インプラント治療で、血液検査は必要?

インプラント治療の前には、さまざまな検査を行います。

その中に血液検査を行ったり、健康診断等の血液検査の結果を持参するように言われたりすることも多いです。

歯の治療なのに血液検査?と疑問に思われる方もいるかもしれませんね。

しかし、インプラント治療は外科手術を伴う治療ですので、血液検査はとても重要です。

 

今回はインプラント治療における血液検査の重要性について、紹介していきます。

目次

1.インプラント治療前の血液検査で分かること

血液検査とは採血をし、血液を調べる検査のことです。

インプラント治療では外科手術を行いますので、出血は避けられませんし、手術後の経過やトラブルの対応にも血液検査の結果が重要となってくることがあります。

血液検査では、主に以下のような点を確認します。

1-1.血液型

インプラント治療において、一見関係がないと思う方もいるかもしれませんが、インプラント治療と血液型には相性があると言われています。

血液型がO型の場合、インプラント手術において顎骨へインプラント体(人工歯根)を埋め込んだ際、顎骨とインプラント体の結合力が強いとのこと。

つまり、インプラント治療の成功率が高いと言われるのがO型です。

 

A型やB型の場合、O型ほど結合力は強くはないものの、中間的な結合力を持っています。

しかし、AB型の場合、結合力が弱く、失敗率が高くなってしまうと言われています。

 

血液型とインプラント治療の相性については、決定的で科学的根拠はないものの、このような傾向があることが知られています。

インプラントの種類や手術方法を選ぶ際の、材料の1つとして血液型を考慮する歯科医院もあります。

1-2.血糖値

血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことを言います。

この血糖値が高いと、糖尿病が疑われます。

血糖値が高いままインプラント治療を受けると、インプラントの周囲に炎症が起こりやすい傾向もあります。

インプラント体と顎骨との結合力が悪くなることもあるため、血糖値を確認する歯科医師も多いです。

 

また、血糖値が高い場合、感染症や出血のリスクが高まります。

外科手術の際のトラブルの原因にもなるので、血糖値は正常に保つことが理想的です。

 

正常な血糖値とは110mg/dL未満のことです。

正常値になるまではインプラント治療を避けることもあります。

食事や運動などの生活習慣を改善したり、内科医などの薬物療法を行ったりし、血糖値を正常に保つ治療を行いながら、歯科医師と内科医で連携して治療計画を立てることもあります。

1-3. 血液凝固能

血液凝固能は、血液の凝固を助け、出血を止めるために必要なタンパク質を十分に作ることができるかの値です。

血液凝固能が低い場合、インプラント治療の外科手術時に血が止まりづらいことはないか、傷口の治りが遅くならないかを確かめます。

 

血液凝固能の基準値は70~130%です。

これよりも低い場合には、内科医の支持に従い、ビタミンKや鉄分などの栄養素を摂取したり、抗凝固剤などを服用したりしながら、基準値を保つようにします。

改善すればインプラント治療が行えます。

1-4.肝機能

肝機能についても、インプラント治療を行う前に確認する項目の1つです。

肝機能は名前の通り、肝臓の働きを血液から確認するもの。

この肝機能が低下すると、インプラント治療時に使用される麻酔や抗生物質などの薬物の代謝が悪化し、副作用やアレルギー反応が出てしまうリスクがあります。

また、肝機能の低下は血液凝固や免疫機能の低下につながり、出血や感染のリスクも高まります。

 

肝機能を正常に保つために、アルコールやタバコなど、肝臓に負担をかけるものを控えたり、改善剤などを服用したりする必要があります。

特にタバコはインプラントの手術前は厳禁です。

禁煙できるように内科医に相談しながら、肝機能の値をチェックしていきましょう。

2.インプラント治療前に血液検査は必須?

インプラント治療を受ける前に、血液検査の結果を見ることで、治療におけるさまざまなリスクが事前に分かります。

リスクまではいかないにしても、治療方法などを選択する際の参考になることもあります。

 

そのため、血液検査は必須とは言えませんが、健康診断での結果などを持参するように医師開始から言われることがあります。

2-1.血液検査で異常が見つかったら

インプラント治療前に血液検査における異常が見つかった場合、すぐにインプラント治療に入ることはありません。

インプラント治療ができるかどうかを、まずはかかりつけ医や内科医に相談しながら、異常があった点の治療を考えます。

 

異常の値が、インプラント治療ができそうな程度であれば、内科医と連携を取りながら、インプラント手術を行う場合もあります。

手術を行う際には、抗生剤・消炎剤などを処方しながら手術を行ったり、治療方法を考慮したりしながら行います。

また、口腔内の消毒を通常よりも回数を増やすという工夫を行うこともあります。

2-2.血液検査による手術方法の選択

インプラントの外科治療方法には、主に1回法と2回法があります。

1回法は1回のみ外科手術を行い、手術したその日のうちに仮歯を付ける治療法です。

この1回法は基本的に健康上、何の問題のない健康な方に行われることが多いものです。

 

2回法は外科手術を2回行う手術方法です。

1回目の手術でインプラント体を顎骨に埋め込み、顎骨との結合を待ってから2回目の手術により仮歯を付けます。

インプラント体と顎骨の結合に不安がある場合や、感染症のリスクが高い持病がある場合などは2回法が適用されることが多いです。

血液検査の結果次第で、このように1回法と2回法どちらにするかを選び、治療を行います。

3.インプラント治療前の血液検査は重要!安心して治療に挑もう

インプラント治療前に血液検査を行ったり、血液検査の結果を歯科医師が確認したりするのはインプラントの手術においてトラブルなどが起こるリスクを下げるためです。

インプラント治療の成功率を左右すると言っても過言ではありません。

 

安心して治療を受けるために、治療前には血液検査を受けるようにしましょう。

歯科医院で受ける際には、インプラント治療は自費診療であるため、検査も健康保険が適用されません。

事前に検査料を確認しておきましょう。

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