
- この記事の監修者
- 医療法人社団「朋優会」理事長。歯科医師・インプラント専門医。国際インプラント学士会(I.C.O.I.)メンバー。米国インプラント学会(A.O.)アクティブメンバー。欧州インプラント学会(E.A.O.)メンバー。O.S.I.アドバンスドトレーニングコース 講師。
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インプラント治療を行ったあと、今までにはなかったような、頭痛や肩こりを感じるという方もいます。
このような症状は一時的な場合もあれば、慢性的に続くこともあるようです。
インプラントは歯科治療であるのに、頭や肩という別の部分に影響があるなんて、結びつきにくいかもしれませんが、一体インプラントと頭痛や肩こりにはどのような関係があるのでしょうか。
今回はインプラントと頭痛や肩こりなどの不調の関係と、症状緩和のための対策についてまとめました。
目次
- 1.インプラントと頭痛と肩こりの関係
- 1-1.手術直後の一時的なもの
- 1-2.ストレスと緊張
- 1-3.不適切な噛み合わせ
- 1-4. 上顎洞に細菌感染、または上顎洞炎を起こしている
- 1-5.インプラント周囲炎になっている
- 1-6.歯ぎしり
- 2.インプラントが原因と考えられる場合の頭痛と肩こりの対策は?
- 2-1.医師に相談する
- 2-2.適切な治療を行う
- 2-3.炎症や感染の予防
- 2-4.歯ぎしりの管理
- 2-5.ストレスの緩和
- 3.インプラント後の不調は適切な治療で緩和しよう
1.インプラントと頭痛と肩こりの関係

インプラント治療が元で頭痛や肩こりが出てきた場合、どのような関係があるのか、考えられる原因について見てみましょう。
1-1.手術直後の一時的なもの
インプラントは顎骨に人工歯根を埋め込む外科手術を行います。
麻酔を使って手術はしますが、麻酔が切れてくると、痛みや腫れなどが生じます。
その痛みや腫れが全体的な不調へと繋がり、頭痛や肩こりなどに繋がることがあります。
手術直後の痛みや腫れは1週間程度で治まります。
それらの痛みがとれてくるとともに、頭痛や肩こりも改善されることが多いので、一時的な痛みかもしれません。
1-2.ストレスと緊張
また、外科手術に対し、不安やストレスがあったり、過度に緊張しすぎたりすると、緊張型頭痛や片頭痛を引き起こしてしまうことがあります。
緊張は体をこわばらせ、その結果肩や首のこりに繋がることも。
ストレスや緊張が原因での症状も一時的なもので、手術前後の不安や緊張がほぐれると、緩和することがあります。
1-3.不適切な噛み合わせ
インプラント手術によって埋め込まれた人工歯根が顎骨と結合すると、被せ物である人工歯を取り付けます。
人工歯が取り付けられると、そこで一旦治療は完了です。
そのあとに頭痛や肩こりを感じるようになった場合には、人工歯と周囲の歯との噛み合わせが原因かもしれません。
噛み合わせに問題がある場合、咬む力が不均衡になり、頭痛や肩こりの原因となる可能性があります。
また、噛み合わせが悪化すると、顎にずれが生じ、更に首筋の緊張や肩こりを引き起こすことがあります。
その肩こりが頭痛の原因となり、顎関節症に繋がることも。
1-4. 上顎洞に細菌感染、または上顎洞炎を起こしている
上顎にインプラントを埋め込んだ方の場合、治療の際に上顎洞周辺の粘膜を傷つけてしまったことが原因で、慢性的な頭痛や肩こりに繋がることがあります。
上顎洞とは、鼻の横、目の下にある空間の事。
上顎はこの上顎洞と近い場所にあるので、傷つけやすいです。
傷つくとそこへ細菌感染が起こり、頭痛や肩こりを生じさせている可能性があります。
また、細菌感染がひどくなると上顎洞炎という炎症を起こします。
上顎洞炎は頭痛や肩こりの他、鼻詰まりや顔痛などの症状が出ることがあります。
1-5.インプラント周囲炎になっている
インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺が歯周病のような炎症を起こす細菌感染病のことです。
最初は歯茎の腫れなどの症状が見られますが、進行すると骨吸収が起き、インプラント治療で埋め込んだ人工歯根がぐらつくことがあります。
人工歯根がぐらつくと、噛み合わせにもずれが生じ、それが原因で頭痛や肩こりなどの症状が出ることも。
重度のインプラント周囲炎になると、せっかく埋め込んだ人工歯根が抜け落ちることがあります。
1-6.歯ぎしり
歯ぎしりも頭痛や肩こりの原因になることがあります。
歯ぎしりで歯周組織や顎の周りの筋肉に緊張を引き起こし、頭痛や肩こりを誘発するのです。
2.インプラントが原因と考えられる場合の頭痛と肩こりの対策は?

インプラント治療がきっかけで、頭痛や肩こりが生じるようになった場合、どのような緩和するための対策があるでしょうか。
2-1.医師に相談する
まずは何より、インプラント治療を受けた歯科医院で、医師に相談してみましょう。
インプラント治療後、どの時期から、どの程度の頭痛や肩こりの症状が出るのかを相談し、治療した部分に異常はないか、インプラントの状態、口腔内の状態を確認してもらいましょう。
2-2.適切な治療を行う
医師に確認してもらった上で、口腔内に何か原因があるようであれば、それに対して適切な治療を行います。
インプラント自体に問題がある場合や噛み合わせに問題がある場合には、人工歯などの調整などが行われることが多いでしょう。
インプラント周囲炎の場合は、すぐに治療をスタートします。
歯周病と違い、インプラント周囲炎は完治するのは難しいものですが、進行を止めることは可能です。
しっかりと治療を行い、患者自身も適切なケアを行っていきましょう。
上顎洞の細菌感染や、上顎洞炎が原因であると考えられる場合、抗生物質や抗炎症剤が処方されることがあります。
それらを服用して改善が見られなければ、一度インプラントを取り除かなければいけない場合もあります。
2-3.炎症や感染の予防
また、適切な治療を行った後には、セルフケアで再度炎症や感染が起こるのを予防する必要があります。
インプラント周りのブラッシングは自分の天然歯よりもさらに丁寧なケアが必要だからです。
歯科でブラッシング指導を受け、毎日しっかりケアを行いましょう。
歯科医院で定期的に経過観察、メンテナンスを受けることも重要です。
2-4.歯ぎしりの管理
歯ぎしりが問題で頭痛や肩こりに繋がっている場合、歯科医に相談してマウスガードの使用などの対策を検討しましょう。
歯ぎしりは夜間に無意識でしている方も多いので、自分の意識ではコントロールしにくいです。
朝になると顎周りが疲れている、歯がすり減っている気がする、ふと目覚めたときに歯を食いしばっていたなどの症状がある場合にも、医師に相談してみるといいでしょう。
2-5.ストレスの緩和
インプラント治療が直接関係なく、ストレスが原因で頭痛や肩こりが起こっている場合には、ストレスを少しでも解消できるよう、対策を行ってみましょう。
まずはストレスの原因がなんであるかを考えてみて、その原因が取り除けるか、緩和できないかを考えるといいですね。
もし、原因自体はどうしようもない場合には、少しでもストレスを発散できるよう、自分の時間を持ち、リラックスできる時間を作りましょう。
3.インプラント後の不調は適切な治療で緩和しよう

インプラント手術後の頭痛や肩こりの症状は、一時的なものから慢性的なものまで様々です。
考えられる原因にも様々あるので、原因に対する適切な対策を講じることで緩和できることがあります。
頭痛や肩こりの症状が見られたら、インプラント治療を受けた歯科医院で相談してみましょう。
インプラント自体やその周りに異常がないか見てもらった上で、適切な治療を受けましょう。
また、患者自身も原因に合わせた予防を心がけ、健康で快適な状態で、インプラント生活を楽しめるといいですね。









