のような尖ったファイルという器具を使います。
保険の根管治療では、ステンレスの素材でできているファイルを使うのが一般的です。

ステンレスのファイルは、硬くて折れにくいのが特徴です。

根管内の汚染された部分をしっかりと除去してくれますが、硬すぎて歯を削りすぎてしまうことがあります。

 

また、ステンレス製のファイルは、本来の根管の道ではない違う部分を削ってしまったり、根管の形を壊したりと治療を難しくする原因になります。

 

一方、精密根管治療では、NiTi(ニッケルチタン)を使用する歯医者がほとんどです。

ニッケルチタン製は、柔らかくしなるのが特徴です。

 

根管に沿って曲がるので、複雑な形をしていても根の先までしっかりと細菌を除去できます。

 

他にも、根管内を削りすぎるのを軽減でき、歯の寿命を伸ばすことにも繋がります。

3−3:神経を残す努力をしてくれる

神経を取るのはいつでもできますが、戻すことはできません。

神経を取った歯は、栄養が歯に届かなくなり、寿命が短くなるとも言われています。

 

最近では、歯科医療も進化していて、MTAという薬剤を使用することで神経を残せることがあります。

 

神経は、歯の寿命を伸ばす大切な組織のひとつです。

 

すぐに神経を取るのをすすめる歯医者ではなく、できるだけ大切な神経を残す努力や提案をしてくれる歯医者は信頼できるでしょう。

3−4:歯内療法専門医である

インプラントや矯正に専門があるように、根管治療を専門としている歯科医師のことを「歯内療法専門医」といいます。

 

歯内療法専門医は、根管治療のプロです。

多くの症例に関わり、実績のある歯科医師しか専門医として名乗ることはできません。

 

特に根管治療は、難易度の高い治療で専門性が必要です。

 

また、歯科医師の知識や技術によって、根管治療の成功率や治療の精度が大きく変わってきます。

 

正確性や安全性の高い治療を受けるには、歯内療法専門医が在籍している歯医者を選ぶのがおすすめです。

4根管治療の成功には歯医者選びが重要

根管治療の成功には、次のような歯医者を選ぶのがおすすめです。

 

・精密な診査・診断をする

・設備や環境が整っている

・神経を残す努力をしてくれる

・歯内療法専門家である

 

根管治療が長引くと、痛みや腫れといった症状が続き、生活に支障が出ることがあります。

 

また、再根管治療では、さらに治療の成功率を下げてしまい最悪の場合、抜歯になる可能性もあります。

 

大切な歯を長く使い続けるためにも、根管治療をする場合には今回紹介した条件を満たしている歯医者を選ぶようにしましょう。

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