「カムログ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「カムログ」とは、CAMLOGと書き、医療先進国ドイツのインプラントシステムのことを言います。
日本でも最近、この「カムログ」を採用する歯科医院も増えてきています。
この「カムログ」はどのようなインプラントシステムなのでしょうか。
目次
- 1.「カムログ」インプラントシステムとは?
- 1-1.カムログインプラントシステムの特徴
- 2.カムログインプラントの種類
- 2-1.スクリュータイプインプラント
- 2-2.ルートフォームインプラント
- 3.世界的にも信頼性の高いカムログインプラント
1.「カムログ」インプラントシステムとは?
「カムログ」インプラントシステムとは、世界屈指の医療先進国であり、かつ工業先進国でもあるドイツのカムログ社で作られているインプラントシステムです。
ドイツトップシェアと言われるカムログ社のインプラント。
そのインプラントシステムの特徴について見ていきましょう。
1-1.カムログインプラントシステムの特徴
カムログインプラントシステムには次のような特徴があります。
【治療時間の短縮と長期的な安定を考えて設計】
カムログインプラントは、長年の臨床と研究に基づいたインプラントシステムです。
インプラント治療をする歯科医師側の意見をくみ取り、使いやすさを追求した設計になっています。
そのため、治療時間の短縮を目指せます。
カラーコード化されたパーツや、デプスストップのついたドリルは安全性、操作性が高く、治療を行う医師のストレスを軽減させることも狙いとしてあります。
また、精度の高いパーツを組み合わせて使用しているため、安定した機能が長期的に保てるように設計されています。
【インプラントのトラブルを解消した設計】
インプラント治療において、トラブルとなることが多いのが、インプラントの「緩み」と「破折」です。
まず「緩み」はインプラントを人工歯根として支える“インプラント体”と、その上でインプラント(人工歯)とインプラント体を連結させている支台部分(アバットメント)に発生しやすいです。
この支台部分はネジ状になっているインプラントメーカーが多く、定期的に締まり具合を確認してもらうことが必要です。
その点、カムログインプラントは内部が二層構造になっているため、しっかりと安定させられます。
「緩み」によって起こるトラブルも解消できるでしょう。
インプラント体が「破折」してしまうトラブルの原因は様々あり、インプラント周囲炎やインプラント体に強い負荷がかかることが考えられます。
カムログインプラントでもインプラント周囲炎は気を付けていくことが大事ですが、負荷に対しては内部の二重構造で機械的に安定させているため、一部分に強い力が加わりにくい設計となっています。
【豊富な支台(アバットメント)がある】
カムログインプラントの特徴として、豊富な支台があることも挙げられます。
支台のラインナップが多く、ブリッジやクラウンなどの補綴物も使用可能です。
【妥協のない商品開発と品質管理】
カムログインプラントシステムは、細部にこだわりを持った、妥協のない商品開発を行っているところも特徴の1つです。
長年の研究と実績から導き出したコンセプトと、デジタルテクノロジーを融合させたインプラントを製造しています。
また、インプラント治療をする患者にはもちろん、治療する歯科医師にも満足してもらえるよう、品質管理も徹底しています。
2.カムログインプラントの種類
カムログインプラントシステムには、種類が2種類あります。
それぞれの特徴を紹介します。
2-1.スクリュータイプインプラント
スクリュータイプのインプラントは、4通りのスタイルで幅広い症例に対応できるインプラントシステムです。
インプラント体は、プロモートとプロモートプラスといった2種類あります。
プロモートはネック部機械研磨面が1.4mm、プロモートプラスはネック部機械研磨面 0.4mmという違いです。
プロモートプラスを使用するには、歯肉の厚みが3mm以上、付着歯肉の幅が最低1.0 mmあることなど、いくつか条件があります。
また、支台部分(アバットメント)も2種類あります。
プラットフォームマッチングとプラットフォームスイッチングという2種類のものです。
2種類のインプラント体、2種類のアバットメントは、症例などに合わせ、自由に組み合わせることができます。
そのため、4通りのスタイルで使い分けることができるのです。
その他、スクリュータイプのインプラントは表面が細かい研磨剤と酸によって処理されています。
その粗い表面と細かいデコボコとした表面が顎骨などと強固に絡み合い、しっかり固定されます。
2-2.ルートフォームインプラント
ルートフォームインプラントは、歯根の形に似せて作られていることが特徴です。
隣在する歯根がインプラント側に狭窄していたり、インプラント体を埋める予定の部分の顎骨に大きめのくぼみやへこみ等があったりする場合、ルートフォームインプラントが使用されるケースがあります。
V字型のスレッド(ねじ山)をしており、先端部に近づくほど、スレッドが狭くなっています。
3.世界的にも信頼性の高いカムログインプラント
カムログインプラントは、ドイツ生まれのインプラントシステムです。
最近、日本でも取り入れる歯科医院が増えてきており、注目度も高くなってきています。
安全性、安定性はもちろん、症状に合わせて柔軟に対応できるシステムや、インプラント治療を行う歯科医師にも配慮した設計が特徴です。
まだどこの歯科医院でもカムログインプラントが採用されているわけではありませんが、気になる場合には一度歯科医院へ問い合わせてみてください。