
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
https://e-implant-tokyo.com/smile-implant/

インプラントは、失った歯を補うことで見た目や噛む機能を回復する治療です。治療後、さらに美しい口元に整えるために、ホワイトニングを希望する患者も少なくありません。
しかし「インプラントにホワイトニングをしても大丈夫?」「効果はあるの?」など、不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、インプラントした後にホワイトニングは可能か、ホワイトニングを受けるうえでの注意点、効果を長持ちさせる方法などを解説します。
目次
- 1.インプラント後でもホワイトニングは受けられる!
- 2.インプラントと天然歯の色の違いを防ぐ方法
- 2-1.インプラント前にホワイトニングする
- 2-2.ホワイトニング後の天然歯の色を予想して人工歯をつくる
- 2-3.ホワイトニングをしてから人工歯をつくり直す
- 3.ホワイトニングには持続期間がある
- 3-1.オフィスホワイトニング
- 3-2.ホームホワイトニング
- 4.インプラントの人工歯は黄ばむの?
- 5.ホワイトニング後の歯をきれいに保つ方法
- 5-1.歯科クリニックで定期的にクリーニングする
- 5-2.着色しやすい食品に気をつける
- 5-3.毎日しっかり歯磨きする
- 5-4.禁煙する
- 6.インプラントとホワイトニング両方とも検討している場合は、歯科医師に相談しよう!
1.インプラント後でもホワイトニングは受けられる!

インプラントをした後でも、ホワイトニングを受けること自体はできます。
しかし、ホワイトニングで使用する薬剤は、天然歯の着色汚れを落とすためにつくられています。陶器の一種である「セラミック」など、人工の素材でできたインプラントの人工歯の色を改善することはできません。
インプラント後にホワイトニングをすると、天然歯のみが漂白されます。そのため、ホワイトニング前の天然歯と色を合わせた人工歯は、ホワイトニング後の天然歯と色の違いが出て、不自然な見た目になってしまいます。
2.インプラントと天然歯の色の違いを防ぐ方法

インプラントと天然歯の色の違いを防ぐ主な方法は、下記の3つです。
2-1.インプラント前にホワイトニングする

インプラント治療前にホワイトニングを受け、天然歯を白くして、その色に合わせてインプラントに使う人工歯をつくる方法です。
ホワイトニング後の歯と人工歯の色の違いが生じないため、自然な見た目になります。
インプラントとホワイトニングどちらも受ける予定で、インプラントに緊急性がない場合は、インプラント前にホワイトニングするとスムーズです。
2-2.ホワイトニング後の天然歯の色を予想して人工歯をつくる

複数の歯を失って食事に支障が出ているなど、インプラントをすぐに入れる必要がある場合は、ホワイトニング後の天然歯の色を予想して人工歯をつくります。
しかし、ホワイトニングの結果どのくらい歯が白くなるのかは歯科医師でも予想が難しいものです。インプラント前にホワイトニングするよりも仕上がりが劣る可能性があります。
色の差が出るのをなるべく防ぐため、ホワイトニング経験の豊富な歯科医師の治療を受けましょう。
2-3.ホワイトニングをしてから人工歯をつくり直す

インプラント後にホワイトニングした結果、人工歯と天然歯の色の違いが出てしまった場合は、人工歯をつくり直して、色の差を解消します。
ただし、人工歯のつくり直しは基本的に費用がかかります。保険適用外なので治療を受ける歯科クリニックによって費用は異なります。
決して安くない費用がかかるので、できるだけインプラントを先にしましょう。
インプラントとホワイトニングどちらも行う場合、自然な仕上がりになるかどうかは治療の順番が重要です。診察時に必ずどちらも受けたい旨を伝えてください。
3.ホワイトニングには持続期間がある

ホワイトニングで歯が白くなっても、時間の経過とともに効果は薄れていきます。違和感のない色の人工歯をつくったとしても、何もしないと天然歯に着色汚れがつき、色の差が目立つ場合があります。そのため見た目を保つには、定期的にホワイトニングを受けなければいけません。
「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」、どちらで施術したかによって効果の持続期間が異なるので、メンテナンスの頻度も考慮に入れて治療法を選択しましょう。
ここでは、それぞれのホワイトニング方法の概要や持続期間、特徴を紹介します。
3-1.オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは、歯科クリニックで行う施術で、色素を分解する作用のある過酸化水素水を含むホワイトニング剤を歯に塗り、光を照射して薬剤の働きを高めます。効果の持続期間は約3~6ヶ月です。
1回の施術でも、ある程度は歯を白くでき、短時間で効果があらわれるのが特徴です。そのため、結婚式などのイベントに合わせて受ける患者も多い方法です。また、自分で薬剤を用意したり塗布したりする必要がなく、手間がかかりません。
しかし、効果の持続期間が短く、元の色に戻りやすいというデメリットもあります。
3-2.ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは、歯科クリニックで自分専用のマウスピースを作成し、専用の薬剤を塗り、毎日一定時間装着する方法です。持続期間は約6ヶ月~1年で、オフィスホワイトニングよりも長く効果が続きます。
患者本人が薬剤を取り扱うため、安全に配慮し、オフィスホワイトニングよりも濃度の低い薬剤を使用します。そのため効果が穏やかで、歯が白くなるまで2〜4週間ほど期間を要します。
自分で施術しなければならないので手間はかかりますが、歯科クリニックに通院する頻度をおさえられるため、忙しい人でも続けやすい方法です。
ただし、薬剤がなくなった場合は追加購入します。
4.インプラントの人工歯は黄ばむの?

インプラントはホワイトニングで白くできないため、「時間の経過とともに着色汚れで、天然歯と色の違いが生じるのでは?」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか?
「オールセラミック」や「ジルコニア」といった、着色汚れのつきにくい素材を人工歯に使用している場合は、着色・変色によって黄ばむ可能性はほぼありません。
しかし、プラスチックの一種である「レジン」をセラミックに混ぜた「ハイブリッドセラミック」を使った人工歯は、着色・変色する可能性があります。レジンは、着色汚れがつきやすく、経年劣化するためです。
ハイブリッドセラミックは、オールセラミックやジルコニアと比べて低価格ですが、インプラントの着色・変色によって、つくり直しが必要になるケースがあります。
人工歯の素材を決める際は、色の変化を考慮のうえ、歯科医師としっかり相談しましょう。
5.ホワイトニング後の歯をきれいに保つ方法

ホワイトニングの効果を長持ちさせるには、下記のような対策が効果的です。
5-1.歯科クリニックで定期的にクリーニングする

歯科クリニックでのクリーニングは、専用の器具を使うことで、通常の歯磨きでは落としにくい汚れも取り除ける処置です。
タバコのヤニやコーヒーや赤ワインなどの飲食物による着色汚れ、歯垢などをしっかり除去することで、ホワイトニングの効果を長続きさせられます。
さらに、口の中を衛生的に保て、歯周病や虫歯の予防にもなり、インプラントの寿命も延ばせるといったメリットもあります。
5-2.着色しやすい食品に気をつける

ホワイトニング後は、できるだけ着色しやすい食品を避けることで、きれいな状態を維持できます。
<着色しやすい食品>
・色の濃い食品:しょうゆ・みそ・ソース・タレといった調味料、緑黄色野菜など
・ポリフェノールを多く含む食品:赤ワイン・ぶどう・チョコレートなど
・タンニンやカテキンを多く含む食品:コーヒー・紅茶・緑茶など
しかし、着色しやすい食品はたくさんあるので、完全に避けるのは難しいでしょう。
着色しやすい食品を食べたり飲んだりしたら、着色汚れ対策の歯磨き粉やホワイトニング用歯磨き粉で、すぐに歯磨きをするようにしましょう。歯磨きが難しい場合は、うがいだけでも効果はあります。
また、食事前に水を一杯飲むのも効果的です。口の中が乾燥していると着色しやすいので、水を飲んで湿らせることにより、影響を軽減できます。
5-3.毎日しっかり歯磨きする

歯に食べかすなどの汚れがついた状態のままだと、色素沈着が起きるリスクがあります。毎日しっかり歯磨きして汚れを取り除くことで、白い歯を守れます。
ただし、ブラッシング時に力を入れすぎると、歯の表面に小さな傷がついてしまい、汚れが入りやすくなる可能性があります。歯科クリニックで正しい歯磨きを指導してもらうと、より効果的です。
5-4.禁煙する

タバコに含まれている「タール」は、ヤニのことを指します。喫煙によってヤニが歯に付着すると、歯が黄色くなってしまいます。
また、タバコによる悪影響は、歯の黄ばみだけではありません。タバコに含まれる「ニコチン」の血管収縮作用により、歯ぐきの血流が悪化し、抵抗力が低下します。その結果、歯周病菌が歯ぐきに感染することで起きる病気である「インプラント周囲炎」を発症し、最悪の場合はインプラントの脱落を招きます。
インプラント・ホワイトニングを機に禁煙するのがベストです。難しい場合は、徐々にタバコの量を減らしていきましょう。
6.インプラントとホワイトニング両方とも検討している場合は、歯科医師に相談しよう!

ホワイトニングはインプラントを入れた後でも受けられますが、インプラントの人工歯を白くすることはできません。
インプラントの人工歯は周囲の天然歯と色を合わせてつくるため、後からホワイトニングすると、色の違いが目立ってしまいます。
ホワイトニングが完了してからインプラントをするのが一番スムーズですが、ホワイトニング後の天然歯の色を予想して人工歯をつくる、ホワイトニング後に人工歯をつくり直すといった方法もあります。
ホワイトニングをしても時間の経過によって天然歯の色が戻ってしまうため、定期的にホワイトニングすることが大切です。
また、インプラントの人工歯も素材によっては黄ばむ場合があるので要注意です。
ホワイトニングの効果を長持ちさせるには、定期的にクリーニングする・着色しやすい食材を避ける・毎日歯磨きをする・禁煙するといった対策が効果的です。
インプラントとホワイトニング両方行う場合は、治療の順番など多くの注意点があります。まずは歯科医師と相談して、計画的に治療を進めましょう。









